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後場に注目すべき3つのポイント~「下方に大きく振らされやすい」条件揃う

2021/8/20 12:20 FISCO
*12:20JST 後場に注目すべき3つのポイント~「下方に大きく振らされやすい」条件揃う 20日の後場の取引では以下の3つのポイントに注目したい。 ・日経平均は続落、「下方に大きく振らされやすい」条件揃う ・ドル・円は失速、日本株の下げ幅拡大で ・値下がり寄与トップはソフトバンクG<9984>、同2位がファーストリテイリング<9983> ■日経平均は続落、「下方に大きく振らされやすい」条件揃う 日経平均は続落。184.52円安の27096.65円(出来高概算5億9000万株)で前場の取引を終えている。 19日の米株式市場でNYダウは3日続落し、66ドル安となった。連邦準備理事会(FRB)が年内にも量的緩和の縮小(テーパリング)に踏み切る可能性が強まったことが引き続き警戒され、新型コロナウイルス変異株の流行で世界経済の減速懸念も根強く、景気敏感株を中心に売りが出た。一方、決算を発表した半導体のエヌビディアを中心にハイテク株の一角に買いが入り、ナスダック総合指数は0.1%の上昇。米国株がまちまちとなるなか、本日の日経平均は42円安からスタートすると、朝方は前日終値を挟みもみ合う展開となった。ただ、前場中ごろを過ぎると香港などのアジア株下落を受けて下げ幅を広げ、一時27034.58円(246.59円安)まで下落した。 個別では、トヨタ自<7203>が売買代金トップで2%の下落。会社側が9月の減産を正式発表し、観測報道で前日の取引終盤にかけて売りが広がった流れが続いている。これに伴いデンソー<6902>は7%の下落。商品市況の下落を受けて前日に続きJFE<5411>や三井物産<8031>などの軟調ぶりが目立ち、これまで堅調だった郵船<9101>などの海運株も大幅安となっている。その他、ソフトバンクG<9984>は3%の下落で、レーザーテック<6920>などが軟調。また、乾汽船<9308>などが東証1部下落率上位に顔を出している。一方、第一三共<4568>が3%超上昇し、塩野義<4507>や任天堂<7974>もしっかり。SMBC信託銀行と証券代行業で提携すると報じられたIRJHD<6035>などが急伸し、レオパレス21<8848>が東証1部上昇率トップとなっている。 セクターでは、海運業、輸送用機器、非鉄金属などが下落率上位。一方、電気・ガス業、陸運業、その他製品などが上昇率上位だった。東証1部の値下がり銘柄は全体の55%、対して値上がり銘柄は40%となっている。 本日の日経平均は米国株が高安まちまちだった流れから前日終値近辺でスタートしたが、その後弱含みの展開となっている。引き続き27000円台前半での底堅さ発揮に期待する向きが少なくないものの、前日には7月末に付けた直近安値(27272.49円、取引時間中)を割り込んでおり、トレンド悪化を危ぶむ声もあった。ここまでの東証1部売買代金は1兆3000億円あまりと前日までより増加。一定の押し目買いが入っているのだろう。 個別・業種別動向を見ると、NY原油先物相場の大幅続落などを受けて市況関連セクターの売りが続いている。比較的健闘していた海運業もこうした流れに抗えず大きく値を崩した。9月減産報道をきっかけに売りが広がったトヨタ自だが、通期の生産台数見通しに変更はないとの会社発表にもかかわらず続落となっている。株価下落前の株価純資産倍率(PBR)水準は決して低くなく、良好な環境が想定されていたのだと考えられる。優良輸出企業の堅調な業績は強気派の拠り所の1つだっただけに、株式相場全体への影響も大きいだろう。一方、内需・(景気変動の影響を受けにくい)ディフェンシブセクターへの投資資金シフトがより鮮明となっている。 新興市場ではマザーズ指数が+0.32%と反発。IT系の多い新興株も景気敏感株からのシフト先となっているようで、日経平均に比べればしっかりした動きとなっている。ただ、7月後半からの下げが大きかった割に、やはり戻りの鈍い印象は拭えない。本日は3週間ぶりのIPO(新規株式公開)があり、FLN<9241>が公開価格比+74.7%、シイエヌエス<4076>が+55.2%という初値を付けた。もちろん堅調な出足ではあるが、ともに公募・売出し規模の小さいIT・インターネット系銘柄であることから、環境さえ良好なら公開価格の2倍以上の初値も十分あり得ただろう。2社の初値結果を見ても、個人投資家のセンチメントは大きく改善していないと考えられる。 前日の米国市場ではハイテク株やディフェンシブ株の一角に買いが入り、18日の引け際のような全面安とならなかった点でまずまず安心感があった。とはいえ、10年債利回りの低下(債券価格は上昇)、原油を中心とした商品市況の大幅下落が続き、景気減速懸念は一段と強まっている感がある。 ここ1~2週間ほどの当欄の内容を見返して頂きたいが、ファンダメンタルズ(経済の基礎的条件)の面では8月のミシガン大学消費者態度指数や7月の住宅着工件数などの相次ぐ予想下振れ、センチメントの面では米バンク・オブ・アメリカ(BofA)の機関投資家調査おける世界経済の見通し悪化、流動性の面ではマネーサプライ(M2、通貨供給量)の国内総生産(GDP)対比での伸び鈍化と、あらゆる面で強気相場の転機の兆しが見られる。米国株に比べ伸び悩んでいたとはいえ、日本株もその影響を強く受けるだろう。 また市場環境としては、26日からの米経済シンポジウム「ジャクソンホール会議」を前にした様子見ムードから積極的な売買が期待しづらい。これらを踏まえると売り方優位の地合いになりやすいと考えられ、日経平均が下方に大きく振らされる場面が出てくることも想定しておく必要があるだろう。 中国株等の動向も気掛かりで、足元の上海総合指数と香港ハンセン指数は揃って1%超下落している。中国経済の減速懸念に中国政府による規制強化への警戒感も再燃しており、アジア時間中の各国株式相場に影響を与えるだろう。後場の東京市場も引き続き不安定な相場展開となりそうだ。 (小林大純) ■ドル・円は失速、日本株の下げ幅拡大で 20日午前の東京市場でドル・円は失速し、109円後半から半ばに値を下げた。日経平均株価の下げ幅拡大などアジア株安、米株安観測でリスク回避的な円買いに振れやすい地合いに。一方、米10年債利回りは下げ渋り、ドル売りはいったん収束したようだ。 ここまでの取引レンジは、ドル・円は109円63銭から109円89銭、ユーロ・円は128円03銭から128円38銭、ユーロ・ドルは1.1673ドルから1.1686ドル。 ■後場のチェック銘柄 ・バンク・オブ・イノベーション<4393>の、1銘柄がストップ高 ※一時ストップ高(気配値)を含みます ・値下がり寄与トップはソフトバンクG<9984>、同2位がファーストリテイリング<9983> ■経済指標・要人発言 【経済指標】 ・日・7月全国消費者物価指数(生鮮品除く):前年比-0.3%(予想:-0.4%、6月:-0.5%←+0.2%) 【要人発言】 ・オアNZ準備銀行総裁 「もし利上げしても、NZドルの上昇は小幅にとどまると予想」 <国内> 特になし <海外> ・15:00 英・7月小売売上高(自動車燃料含む)(前月比予想:+0.2%、6月:+0.5%) ・15:00 英・7月公的部門純借入額(銀行部門除く)(予想:+119億ポンド、6月:+228億ポンド) 《CS》
関連銘柄 17件
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クラウド環境構築やインフラ環境構築、アプリケーション開発等のシステムインテグレーション、DXコンサル等を手掛ける。NTTデータグループなどが主要取引先。組織変革の推進図る。27.5期売上高100億円目標。 記:2024/10/25
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スマートフォンゲームの開発・運営等を行う。放置RPG「メメントモリ」が主力。ゲーム恋活アプリ「恋庭」なども手掛ける。アイテム課金収入が収益源。研究開発費の投下により、自社IPのRPG開発力を強化。 記:2024/08/26
4507 東証プライム
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製薬会社大手。1878年創業。抗HIV薬、抗インフル薬など感染症分野に強み。自社創薬比率が高い。HIVフランチャイズなどロイヤリティー収入が収益源。国内における急性呼吸器感染症薬の販売拡大などを図る。 記:2024/08/06
4568 東証プライム
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時価総額 8,635,096百万円
大手製薬会社。抗悪性腫瘍剤「エンハーツ」、抗凝固剤「リクシアナ」などが主力品。かぜ薬「ルル」、解熱鎮痛薬「ロキソニンS」などで知名度高い。米メルクと戦略的提携。がん事業への集中的な資源投入を図る。 記:2024/08/26
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国内2位の鉄鋼メーカー。日本鋼管と川崎製鉄の経営統合により発足。鋼板を中心に多数の高付加価値製品を抱え、自動車用高級鋼板に強み。価格転嫁進める。高付加価値製品比率高まる。構造改革と海外拡大も進める。 記:2024/06/25
844
11/22 15:30
+15(%)
時価総額 15,057百万円
IR・SR活動に特化したコンサルティング会社。株式議決権に関わるコンサルティング、M&Aアドバイザリーが主力。証券代行業務等も。配当性向50%目処。アクティビスト対応等に係る有事対応案件は案件受託が継続。 記:2024/06/04
6902 東証プライム
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時価総額 7,146,661百万円
トヨタ系自動車部品メーカー。1949年にトヨタから分離独立。サーマルシステム、パワトレインシステム等を手掛ける。インバータで世界トップシェア。FA関連等の非車載事業も。電動化製品、安心・安全製品を拡販。 記:2024/10/07
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17,280
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±0(%)
時価総額 1,629,262百万円
半導体関連装置メーカー。シェア独占のEUVマスク欠陥検査装置に強み。FPD関連装置やレーザー顕微鏡なども手掛ける。High-NA向け含むACTISは引き合い旺盛。生成AI関連HBM向けは需要堅調。 記:2024/06/11
7203 東証プライム
2,664.5
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時価総額 42,085,743百万円
自動車メーカー最大手。カローラ、クラウン、プリウスなど人気車種多数。ダイハツ工業、日野自動車等を傘下に持つ。海外販売台数比率は7割超。グローバル生産累計3億台超。ソフトウェア、AIなどへの投資を加速。 記:2024/08/01
7974 東証プライム
8,166
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時価総額 10,605,103百万円
世界的ゲームメーカー。コンソールゲーム機を展開するグローバル3強の一角。資産の多くをドル建てで保有。海外売上高比率は7割超。新規タイトル、追加コンテンツの継続投入でプラットフォームの活性化を図る。 記:2024/07/28
8031 東証プライム
3,305
11/22 15:30
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時価総額 10,005,514百万円
大手総合商社。鉄鉱石や原油・LNGなど資源分野に強み。機械・インフラ、化学品、生活産業などの事業を多角的に展開。インドネシアのパイトン発電事業の持分売却は完了。中計では26.3期当期利益9200億円目標。 記:2024/06/04
8848 東証プライム
542
11/22 15:30
+16(%)
時価総額 178,529百万円
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9101 東証プライム
4,975
11/22 15:30
-62(%)
時価総額 2,293,475百万円
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1,350
11/22 15:30
-15(%)
時価総額 1,134百万円
地域情報プラットフォーム「まいぷれ」の運営等を行う地域情報流通事業、ふるさと納税BPO等の公共ソリューション事業を展開。ふるさと納税BPOのサービス提供自治体数は30超。まいぷれの展開地域拡大等に注力。 記:2024/10/25
9308 東証スタンダード
1,598
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時価総額 41,665百万円
1904年創業の中堅海運会社。ハンディサイズのバラ積み船隊による不定期航路事業、船舶貸渡業を手掛ける。木材が主要輸送品。倉庫・運送事業、不動産事業も展開。外航海運事業では徹底した効率配船などに取り組む。 記:2024/08/30
9983 東証プライム
49,020
11/22 15:30
+550(%)
時価総額 15,599,193百万円
世界的なアパレル会社。「ユニクロ」を主力に、「ジーユー」、「セオリー」等のブランドを世界中で展開。海外ユニクロ事業が成長の柱。グローバル化の加速、ジーユー事業などグループブランドの拡大などに注力。 記:2024/10/25
9984 東証プライム
8,586
11/22 15:30
+36(%)
時価総額 12,621,377百万円
携帯キャリアのソフトバンク、LINEヤフー、ビジョン・ファンド、半導体設計の英ARMなどを傘下に収める持株会社。ソフトバンク事業はメディア・EC事業などが順調。中計では26.3期純利益5350億円目指す。 記:2024/06/17