マーケット
11/22 15:15
38,283.85
+257.68
44,296.51
+888.04
暗号資産
FISCO BTC Index
11/25 13:43:42
15,077,704
フィスコポイント
保有フィスコポイント数
  
今月フィスコポイント数
  

国内株式市場見通し:米FOMC通過後も本格持ち直しには程遠い?

2022/3/12 14:27 FISCO
*14:27JST 国内株式市場見通し:米FOMC通過後も本格持ち直しには程遠い? ■原油先物相場の急騰でリスク回避の動き加速 先週の日経平均は週間で822.69円安(-3.17%)と大幅に4週続落。週足のローソク足は4週連続の陰線でマド空けを伴う形となった。 週明け7日の日経平均は764.06円安と急落。欧米諸国がロシア産原油の輸入禁止を検討しているとの報道で、原油先物相場が急騰し、経済への影響が懸念されるなかリスク回避の動きが加速。8日も430.46円安と大幅に続落し、終値で25000円を割り込んだ。ロシアとウクライナの停戦交渉に進展がないなか米国で実際に超党派議員がロシア産原油・エネルギー製品の輸入禁止で合意したことなどが嫌気された。 9日も73.42円安と小幅ながら続落。ウクライナがNATO(北大西洋条約機構)への加盟を断念する可能性を示唆したことで停戦期待が高まったが、不透明感を払しょくできず、燃料価格上昇に伴うインフレ高進への懸念も重しとなった。日経平均は安値で24681.74円まで下落し、昨年来安値を更新した。 10日は一転して972.87円高と大幅反発。アラブ首長国連邦(UAE)が石油輸出国機構(OPEC)加盟国に増産を促していると伝わり、原油先物相場が急反落したことが安心感を誘った。 しかし、週末11日は527.62円安と再び大幅に下落。ロシアとウクライナの初の閣僚級交渉による外相会談で進展がなかったことが失望感を誘った。また、米2月消費者物価指数(CPI)が前年同月比+7.9%と40年ぶりの高い伸びとなり、インフレ懸念が高まるなか米長期金利の上昇などが嫌気された。そのほか、欧州中央銀行(ECB)が量的緩和縮小のペースを加速させるなどタカ派的な政策決定を行ったこともあり、世界的な金融引き締め懸念を再び高め、相場の重しとなった。 ■FOMCではドットチャートやQT開始時期に注目 今週の日経平均は神経質な展開か。15~16日のFOMCを睨んだ神経質な展開が予想されるほか、引き続きウクライナ情勢にも注意を払う必要がありそうだ。 先日の米連邦準備制度理事会(FRB)のパウエル議長の議会証言で、3月FOMCでの0.25ptの利上げはほぼ濃厚。注目点はFRBメンバーによる政策金利見通し(ドットチャート)とバランスシートの縮小(QT)の開始時期への言及などだ。市場は現在年内に残る7回全てのFOMCで0.25ptの利上げが行われることをほぼ織り込んでいる。このため、ドットチャートの結果がタカ派サプライズとなる可能性は低い。むしろ、ドットチャートの中央値が市場予想より少ない利上げ回数を示唆する可能性もあり、この場合は相場の下支え要因となりそうだ。 また、QTについては年明け以降の高官発言や議長の議会証言により、年央からの開始や3年程度の時間をかけて行われていくことなどは既に分かっている。ウクライナ情勢を背景とした景気減速懸念を考慮して、この開始時期を遅らせるかどうかが注目される。一方、ECBが量的緩和策の縮小ペースを加速させるなど既にタカ派寄りの政策決定を下していることもあり、FRBが従来通り年央からのQT開始を示唆しても、大きなネガティブサプライズにはならないだろう。 ただ、パウエル議長は経済データ次第ではこの先0.5ptの利上げもあり得るとしている一方、市場はこの点についてはまだ十分に織り込み切れていない。ウクライナ情勢の緊迫化後に起きた資源価格の高騰におり、CPIは今後も高止まりする見通し。このため、5月のFOMC以降での大幅利上げの可能性は十分に残されており、今回のFOMC通過だけで相場が本格的に持ち直すとは考えにくい。 他方、ウクライナ情勢にも依然として目配りが必要だ。経済制裁が相次いでいることで既に制裁に関するヘッドラインに対しては織り込みがかなり進んでいる。また、ロシアとウクライナの外相会談は物別れに終わり失望感を誘ったものの、逆に混乱長期化というシナリオを相当織り込んだ。このため、地政学リスクが株式市場に及ぼす影響は徐々に和らいでくるだろう。今後は、経済制裁が景気や企業業績に及ぼす実質的な影響を見極めていく局面になろう。ただ、ロシア軍の首都キエフへの総攻撃の可能性が高まるなか、攻撃がさらにエスカレートする可能性もあり、短期的にはヘッドラインに反応する展開がもうしばらく続きそうだ。 そのほか、ドル・円が1ドル=117円を突破してきたなか、資源価格の高騰と相まって国内インフレへの懸念も高まっている。週末にかけての日銀金融政策決定会合も注目されよう。 ■商社と海運には依然妙味あり スタグフレーション(景気悪化と物価高の併存)への懸念が根強いなか、製造業系の景気敏感株は買いづらく、金融引き締め懸念もくすぶるなか、ハイテク・グロース(成長)株も買いづらい。相対的な安心感や3月期末に向けた配当権利取りの動きも踏まえると、引き続き三井物産<8031>などの商社や商船三井<9104>などの海運株が物色の中心となりそうだ。 ■米中2月小売売上高および鉱工業生産など 今週は15日に中国2月鉱工業生産、中国2月小売売上高、米FOMC(~3月16日)、米3月ニューヨーク連銀景気指数、米2月生産者物価指数、16日に2月貿易収支、パウエルFRB議長会見、米2月小売売上高、17日に日銀金融政策決定会合(~3月18日)、1月機械受注、英国金融政策発表、米2月住宅着工件数、米3月フィラデルフィア連銀景気指数、米2月鉱工業生産、18日に黒田日銀総裁会見、2月全国消費者物価指数、米2月中古住宅販売などが発表予定。 《FA》
関連銘柄 2件
8031 東証プライム
3,305
11/22 15:30
+35(%)
時価総額 10,005,514百万円
大手総合商社。鉄鉱石や原油・LNGなど資源分野に強み。機械・インフラ、化学品、生活産業などの事業を多角的に展開。インドネシアのパイトン発電事業の持分売却は完了。中計では26.3期当期利益9200億円目標。 記:2024/06/04
9104 東証プライム
5,430
11/22 15:30
-9(%)
時価総額 1,968,668百万円
海運国内2位。1884年創業。三井グループ。ドライバルク事業、エネルギー事業、製品輸送事業が柱。LNG船の所有・管理・運航で世界シェアトップクラス。配当性向30%目安。非海運事業のアセット積み増し図る。 記:2024/07/29