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後場に注目すべき3つのポイント~海外勢が期待したのは「安定」か「変化」か

2021/9/30 12:29 FISCO
*12:29JST 後場に注目すべき3つのポイント~海外勢が期待したのは「安定」か「変化」か 30日の後場の取引では以下の3つのポイントに注目したい。 ・日経平均は4日続落、海外勢が期待したのは「安定」か「変化」か ・ドル・円は下げ渋り、中国株にらみ円買い縮小 ・値下がり寄与トップは東京エレクトロン<8035>、同2位がソフトバンクG<9984> ■日経平均は4日続落、海外勢が期待したのは「安定」か「変化」か 日経平均は4日続落。104.92円安の29439.37円(出来高概算6億4000万株)で前場の取引を終えている。 29日の米株式市場でNYダウは反発し、90ドル高となった。長期金利の上昇がひとまず一服し、8月の中古住宅販売成約指数が予想以上に伸びたことも好感された。ただ、連邦政府の債務上限問題がくすぶるなか、引けにかけて上げ幅を縮小。ハイテク株比率の高いナスダック総合指数は0.2%の下落となり、マイクロン・テクノロジーの決算を受けてフィラデルフィア半導体株指数(SOX)は1.5%の下落となった。米株がまちまちとなったことを受け、本日の日経平均は24円高と小高くスタート。しかし、半導体関連などの値がさ株や海運株を中心に売りが出て前場中ごろから弱含みの展開となり、香港株の反落スタートも重しとなって一時29311.34円(232.95円安)まで下落した。 個別では、郵船<9101>や商船三井<9104>といった海運株が揃って大幅安で、川崎船<9107>は10%の下落となっている。値がさ株ではレーザーテック<6920>が3%超下落し、日経平均への寄与が大きいソフトバンクG<9984>や東エレク<8035>も軟調ぶりが目立つ。系列販売会社での車検不正が判明したトヨタ自<7203>は3%近い下落。東京電力HD<9501>は柏崎刈羽原発を巡る報道を受けて売りがかさみ、グローブライ<7990>などが東証1部下落率上位に顔を出している。一方、ファーストリテ<9983>が3%近く上昇し、新型コロナウイルスの治療用飲み薬について年内の承認申請を目指すと伝わった塩野義<4507>は5%超の上昇。キーエンス<6861>もしっかり。また、緊急事態宣言等が30日で終了することから、エアトリ<6191>などが東証1部上昇率上位に顔を出している。 セクターでは、海運業、輸送用機器、非鉄金属などが下落率上位。一方、陸運業、医薬品、空運業などが上昇率上位だった。東証1部の値下がり銘柄は全体の52%、対して値上がり銘柄は44%となっている。 本日の日経平均は4日続落し、3ケタの下落で前場を折り返した。日足チャートを見ると、前日同様に29300円台で下げ渋る動きを見せているものの、前引け時点で29400円台後半に位置する25日移動平均線をやや下回っている。個別では引き続き海運株や半導体関連株の調整がきつい。ネット証券売買代金ランキングを見ると、これらは個人投資家の物色人気が高かったため、資金余力に影響が出てくるかもしれない。比較的強い値動きだったトヨタ自が長めの陰線を付けて下落しているのも気になるところだ。ここまでの東証1部売買代金は1兆6000億円あまり。 新興市場ではマザーズ指数が+0.14%と4日ぶり小幅反発。積極的に戻りを試す動きとはなりづらいようだが、前日も1100pt近辺で下げ渋り、600円超下落した日経平均と比べると底堅い印象を受けた。監視カメラシステムの有力スタートアップ企業として知られ、29日上場したセーフィー<4375>はここまで良好な値動き。やはりテック企業への期待は根強い。本日新規上場したアスタリスク<6522>は公開価格を74.5%上回る初値を付けた。 さて、岸田文雄氏が自民党新総裁に選出された。メディアでは国内外の市場関係者の声として「安定的な政権運営」に期待する声が多く出ている印象だ。ただ、筆者は菅義偉首相の退陣表明から「強気」としていた日本株への投資スタンスを「当面様子見」に修正したい。 注目したのは、28~29日と続けてBofA証券から東証株価指数(TOPIX)先物のまとまった売りが出ている点だ。ちょうど総裁選最終盤の情勢が伝わったタイミングだろう。もちろん米中を中心に海外情勢の不透明感が強まってきたことが影響している可能性もあるが、むしろ9月第3週(13~17日)まではBofA証券の積極的な買い越しが観測されていたため、海外実需筋の日本株に対する投資スタンスの変化を感じざるを得ない。 以前当欄で述べたとおり、外国人投資家は日経平均が2月高値を付けた2月15日週から8月23日週までの日経平均先物(短期筋が取引主体とみられる)の売り越し分を早々に買い戻していたが、TOPIX先物(実需筋が取引主体とみられる)についてはなお買い戻し余地が大きくあった。日経平均の株価純資産倍率(PBR)は足元1.2倍台半ばであり、2~4月には1.3倍を超える局面があったことから、水準訂正の一巡が意識されるタイミングでもないだろう。 菅首相の退陣表明からこれまでを振り返ると、後継レース序盤に河野太郎行政改革担当相が世論調査で先行すると、夜間取引中の先物にまとまった買いが入って相場上昇に弾みが付く場面があった。小泉政権誕生時の反応を見ても、海外投資家はとかく「改革派イメージの強いトップ」に期待する傾向がある。歯に衣着せぬ物言いで改革推進を訴え、世論支持率の高い河野氏に期待した海外投資家の買いは少なからず入っていただろう。短期的に失望売りが出ることは十分想定される。 もちろん、党内でのあつれきが多かったとみられる河野氏より、ベテラン議員を中心に支持を集めた岸田氏の方が安定的な政権運営が期待できるとの見方は妥当だし、足元の新型コロナ感染減による経済活動の正常化や衆院解散・総選挙に向けた経済対策にも期待できる。ただ、改めて強調するが日本株のトレンドはグローバルマクロ系を中心とした海外ファンド勢の先物売買に影響を受けやすい。これら海外投資家が「安定」と「変化」のどちらを期待したのか見極める必要があるだろう。差し当たり政権運営を支える当初支持率、それにリベラル色の強い宏池会(岸田派)出身の岸田氏がどのような政策を打ち出してくるか注目されそうだ。 なお、本日は引けにかけて日経平均の銘柄入れ替えに伴う売り需要(市場推計で5000億円程度)が発生するとみられている点にも注意しておきたい。(小林大純) ■ドル・円は下げ渋り、中国株にらみ円買い縮小 30日午前の東京市場でドル・円は112円付近から小幅に下げたが、その後は111円80銭台を維持した。日経平均株価の軟調地合いで日本株安を嫌気した円買いが先行したものの、上海総合指数はプラスで推移し円買いを弱めた。一方、ドル買い基調は続き、対円で底堅さもみられる。 ここまでの取引レンジは、ドル・円は111円80銭から112円01銭、ユーロ・円は129円74銭から129円91銭、ユーロ・ドルは1.1595ドルから1.1608ドル。 ■後場のチェック銘柄 ・MRT<6034>、インバウンドテック<7031>など、4銘柄がストップ高 ※一時ストップ高(気配値)を含みます ・値下がり寄与トップは東京エレクトロン<8035>、同2位がソフトバンクG<9984> ■経済指標・要人発言 【経済指標】 ・日・8月鉱工業生産速報値:前月比-3.2%(予想:-0.5%、7月:-1.5%) ・中・9月製造業PMI:49.6(予想:50.0、8月:50.1) ・中・9月非製造業PMI:53.2(予想:49.8、8月:47.5) ・中・9月財新製造業PMI:50.0(予想:49.5、8月:49.2) 【要人発言】 ・岸田自民新総裁 「幅広い国民の所得、給与を引き上げる経済政策をとる」 「閣僚・党人事、若手の思い切った登用必要」 「衆院選は与党過半数が勝敗ライン」 「分配政策が次の成長の呼び水になる」 <国内> 特になし <海外> ・15:00 英・4-6月期GDP改定値(前年比予想:+22.2%、速報値:+22.2%) ・15:00 英・4-6月期経常収支(予想:-157億ポンド、1-3月期:-128億ポンド) 《CS》
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4375 東証グロース
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時価総額 34,057百万円
クラウド録画型映像プラットフォームを開発・運営。クラウドカメラを活用した現場DXに力注ぐ。24.12期も採用費や販促費が先行する見通し。だが課金カメラ台数の積み上げが順調に進む見込み。売上は2割増を計画。 記:2024/03/11
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時価総額 2,300,128百万円
製薬メーカー。抗HIV薬や抗インフル薬など感染症分野に強み。24.3期3Q累計は海外子会社及び輸出の売上が増加。セフィデロコルが欧米で伸びる。ロイヤリティー収入ではHIVフランチャイズ販売が堅調。 記:2024/03/05
6034 東証グロース
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時価総額 4,721百万円
医療人材紹介サイトを運営。オンライン診療サービスも。東大医学部付属病院の互助組織が法人化して発足。23.12期3Q累計はコロナワクチン接種関連の特需一巡で足踏み。クラウド電子カルテ開発会社を持分法会社化。 記:2024/01/18
6191 東証プライム
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-8(%)
時価総額 31,860百万円
航空券予約サイトを運営。訪日客向けWi-Fi貸出やITオフショア開発、投資事業なども。まぐまぐ等を傘下に収める。エアトリ経済圏の強化図る。旅行需要の回復で取扱高は大幅増。24.9期1Qは大幅営業増益。 記:2024/04/14
6522 東証グロース
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飲料向けバーコードリーダーと自販機向け赤外線通信が主力。POS等のシステムインテグレーションも。24.8期1QはAsReader事業は増収。AsReaderシリーズは累計出荷台数が20万台を突破。 記:2024/02/03
6861 東証プライム
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-1,030(%)
時価総額 17,087,794百万円
業用計測制御機器大手。FA用センサで高シェア。開発・販売に専念し、生産は外部に委託。直販体制に強み。24.3期3Q累計は欧米堅調。円安や部材調達改善で粗利率も改善。だが日本や中国が足踏み。人件費増も重石。 記:2024/04/15
6920 東証プライム
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時価総額 3,975,098百万円
半導体関連装置メーカー。シェア独占のEUVマスク欠陥検査装置に強み。24.6期上期は半導体市況軟化の影響で受注足踏み。だが受注残の消化を進めて大幅増収増益に。最高業績を見込む通期計画を上方修正。増配予定。 記:2024/02/08
7031 東証グロース
1,057
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+2(%)
時価総額 2,764百万円
コールセンター代行サービスを展開。多言語・24時間対応に強み。営業代行は東電向けが柱。24.3期3Q累計は高採算だったコロナ関連コールセンター案件の一巡で利益足踏み。今年2月にヘルスケアBPO事業を譲受。 記:2024/04/15
7203 東証プライム
3,536
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時価総額 57,689,794百万円
自動車メーカー最大手。自動車生産台数で世界トップ。コンパクトカーやセダン、SUV、ワゴン、商用車、トラックを製造、販売する。ダイハツや日野を傘下に持つ。今期3Q累計はHEVを中心に販売台数が増加した。 記:2024/02/29
7990 東証プライム
2,016
5/8 9:44
+16(%)
時価総額 48,384百万円
「ダイワ」ブランドで知られる釣り具大手。中高級品に強み。ゴルフ用品も。24.3期上期は国内を中心に釣り具、ゴルフ用品の需要がピークアウト。人件費・償却費増も利益の重石に。通期でも足踏みの見通し。増配予定。 記:2024/01/17
8035 東証プライム
36,410
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世界的半導体製造装置メーカー。半導体の成膜や洗浄の前工程からテストまでの製造装置を展開。リソグラフィーでトップシェア。24.3期3Q累計はウェーハボンディング/デボンディング装置の量産受注が拡大。 記:2024/02/24
9101 東証プライム
4,262
5/8 9:44
-43(%)
時価総額 2,174,323百万円
海運最大手。コンテナ船等の定期船に加え、ドライバルクやエネルギー等の不定期専用船を展開。海洋資源開発等も。物流事業は足踏み。ターミナル関連部門は国内で取扱量が増加。24.3期3Qは不動産業が増益確保。 記:2024/02/23
9104 東証プライム
4,751
5/8 9:44
-13(%)
時価総額 1,719,914百万円
海運国内2位。船隊数世界2位。コンテナ船・各種専用船・油送船・フェリー内航船を手掛け、タンカーやLNG船、自動車船、ドライバルク船に強み。コンテナ船の短期運賃・期間契約運賃下落で、3Q累計は利益足踏み。 記:2024/02/28
9107 東証プライム
2,162.5
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-2.5(%)
時価総額 1,545,599百万円
海運国内3位。持分法会社にコンテナ船のONE社。ドライバルク船や自動車船・内航海運に実績。倉庫管理や陸上輸送等も。LNG船や電力炭船、大型原油船等は順調に稼働。24.3期3Qはエネルギー資源部門が増収。 記:2024/02/10
959.9
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-23(%)
時価総額 1,542,577百万円
電力事業を行う東京電力グループの事業持株会社。福島第一原発の廃炉作業や賠償・除染事業に重点。フュエル&パワー部門は黒字転換。燃料費調整制度の期ずれの影響が好転。営業費用減少。24.3期3Qは黒字転換。 記:2024/02/25
9983 東証プライム
41,330
5/8 9:44
-780(%)
時価総額 13,152,074百万円
世界的なアパレル会社。「ユニクロ」を主力に、「ジーユー」、「セオリー」等のブランドを世界中で展開。24.8期1Qは2桁増収増益。海外ユニクロ事業は堅調。マーケティング強化等が奏功し、中国大陸は販売好調。 記:2024/01/27
9984 東証プライム
7,996
5/8 9:44
-82(%)
時価総額 13,776,740百万円
大手投資会社。傘下にビジョンファンドや通信会社、LINEヤフー等を持ち、AIやインターネット等の分野の企業に投資。今期3Q累計は増収、利益は改善傾向となった。デリバティブ関連や公開投資先の株価上昇が寄与。 記:2024/02/10