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国内株式市場見通し:好悪材料混在でもみ合い、国内外経済指標に注目
2021/8/14 14:12
FISCO
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*14:12JST 国内株式市場見通し:好悪材料混在でもみ合い、国内外経済指標に注目 ■史上最高値連発の米株市場が追い風に 今週の日経平均は堅調に推移し、心理的な節目の28000円を回復した。日本の3連休中、米国で6日発表された7月雇用統計において非農業部門雇用者数は市場予想を上回る大きな伸びを示した。新型コロナウイルス・デルタ型の感染拡大が懸念されたが、労働市場の改善期待を受けて米10年国債利回りが1.3%台にまで上昇するなか、NYダウは堅調に推移。こうした流れを好感して、連休明けの東京市場でも景気敏感株を中心に買いが優勢となり、10日の日経平均は一時28128.61円まで上昇した。しかし、戻り待ちの売りから急失速すると、結局68.11円高の27888.15円で終えた。 ただし、1兆ドル規模の超党派のインフラ投資法案が米議会上院で可決されたことや、原油高が支援する形で、週明けのNYダウが史上最高値を更新すると、11日の日経平均は朝方に28146.68円まで上昇し、その後も底堅く推移。4日続伸の28070.51円で終え、7月16日以来となる終値での28000円維持に成功した。 7月の米消費者物価指数(CPI)が市場予想を下回り、インフレ過熱や連邦準備理事会(FRB)による金融緩和の早期縮小への懸念が後退すると、12日には、日経平均は28279.80円とさらに上値を切り上げた。ただ、前日までの上昇の反動や根強い戻り待ちの売りに押され、後半にかけて失速すると、55.49円安の28015.02円と5日ぶりに反落した。 週末は、28000円を挟んだ一進一退が続いていたが、引け間際の売りに押され、小幅ながら28000円を割り込んで終えた。景気敏感株を中心に第1四半期好決算や通期計画の上方修正などが引き続き確認されていたことから、好業績銘柄への買いや日本株の出遅れ感からの買いが全体を下支えした。一方、前日の国内の新型コロナウイルス新規感染者数が過去最多を更新したことに加え、投資判断引き下げ観測の米マイクロン・テクノロジーが大幅安となった流れで半導体関連株が大きく値を崩していたことも重しとなった。 ■不透明感くすぶるなか28000円台定着にトライ 来週の日経平均はもみ合いか。企業決算の発表が一巡し、決算トレードの動きも徐々に落ち着こう。外部環境の不透明要因を抱えるなか、全体の方向性は引き続き明瞭さに欠けることが想定される。 日本国内で連日過去最多を記録する新型コロナウイルスの新規感染者数を受け、東京都のモニタリング会議では専門家から「災害レベルで猛威を振るう非常事態」と強い危機感が示された。一方、新規感染者数は英国がピークアウトし、米国も足元がピークとの見方があるもよう。日本でも間もなくピークを迎えるとの声も聞かれ、経済活動正常化への期待は根強い。しかし、少なくとも新規感染者数の増加ペースが加速している中では、海外投資家による本格的な日本株の買いは期待できない。 また、今週に発表された世論調査では、政権支持率がついに30%を切ったことが判明。2012年12月に自民党が政権復帰して以来の低水準だ。政権求心力の更なる低下は海外投資家の手控えムードにつながる可能性が高い。衆院選に向けて、今後は追加の経済対策への期待感も出てくるとの指摘も聞かれるが、現状、規模としては30兆円ほどとみられている。昨年度予算が30兆円も繰越金として未消化のまま残っていることなどを踏まえれば、インパクトや目新しさには欠ける。 他方、日経平均は今週、長らく頭を抑えられていた200日移動平均線を超え、心理的な節目の28000円台で定着しようとする動きも見られた。8月第1週からは、クレディスイスが先物手口で断続的に買い越してくるなど、売り方の買い戻しも徐々に見られてきている。結局、好悪材料が混在するなか全体的には方向感の乏しさが継続しそうだ。 そのほか、来週は4-6月期GDP(国内総生産)速報値や米中の小売売上高、鉱工業生産など経済指標も多い。指標を受けてからの国内での経済対策動向や米長期金利の動きにも注目したい。 ■半導体決算に注目、出尽くし銘柄は見直しタイミング 週初16日には東京エレクトロン<
8035
>の決算、18日には米エヌビディア、19日には米アプライド・マテリアルズなど、国内外で注目の半導体関連株の決算が予定されている。足元、半導体関連株が再び軟調に推移している折でもあるため、決算内容と株価反応に注目したい。 そのほか、決算が一巡してきたため、好決算ながらも出尽くし感などで売られていた銘柄が見直されやすいタイミングでもあろう。高進捗率ながらも上方修正がなかったがために売られた銘柄などについては、押し目買い妙味があると考える。 ■4-6月期GDP速報値、米中小売売上高・鉱工業生産など 来週は16日に4-6月期GDP速報値、東京エレクトロン決算、中国7月鉱工業生産、中国7月小売売上高、米8月ニューヨーク連銀景気指数、17日に米7月小売売上高、米7月鉱工業生産、18日に6月機械受注、7月貿易収支、米7月住宅着工件数、FOMC議事録(7月分)、米エヌビディア決算、19日に7月首都圏マンション発売、米8月フィラデルフィア連銀景気指数、米アプライド・マテリアルズ決算、20日に7月全国消費者物価指数、などが予定されている。 《FA》
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東京エレクトロン
22,250
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時価総額 10,493,834百万円
世界的な半導体製造装置メーカー。TBSの出資で1963年に設立。塗布現像、ガスケミカルエッチング、拡散炉などで世界トップシェア。配当性向50%目処。研究開発投資を積極化。固定費の最適化などにも取り組む。 記:2024/07/07
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