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後場に注目すべき3つのポイント~利下げ転換思惑先走るも修正は時間の問題か

2022/10/5 12:22 FISCO
*12:22JST 後場に注目すべき3つのポイント~利下げ転換思惑先走るも修正は時間の問題か 5日の後場の取引では以下の3つのポイントに注目したい。 ・日経平均は3日続伸、利下げ転換思惑先走るも修正は時間の問題か ・ドル・円は下げ渋り、ドル売り後退で ・値上がり寄与トップはファーストリテ<9983>、同2位はソフトバンクG<9984> ■日経平均は3日続伸、利下げ転換思惑先走るも修正は時間の問題か 日経平均は3日続伸。93.76円高の27085.97円(出来高概算6億1084万株)で前場の取引を終えている。 4日の米株式市場でダウ平均は825.43ドル高(+2.79%)と大幅続伸。債務健全性への懐疑的見方から売られていた金融のクレディスイス株が持ち直したことで市場混乱の警戒感が後退。欧州からの流れを引き継いだ買いが先行して米株市場も上昇スタート。また、8月求人件数(JOLTS)の予想以上の大幅減少を受けて大幅利上げ継続観測が緩和。長期金利の軟化も手伝い、さらなる上昇に繋がった。ナスダック総合指数も+3.33%と大幅に続伸。日経平均は219.11円高と27000円を回復してスタート。ただ、連日の急伸の反動のほか、時間外取引のダウ平均先物が軟化したこともあり、寄り付き直後を高値に失速。その後は心理的な節目をサポートに底堅さも見られたが、こう着感の強い展開が続いた。 個別では、ソフトバンクG<9984>、信越化学<4063>、キーエンス<6861>、SMC<6273>、HOYA<7741>など主に値がさ株の上昇が目立った。ファーストリテ<9983>は9月既存店売上の堅調さも好感されたようだ。村田製<6981>、TDK<6762>、新光電工<6967>のハイテクが全般堅調。材料処では、旧村上ファンド系による大量保有が判明したアークランズ<9842>が急伸。9月既存店売上の好調が評価されたABCマート<2670>も大幅に上昇。目立った動きではないが、上半期決算の堅調さが確認されたウエルシアHD<3141>、半導体装置新工場の建設報道が伝わったキヤノン<7751>も買い優勢。 一方、レーザーテック<6920>、東エレク<8035>、スクリン<7735>、三井ハイテック<6966>などの半導体関連の一角が軟調。為替が対ドルでやや円高方向に振れていることでトヨタ自<7203>、三菱自<7211>なども弱含み。エスプール<2471>は6-8月期の営業減益が嫌気されて急落。イオンモール<8905>も決算が売り材料視された。良品計画<7453>は既存店売上の軟調継続を受けて下落した。 セクターでは精密機器、保険、繊維製品が上昇率上位となった一方、食料品、陸運、医薬品が下落率上位となった。東証プライム市場の値上がり銘柄は全体の57%、対して値下がり銘柄は38%となっている。 本日の日経平均は27000円を回復してのスタートで3日続伸となっているものの、寄り付き直後を高値にその後は失速。チャートでは、26週移動平均線をはじめ、200日、75日、25日など主要移動平均線が集中する27200~27400円レンジ手前で失速しており、セオリー通りの綺麗上昇一服となっている。日足ベースの一目均衡表では、厚い雲のレンジ下限の手前でもあり、この水準は強力な上値抵抗帯として作用しそうだ。 前日は、豪中央銀行が0.25ptと、予想(0.5pt)に反して利上げ幅を縮小させたほか、上述の米8月求人件数(JOLTS)の想定上の減少もあり、俄かに再び台頭してきた米連邦準備制度理事会(FRB)による利下げへの思惑がより強まる形となった。しかし、今週に入ってからも、ニューヨーク連銀のウィリアムズ総裁などのFRB高官らは引き続きインフレ抑制のためにやり残していることが多くあること、今後も粘り強く金融引き締めを続けていく必要性などを主張している。ブレイナードFRB副議長が、金融引き締めが与えるリスクとして国境を超えた脆弱性の波及などに言及していることを、ハト派色と捉える向きもいるようだが、同氏は9月の米連邦公開市場委員会(FOMC)以前から同様のことを既に発言しており、目新しさはない。 前日の当欄での指摘の繰り返しにはなるが、FRBはインフレ抑制のために景気減速を引き起こすと公言しており、それは9月FOMCで公表された経済成長見通しからも明らかだ。そこでは、今年だけでなく、来年も潜在成長率を大きく下回る成長を想定していることが分かっている。それ故、一昨日の米9月サプライマネジメント協会(ISM)製造業景況指数の低下などがFRBの利下げ転換への期待を高めるなどというロジックは冷静に考えれば非合理的である。むしろ、FRBはこうした景気減速を望んですらいるだろう。 7月半ばからの約1カ月に亘るベアマーケットラリー(弱気相場下での一時的な株価上昇)の際もそうだったが、市場が勝手にFRBの利下げ転換を期待したことが株価反発の背景であった。今回も同様で、市場の思惑が先走っているに過ぎない。同様の期待を抱いているのは、前回ラリー時と同じ層と思われ、多くの投資家は今回も一時的なラリーに過ぎないと考えているだろう。 たしかに、国際連合(UN)による各国中銀への利上げ停止要請や、物価指標だけでなく雇用指標でも軟化を示唆するデータが確認されたこと、また豪中銀による利上げ幅縮小などがあることは、前回ラリー時とは異なる点として挙げられる。しかし、これがFRBの利下げ転換に繋がるかと考えれば、やはり市場が勝手に先走っている感が否めない。むろん、投資家には様々な時間軸や目的を持った投資家がいるわけで、したがって、実際に利下げ転換に繋がるか否かは関係なく、一時的にこうした思惑に基づいた投資家の動きが市場を左右することは否定できない。しかし、長い目でみれば歪みはいつか是正される。今回も、今週末の米9月雇用統計、もしくは来週の米9月物価指数やFOMC議事録の公表あたりで修正を迫られる可能性が高いのではないだろうか。 ■ドル・円は下げ渋り、ドル売り後退で 5日午前の東京市場でドル・円は下げ渋り。序盤はクロス円に連れ安氏、一時143円50銭台にまで値を下げた。ただ、米金利安を背景とした前日のドル売りは後退し、対円では144円台に持ち直した。また、ドルはユーロや豪ドルなど主要通貨に対し値を上げた。 ここまでの取引レンジは、ドル・円は143円53銭から144円32銭、ユーロ・円は143円38銭から144円01銭、ユーロ・ドルは0.9960ドルから0.9990ドル。 ■後場のチェック銘柄 ・ワイエスフード<3358>、霞ヶ関キャピタル<3498>など、6銘柄がストップ高 ※一時ストップ高(気配値)を含みます ・値上がり寄与トップはファーストリテ<9983>、同2位はソフトバンクG<9984> ■経済指標・要人発言 【経済指標】 ・米・8月JOLT求人件数:1005.3万件(予想:1108.8万件、7月:1117万件←1123.9万 件)・米・8月耐久財受注改定値:前月比−0.2%(予想:-0.2%、速報値:-0.2%) ・米・8月耐久財受注(輸送用機器除く)改定値:前月比+0.3%(予想:+0.2%、速報値:+0.2%) ・米・8月製造業出荷・資本財(航空機を除く非国防)改定値:前月比+0.4%(速報値:+0.3%) ・米・8月製造業受注:前月比0%(予想:+0.0%、7月:-1.0%) 【要人発言】 ・NZ準備銀行 「引き続き金融引き締めを行うことが適切と合意」 「依然としてコアCPIは高すぎ、労働資源は不足」 <国内> 特になし <海外> ・15:00 独・8月貿易収支(予想:+47億ユーロ、7月:+54億ユーロ) 《CS》
関連銘柄 24件
2471 東証プライム
340
11/22 15:30
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時価総額 26,863百万円
人材派遣や人材アウトソーシング、プロフェッショナル人材活用、障がい者雇用支援、行政BPO等を手掛ける。ビジネスソリューション事業は増収。障がい者雇用支援サービスや自治体の環境経営支援も拡大。IFRS移行。 記:2024/09/29
2670 東証プライム
3,044
11/22 15:30
+7(%)
時価総額 753,752百万円
ABCマートを運営する靴小売大手。ナイキ、アディダスなどのブランドと強固な関係を構築。オッシュマンズ・ジャパン等を傘下に収める。グループ店舗数は1490店舗超。国内は高付加価値スニーカー等の販売に注力。 記:2024/10/24
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時価総額 393,738百万円
ドラッグストアチェーン最大手。調剤薬局併設、24時間営業のウエルシア薬局を全国展開。イオン傘下。グループ店舗数は2800店舗超。からだ・くらしWelciaは売上増加傾向。PB物販売上構成比の引き上げ図る。 記:2024/10/20
3358 東証スタンダード
102
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時価総額 3,138百万円
福岡県中心に「九州筑豊ラーメン山小屋」や「筑豊らーめんばさらか」、「一康流ラーメン」などを直営、FC展開。公式通販ショップの運営や温泉事業等も。OEM受注の増加、定番商品の付加価値向上などに取り組む。 記:2024/10/24
3498 東証プライム
12,610
11/22 15:30
+220(%)
時価総額 124,335百万円
物流施設開発やホテル開発、ヘルスケア施設開発等を行う不動産コンサルティング事業を手掛ける。ホテルは「fav」等のブランドを展開。29.8期当期純利益500億円目標。事業の多角化、事業規模の大型化図る。 記:2024/10/24
4063 東証プライム
5,649
11/22 15:30
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時価総額 11,307,558百万円
時価総額世界上位の化学メーカー。1926年設立。塩化ビニル樹脂、シリコンウエハー、合成石英などで世界トップシェア。海外売上比率が高い。先端露光材料の新拠点建設推進。機能材料事業は高機能性製品の販売に注力。 記:2024/10/28
6273 東証プライム
66,580
11/22 15:30
-230(%)
時価総額 4,485,428百万円
空気圧制御機器メーカー。方向制御機器や駆動機器、空気圧補助機器、温調機器等の製造・販売を行う。空気圧機器で世界トップシェア。豊富な品揃えなどが強み。千葉県柏市の新技術センターは25年9月に完成予定。 記:2024/10/04
6762 東証プライム
1,875.5
11/22 15:30
-6.5(%)
時価総額 3,645,709百万円
大手電子部品メーカー。1935年創業。二次電池などエナジー応用製品が主力。スマホ内臓バッテリーで世界トップシェア。海外売上高比率は9割超。高収益事業の強化図る。中計では27.3期売上高2.5兆円目標。 記:2024/08/29
6861 東証プライム
65,660
11/22 15:30
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時価総額 15,969,037百万円
センサや測定器、画像処理システム、制御・計測機器等を手掛けるFAの総合メーカー。製造は国内外の協力会社に委託。取引先は全世界に35万社超。グローバル直販体制が強み。販売力の強化などで海外事業の拡大図る。 記:2024/10/12
6920 東証プライム
17,280
11/22 15:30
±0(%)
時価総額 1,629,262百万円
半導体関連装置メーカー。シェア独占のEUVマスク欠陥検査装置に強み。FPD関連装置やレーザー顕微鏡なども手掛ける。High-NA向け含むACTISは引き合い旺盛。生成AI関連HBM向けは需要堅調。 記:2024/06/11
6966 東証プライム
763
11/22 15:30
-7(%)
時価総額 150,566百万円
モーターコア製品等の製造・販売を行う電機部品が主力。リードフレーム、プレス用金型、平面研削盤等も手掛ける。福岡県北九州市に本社。車載用モーターコアで世界トップシェア。生産性向上、原価低減に取り組む。 記:2024/10/14
6967 東証プライム
5,255
11/22 15:30
-22(%)
時価総額 710,329百万円
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6981 東証プライム
2,562
11/22 15:30
-8(%)
時価総額 5,099,951百万円
大手電子部品メーカー。コンデンサやインダクタ、EMI除去フィルタ等を手掛ける。チップ積層セラミックコンデンサ等で世界トップシェア。海外売上高比率が高い。コンデンサはモビリティ向けなどで販売増を見込む。 記:2024/06/04
7203 東証プライム
2,664.5
11/22 15:30
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時価総額 42,085,743百万円
自動車メーカー最大手。カローラ、クラウン、プリウスなど人気車種多数。ダイハツ工業、日野自動車等を傘下に持つ。海外販売台数比率は7割超。グローバル生産累計3億台超。ソフトウェア、AIなどへの投資を加速。 記:2024/08/01
7211 東証プライム
439.3
11/22 15:30
+2(%)
時価総額 654,681百万円
SUV・4WD技術に強みを持つ自動車メーカー。仏ルノー及び日産自動車と提携。海外売上高比率は7割超。アセアンの販売台数比率が高い。26.3期営業利益2200億円目標。アセアンで新商品の連続投入計画。 記:2024/06/17
7453 東証プライム
3,025
11/22 15:30
+25(%)
時価総額 849,360百万円
生活雑貨や衣服、食品等の販売を行う「無印良品」を国内展開。西友のプライベートブランドとして1980年に誕生。海外では「MUJI」を展開。店舗数は国内外で1300店舗超。国内では日用品好調。生産管理を効率化。 記:2024/10/20
9,067
11/22 15:30
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時価総額 921,117百万円
半導体機器の製造、販売等を行うSCREENセミコンダクターソリューションズが中核の持株会社。バッチ式洗浄装置やスピンスクラバーなどで世界トップシェア。配当性向30%以上目安。DX推進による生産性向上図る。 記:2024/08/22
7741 東証プライム
19,375
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5,054
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+61(%)
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8035 東証プライム
22,250
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時価総額 10,493,834百万円
世界的な半導体製造装置メーカー。TBSの出資で1963年に設立。塗布現像、ガスケミカルエッチング、拡散炉などで世界トップシェア。配当性向50%目処。研究開発投資を積極化。固定費の最適化などにも取り組む。 記:2024/07/07
8905 東証プライム
2,000
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時価総額 455,128百万円
国内最大級の商業ディベロッパー。イオンのショッピングセンターや商業施設の開発に加え、店舗の運営・管理等を行う。海外のモール開発でも実績。国内の既存モールは収益力回復。26.2期営業利益690億円目標。 記:2024/10/28
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1,698
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+21(%)
時価総額 109,917百万円
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9983 東証プライム
49,020
11/22 15:30
+550(%)
時価総額 15,599,193百万円
世界的なアパレル会社。「ユニクロ」を主力に、「ジーユー」、「セオリー」等のブランドを世界中で展開。海外ユニクロ事業が成長の柱。グローバル化の加速、ジーユー事業などグループブランドの拡大などに注力。 記:2024/10/25
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8,586
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+36(%)
時価総額 12,621,377百万円
携帯キャリアのソフトバンク、LINEヤフー、ビジョン・ファンド、半導体設計の英ARMなどを傘下に収める持株会社。ソフトバンク事業はメディア・EC事業などが順調。中計では26.3期純利益5350億円目指す。 記:2024/06/17