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国内株式市場見通し:ウクライナ情勢と米CPI控え神経質ななかメジャーSQへ

2022/3/5 14:36 FISCO
*14:36JST 国内株式市場見通し:ウクライナ情勢と米CPI控え神経質ななかメジャーSQへ ■ウクライナ情勢は一段と混迷化 今週の日経平均は週間で491.03円安(-1.85%)と大幅に3週続落。終値は25985.47円と26000円を割り込んだ。週足のローソク足は3週連続の陰線で下値を切り下げる形状。最後までウクライナ情勢に翻弄される展開となった。 週明けの日経平均は50.32円高と小幅続伸。西側諸国がロシアの一部の銀行を「国際銀行間通信協会(SWIFT)」から排除することで合意し、実体経済への影響が懸念されたが、ロシアとウクライナの停戦協議への期待もあり、持ち直した。月替わりの3月1日は317.90円高の26844.72円。米10年国債利回りが大幅に低下するなか米ハイテク株が上昇したことが支援要因となり、一時27013.26円まで上昇。ただ、先行き不透明感がくすぶるなか、節目の27000円を回復したことで目先の達成感が台頭し、引けにかけて騰勢一服となった。 2日は451.69円安と4日ぶりに大幅反落。増強したロシア軍による砲撃激化や対ロ制裁の一段の強化の可能性などから投資家心理が悪化。7年ぶりに高値を更新した原油価格の高騰による景気回復鈍化への懸念も強まり、終日軟調に推移した。3日は184.24円高と反発。パウエル連邦準備理事会(FRB)議長が議会証言で、3月の連邦公開市場委員会(FOMC)では0.25ptの小幅な利上げを支持する姿勢を示したことなどから、ハト派的な内容に受け止められたことが支援要因となった。 しかし、週末4日はウクライナ情勢の一段の深刻化を受けて急落し、昨年来安値を更新。一時25774.28円まで下落した。ロシア軍による砲撃で、ウクライナにある欧州最大の原子力発電所であるザポロジエ原発で火災が発生したと伝わり、リスク回避の動きが加速した。 ■インフレ高進による景気後退懸念強まる 来週の日経平均は神経質な展開か。ウクライナ情勢に翻弄される展開が続きそうだ。ロシア・ウクライナの停戦協議については、対話の継続が決まっているが、ロシアのプーチン大統領は依然としてウクライナの「非武装化」及び「中立化」を求めており、西側諸国との距離は埋まらない。また、プーチン氏は軍事作戦の目的を必ず遂行すると強硬姿勢を強調してもいる。先行きは読みにくく、相場がウクライナ情勢を織り込み済みとして消化することは困難と考えられる。 米2月雇用統計では平均賃金の伸びが横ばいと予想に反して伸びが鈍化したが、ロシアへの経済制裁を通じた供給網混乱への思惑から、幅広くエネルギーや食品の価格が高騰している。バイデン米政権はロシア産原油の輸入禁止を検討しているとも伝わっており、インフレ懸念は強まるばかり。各国中央銀行による金融政策の舵取りを難しくするうえ、企業の仕入コスト増加や個人消費の停滞など、実体経済の影響が懸念される。 西側諸国は経済制裁として既にロシアの一部の銀行をSWIFTから排除。ただ、エネルギー輸入においてロシアへの依存度が高い欧州は経済の混乱を防ぐため、エネルギー部門に強い一部の大手銀行の排除を見送っている。しかし、欧州連合(EU)はロシアの行動次第では、こうした残された銀行の制裁リストへの追加を辞さない方針を表明済み。仮に制裁リストへの追加が実施されるとなると、商品市況の一段高を通じて株式市場にパニックを引き起こしかねないだろう。 一方、地政学リスクとならんでもう一つのリスク要因であるFRBの金融政策については、パウエル議長の議会証言で短期的には不透明感が後退。パウエル議長は3月FOMCでの利上げ幅としては0.5ptの大幅な利上げに目先否定的な姿勢を示した。また、ウクライナ情勢を考慮し、データ次第で機敏に対応する慎重な姿勢も見せた。FOMC前に具体的な利上げ幅について言及してくれたことは、金融政策の不透明感を払しょくしてくれることに寄与し、相場にはポジティブ。 しかし、インフレが過度に進行した場合には0.5ptの利上げもあり得るとしている。そのため、10日に発表される米2月消費者物価指数(CPI)への注目度は高い。市場予想を大きく上回ることがあると、市場が再び動揺しかねない。ウクライナ情勢と並んで米CPIを見極めたいとの思惑も働き、先物・オプション取引に係る特別清算指数算出(メジャーSQ)を迎える週末までは積極的な買いが手控えられそうだ。買い手に乏しいなか、売り手優位の地合いが続くと予想される。 ■大手商社や海運株は引き続き強い動きか 物色面では、米CPIを前にハイテク・グロース(成長)株はもう少しの間、我慢の時間が続きそうだ。他方、ウクライナ情勢次第ではあるが、容易には下落に転じそうにない商品市況を背景に、引き続き三井物産<8031>や三菱商事<8058>などの商社・資源関連に買いが入りそうだ。また、ロシアへの経済制裁による供給網混乱への思惑に加え、3月期末に向けた配当権利取りを意識し、日本郵船<9101>などの海運株も上値追いの動きが続きそうだ。 ■景気ウォッチャー調査、米2月CPI、ECB定例理事会など 来週は7日に中国2月貿易収支、8日に1月景気動向指数、2月景気ウォッチャー調査、米1月貿易収支、9日に10-12月期GDP改定値、2月工作機械受注、中国2月生産者物価指数(PPI)、中国2月CPI、10日に2月PPI、欧州中央銀行(ECB)定例理事会、米2月CPI、米2月財政収支、11日にメジャーSQ、1-3月期法人企業景気予測調査などが予定されている。 《FA》
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8058 東証プライム
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大手総合商社。原料炭や銅、液化天然ガスなど資源分野で世界有数の優良権益を有す。非資源分野は食品卸売に強み。自動車・モビリティ、複合都市開発等も。総還元性向40%程度目処。LNG事業の拡張などを図る。 記:2024/07/07
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時価総額 2,293,475百万円
海運の国内最大手。1885年創業。三菱グループ。不定期専用船事業、物流事業が柱。定期船事業、航空運送事業等も展開。世界最大規模の自動車専用船を保有。配当性向30%目安。25.3期は最終増益見通し。 記:2024/07/04