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後場に注目すべき3つのポイント~コロナ再拡大での「楽観後退」に「政局不透明感」

2021/7/20 12:19 FISCO
*12:19JST 後場に注目すべき3つのポイント~コロナ再拡大での「楽観後退」に「政局不透明感」 20日の後場の取引では以下の3つのポイントに注目したい。 ・日経平均は5日続落、コロナ再拡大での「楽観後退」に「政局不透明感」 ・株安一服もドル買いは限定的 ・値下がり寄与トップは、ファナック<6954>、同2位がファーストリテイリング<9983> ■日経平均は5日続落、コロナ再拡大での「楽観後退」に「政局不透明感」 日経平均は5日続落。88.22円安の27564.52円(出来高概算5億4000万株)で前場の取引を終えている。 週明け19日の米株式市場でNYダウは大幅に続落し、725ドル安となった。世界的に新型コロナウイルスのデルタ株が流行しており、景気の先行き懸念が強まった。産油国が週末の会合で減産規模を縮小することで合意し、原油価格が下落したことも相場の重しとなった。米10年物債利回りは1.2%を割り込み、「恐怖指数」とされる米株の変動性指数(VIX)も節目の20を上回るなど、金融市場全体にリスク回避ムードが広がった。本日の日経平均はこうした流れを引き継いで300円安からスタートすると、前場中ごろには一時27330.15円(322.59円安)まで下落。ただ、週後半の連休を前に売買が膨らみづらいなか、下値では個人投資家の押し目買いも入っているとみられ下げ渋った。 個別では、任天堂<7974>、トヨタ自<7203>、ソフトバンクG<9984>、ファーストリテ<9983>、ソニーG<6758>などがさえない。ファナック<6954>は2%超下落し、中小型株では前日ストップ高のファーマF<2929>が利益確定売りに押されている。INPEX<1605>などは原油価格の下落に連れ安。また、やはり前日大きく買われたJVCKW<6632>などが東証1部下落率上位に顔を出している。一方、業績上方修正を発表したキヤノン<7751>が賑わい、東証1部上昇率トップ。エプソン<6724>やウエルシアHD<3141>も上昇率上位に顔を出している。また、前日の米フィラデルフィア半導体株指数(SOX)が小幅ながら上昇し、レーザーテック<6920>が4%超の上昇。東エレク<8035>などもまずまず堅調に推移している。 セクターでは、鉱業、石油・石炭製品、不動産業などが下落率上位で、その他も全般軟調。上昇したのは精密機器と医薬品の2業種のみだった。東証1部の値下がり銘柄は全体の62%、対して値上がり銘柄は33%となっている。 前日の米国株が急落し、日経平均も連日で下落を強いられて、5月13日の取引時間中に付けた安値27385.03円を下回る場面があった。先週の当欄で取り上げたとおり、グローバル投資家はこれまで世界経済の減速を徐々に意識しつつも、株式や商品の大規模な買い持ち(ロング)を維持したままだった。米10年物債利回りの低下(債券価格は上昇)に歯止めがかからないことからも、金利上昇を見越した米国債の売り持ち(ショート)がいかに膨らんでいたかわかるだろう。世界的な新型コロナデルタ株の感染拡大がこうした過度な楽観(あるいは悲観に傾きつつも維持されていた持ち高)を大きく後退させた格好だ。 米メディアによればまだまだ押し目買い推奨という強気の声もあるようだが、多くの市場参加者やストラテジストは「自分たちが見落としていたリスクは何か」と投資戦略の見直しに動いているという。筆者もここまでの相場は楽観シナリオに傾き過ぎ、リスクシナリオへの目配せに欠けていたと感じざるを得ない。米10年物債利回りの低下が多くのヘッジファンドにとって「ペイントレード(痛みを伴う取引)」となっているだろうことも見逃すべきでない。 東京市場では日経平均が27600円台に位置する200日移動平均線を割り込んでいるが、ネット証券売買代金ランキングを見ると、日経レバETF<1570>などに個人投資家の押し目買いが入っているのだろう。ただ、先々週の急落局面と比べると日経レバETFの買い持ち高の積み上がりは鈍い印象。週後半に連休を控え、積極的にポジションを取りづらいところだ。また、一昨日の28000円割れあたりから既に押し目買いを入れている個人投資家も多いとみられ、この後ある程度戻したとしても損益や資金余力の改善につながるか慎重に見極める必要がある。戻り売り水準の更なる低下は避けられないかもしれない。 個別でもキヤノンなど好材料があった銘柄がまずまず賑わっているが、ファーマFやJVCKWの反落から資金の逃げ足の速さが感じられる。明日までの今週残りの取引でも、中小型の材料株を中心に短期の値幅取りでしのぐ格好となりそうだ。 さて、日本株を巡る不安は世界的な新型コロナ感染拡大や景気減速への懸念だけではなくなってきたかもしれない。主要メディアが先週末に実施した世論調査の結果を発表しているが、内閣支持率は軒並み30%台まで急落し、発足以来最低を記録した。一方、不支持率は60%台まで上昇した調査結果が多い。度重なる緊急事態宣言の発出やワクチン供給不足などの感染対策への不満、東京五輪を巡るスキャンダルが相次ぎ報じられたことなどが響いたとみられる。また、東京五輪で「TOPスポンサー(ワールドワイドパートナー)」を務めるトヨタ自が国内で五輪に関するテレビCMを放送しない方針を明らかにするなど、逆風が止む気配は感じられない。 衆院解散・総選挙を前に自身の当落に不安を覚える議員は増えるだろうし、後継首相を巡る観測報道も見られるようになってきた。もっとも名前が挙がるのは「党有力者のいずれかが許容しづらいだろう」候補ばかりで、実際に政局となれば混乱必至と考えざるを得ない。党を挙げて支持できそうな有力候補がおらず、野党の支持も広がりを欠く状況で、党有力者らが政局にしないことで一致すれば菅義偉首相の続投の可能性も高い。ただ、求心力回復への道のりは易しくないだろう。政局を巡る不透明感は日本株に一層重くのしかかるとみておく必要がありそうだ。 (小林大純) ■株安一服もドル買いは限定的 20日午前の東京市場でドル・円はもみ合い。日経平均は88円安で午前の取引を終えた。株安は一服したが、米長期金利の低下を意識してリスク選好的な為替取引は、引き続き抑制されている。午後の取引で日経平均の下げ幅が再び拡大した場合、クロス円取引に絡んだ円買いのフローが増える可能性は残されており、ドル・円の取引でもドル売りが優勢となる可能性もある。 ここまでの取引レンジは、ドル・円は109円43銭から109円57銭、ユーロ・ドルは、1.1790ドルから1.1803ドル、ユーロ・円は129円11銭から129円31銭で推移。 ■後場のチェック銘柄 ・特になし ・値下がり寄与トップは、ファナック<6954>、同2位がファーストリテイリング<9983> ■経済指標・要人発言 【経済指標】 ・日・6月全国消費者物価コア指数:前年比+0.2%(予想:+0.2%) ・日・6月全国消費者物価指数:前年比+0.2%(予想:+0.2%) 【要人発言】 ・麻生財務相 「赤木ファイル、裁判所に原本を預けている」 ・加藤官房長官 「躊躇なく機動的にマクロ経済政策を行う」 <国内> 特になし <海外> 特になし 《CS》
関連銘柄 14件
1605 東証プライム
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時価総額 3,260,054百万円
原油・ガス開発生産で国内最大手。世界20カ国以上で約70の石油・天然ガスプロジェクトを展開。水素・アンモニアなどネットゼロ分野を育成。アブダビでe-メタン製造事業の共同調査に参画。23.12期は足踏み。 記:2024/02/29
2929 東証プライム
855
5/1 15:00
+12(%)
時価総額 24,859百万円
食品と医薬品の研究開発メーカー。卵黄由来の機能性素材や化粧品、医薬品、抗体試薬を開発、製造。販売は通信販売と卸売。BtoB事業は堅調。「ファーマギャバ」が国内外で販売伸びる。24.7期1Qは黒字転換。 記:2024/01/27
2,305
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時価総額 483,250百万円
ドラッグストアチェーン最大手。イオンの子会社。調剤薬局併設、24時間営業の「ウエルシア薬局」を全国展開する。11月末の店舗数は2813。今期3Q累計はPBが伸長した。調剤は併設推進により処方箋枚数が増加。 記:2024/01/16
6632 東証プライム
822
5/1 15:00
+18(%)
時価総額 134,808百万円
カーナビやカーオーディオなど車載機器を手掛ける電機メーカー。無線通信システムや業務用システム、セキュリティシステム、ヘッドホンなども展開。S&S無線システムの好調継続で、24.3期3Q累計はは増収確保。 記:2024/02/04
6724 東証プライム
2,550
5/1 15:00
-54(%)
時価総額 1,019,069百万円
インクジェットプリンター大手。プロジェクターやウエアラブル機器も手掛ける。超微細・精密加工技術に定評。24.3期3Qはプリンティングソリューションズ事業が堅調。オフィス共有IJPのインク売上等が伸びる。 記:2024/04/16
6758 東証プライム
13,100
5/1 15:00
+15(%)
時価総額 16,520,174百万円
世界的AV機器メーカー。ゲーム機や半導体画像センサに強み。モバイル機器向けイメージセンサーは販売数量が伸びる。映画分野は劇場興行収入などが増加。金融ビジネス収入は大幅増。24.3期3Q累計は2桁増収。 記:2024/02/22
6920 東証プライム
39,750
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時価総額 3,747,869百万円
半導体関連装置メーカー。シェア独占のEUVマスク欠陥検査装置に強み。24.6期上期は半導体市況軟化の影響で受注足踏み。だが受注残の消化を進めて大幅増収増益に。最高業績を見込む通期計画を上方修正。増配予定。 記:2024/02/08
6954 東証プライム
4,659
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時価総額 4,703,479百万円
工作機械向けNC装置世界首位。小型工作機械や射出成形機も手掛ける。産業用ロボット、協働ロボットなどロボットでも高シェア。FA部門はCNCシステムが伸び悩む。24.3期3Q累計はサービス部門が増収。 記:2024/04/07
7203 東証プライム
3,605
5/1 15:00
-33(%)
時価総額 58,815,528百万円
自動車メーカー最大手。自動車生産台数で世界トップ。コンパクトカーやセダン、SUV、ワゴン、商用車、トラックを製造、販売する。ダイハツや日野を傘下に持つ。今期3Q累計はHEVを中心に販売台数が増加した。 記:2024/02/29
7751 東証プライム
4,290
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時価総額 5,721,843百万円
カメラ、複合機大手。レーザープリンターやデジカメで世界首位。光学技術に強み。レンズ交換式デジタルカメラはミラーレスカメラの新製品中心に堅調。ネットワークカメラ等も需要増。23.12期3Qは増収増益。 記:2024/01/16
7974 東証プライム
7,637
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時価総額 9,918,096百万円
世界的ゲームメーカー。コンソールゲーム機を展開するグローバル3強の一角。資産の多くをドル建てで保有。当期ミリオンセラータイトル数は自社17、他社7の計24本。新作タイトル好調や円安で3Q累計は増収増益。 記:2024/02/27
8035 東証プライム
34,940
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-180(%)
時価総額 16,478,857百万円
世界的半導体製造装置メーカー。半導体の成膜や洗浄の前工程からテストまでの製造装置を展開。リソグラフィーでトップシェア。24.3期3Q累計はウェーハボンディング/デボンディング装置の量産受注が拡大。 記:2024/02/24
9983 東証プライム
41,190
5/1 15:00
-360(%)
時価総額 13,107,523百万円
世界的なアパレル会社。「ユニクロ」を主力に、「ジーユー」、「セオリー」等のブランドを世界中で展開。24.8期1Qは2桁増収増益。海外ユニクロ事業は堅調。マーケティング強化等が奏功し、中国大陸は販売好調。 記:2024/01/27
9984 東証プライム
7,789
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-126(%)
時価総額 13,420,089百万円
大手投資会社。傘下にビジョンファンドや通信会社、LINEヤフー等を持ち、AIやインターネット等の分野の企業に投資。今期3Q累計は増収、利益は改善傾向となった。デリバティブ関連や公開投資先の株価上昇が寄与。 記:2024/02/10