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後場に注目すべき3つのポイント~「米雇用」に「決算反応」「首都決戦」

2021/7/2 12:17 FISCO
*12:17JST 後場に注目すべき3つのポイント~「米雇用」に「決算反応」「首都決戦」 2日の後場の取引では以下の3つのポイントに注目したい。 ・日経平均は5日ぶり反発、「米雇用」に「決算反応」「首都決戦」 ・ドル・円はじり高、111円台で買い継続 ・値上がり寄与トップはソフトバンクG<9984>、同2位がソニーG<6758> ■日経平均は5日ぶり反発、「米雇用」に「決算反応」「首都決戦」 日経平均は5日ぶり反発。84.06円高の28791.10円(出来高概算4億5000万株)で前場の取引を終えている。 1日の米株式市場でNYダウは3日続伸し、131ドル高となった。週間の新規失業保険申請件数が昨年3月以降で最少となり、金融緩和縮小(テーパリング)が早まるとの見方もあったが、労働市場の回復を期待した買いが優勢となった。原油先物相場の上昇でシェブロンなどの関連銘柄にも買いが入った。円相場は1ドル=111円台半ばから後半と引き続き弱含みで推移。本日の日経平均はこうした流れを好感して12円高からスタートすると、今晩の米6月雇用統計発表を前に売り方の買い戻しも入ったとみられ、朝方には一時28849.32円(142.28円高)まで上昇した。ただ、持ち高を一方向に傾ける動きは限られ、半導体関連など値がさ株の一角が軟調なことも重しとなって、買い一巡後は伸び悩む展開となった 個別では、ソニーG<6758>が3%超の上昇。オランダのゲーム会社買収を発表したほか、半導体子会社の工場用地取得の動きが報じられた。ソフトバンクG<9984>、トヨタ自<7203>、キーエンス<6861>も堅調で、任天堂<7974>は小高い。フィデアHD<8713>との経営統合で基本合意したと発表した東北銀<8349>は急伸。また、インプレス<9479>などが東証1部上昇率上位に顔を出している。一方、レーザーテック<6920>が6%近い下落となり、東エレク<8035>なども軟調ぶりが目立つ。前日の米市場では半導体関連株が下落し、レーザーテックは外資系証券の投資判断引き下げも観測されている。業績上方修正の郵船<9101>は朝高後にマイナス転換し、今期業績予想を発表した7&iHD<3382>は売りが先行。また、クスリのアオキ<3549>や大有機化<4187>が東証1部下落率上位に顔を出している。 セクターでは、鉱業、ゴム製品、空運業などが上昇率上位で、その他も全般堅調。下落したのは海運業と小売業の2業種のみだった。東証1部の値上がり銘柄は全体の82%、対して値下がり銘柄は14%となっている。 米雇用統計の発表を控えた週末の東京市場で、日経平均は5日ぶりに反発して前場を折り返した。今週に入ってからの4日間は海外勢のものとみられる株価指数先物の売りで計360円近く下落しており、雇用統計発表を前に持ち高調整目的の買い戻しが入っているのだろう。なお、前日の先物手口でも日経平均先物でクレディ・スイス証券、東証株価指数(TOPIX)先物でBofA証券の売り越しが観測された。「リフレトレード」の後退に国内での新型コロナウイルス新規感染者数の増加も重なり、グローバル投資家の日本株のエクスポージャー(投資残高)が高まっている印象は薄い。 雇用統計の内容を見極めたいとの思惑もあって、直近の下落分を埋めにいくような動きとはなっていない。前哨戦となったADP雇用統計や週間の失業保険申請件数は、サービス業を中心とした雇用回復を背景に良好な結果となった。これらを受け、雇用統計の市場予想コンセンサスは非農業部門雇用者数で71万人程度の増加(5月は55.9万人増)まで引き上げられているようだ。失業率は5.6%(同5.8%)、平均時給は3.6%増(同2.0%増)といった予想になっている。 もっとも前日指摘したとおり、ここ数カ月はADP雇用統計の方が米政府の雇用統計より強めの数値が出ている。また、失業給付の上乗せ失効で需給ギャップの解消が期待されている一方、失業の長期化による影響や低賃金労働の減少などといった構造的な問題が見過ごされている感は拭えない。逆に強すぎる数値ならテーパリング早期化の思惑が広がるだろう。中期的なトレンドとして「リフレトレード」後退の流れは変わらないとみるが、短期的な方向感を変える可能性は十分ある。なお、週明け5日の米市場は独立記念日の振り替え休日で休場となるため、内容の消化にやや時間がかかる可能性があることにも注意しておきたい。 また、前日の当欄では業績上方修正を発表したマルマエ<6264>の急落を受け、決算発表シーズン中の株価反応に不安があることを指摘したが、前日の米市場でも決算発表した半導体のマイクロン・テクノロジーが材料出尽くし感から大きく売られる格好となった。本日、郵船が売り一巡後に下げ渋ってきたことにはやや安心感があるが、株価位置の高い半導体関連株や海運株は「好業績をある程度織り込み済み」と受け止められているようだ。決算発表シーズンまで容易に上値を追いづらい状況となるかもしれない。 最後に、4日は東京都議会選の投開票が予定されている。自公協力の前提とみられている「小池百合子都知事への歩み寄り」を打ち壊すかのような有力者の発言があったり、過労で一時静養していた小池氏に思いのほか同情票が集まり、都民ファーストの会が支持を増しているとの報道もあったりするが、ここまで特段大きな波乱要因は見られない。衆院解散・総選挙前の首都決戦で自民党が巻き返すか、都ファが粘り腰を見せるか注目したい。(小林大純) ■ドル・円はじり高、111円台で買い継続 2日午前の東京市場でドル・円はじり高となり、111円半ばで小幅に値を上げた。今晩発表の米雇用統計で労働市場の改善が期待され、ドル買いが継続。一方、日経平均株価は前日終値を上回って推移し、日本株高を好感した円売りが観測されている。 ここまでの取引レンジは、ドル・円は111円51銭から111円66銭、ユーロ・円は132円10銭から132円23銭、ユーロ・ドルは1.1841ドルから1.1853ドル。 ■後場のチェック銘柄 ・ベイシス<4068>、アイビー化粧品<4918>など、4銘柄がストップ高 ※一時ストップ高(気配値)を含みます ・値上がり寄与トップはソフトバンクG<9984>、同2位がソニーG<6758> ■経済指標・要人発言 【経済指標】 ・日・6月マネタリーベース:前年比+19.1%(5月:+22.4%) 【要人発言】 ・国際通貨基金(IMF) 「2021年の米国経済7%を予想、22年5%前後」 「テーパリングは2022年前半に開始することが必要となる可能性」 <国内> 特になし <海外> 特になし 《CS》
関連銘柄 17件
2,556.5
11/22 15:30
+0.5(%)
時価総額 6,658,547百万円
国内流通グループ最大手。セブン-イレブン・ジャパンやイトーヨーカ堂、セブン銀行等を傘下に収める持株会社。海外コンビニ事業の売上構成比率が高い。海外コンビニ事業は店舗網の拡大、オリジナル商品の強化等に注力。 記:2024/10/24
3,303
11/22 15:30
+92(%)
時価総額 312,457百万円
北陸最大手のドラッグストアチェーン。ドラッグストア「クスリのアオキ」を運営。1869年創業。石川県白山市に本社。グループ店舗数は950店舗超。調剤併設率の向上、生鮮食品の導入など品揃え強化を図る。 記:2024/10/20
4068 東証グロース
1,212
11/22 13:34
±0(%)
時価総額 2,257百万円
携帯電話基地局の設置工事、運用監視・保守等を行うエンジニアリング会社。NTTグループ企業が主要得意先。スマートメーター設置サービス等も。IoTエンジニアリングサービスのサービス拡充、営業強化を図る。 記:2024/07/08
4187 東証プライム
2,773
11/22 15:30
+14(%)
時価総額 62,143百万円
アクリル酸エステル等の化成品事業、ArFレジスト用原料等の電子材料事業が柱。化粧品原料の機能化学品事業も。ArFレジスト用原料でトップシェア。EUVレジスト用原料は販売堅調。海外販売体制の強化図る。 記:2024/10/25
4918 東証スタンダード
246
11/22 15:30
±0(%)
時価総額 1,315百万円
スキンケア・メークアップなどの化粧品、美容補助商品等の製造・販売を行う。全国の販売会社を通じた対面販売に特徴。スキンケア部門の売上高比率が高い。浸透美活液「レッドパワー セラム」などの販促を強化。 記:2024/08/26
6264 東証プライム
1,606
11/22 15:30
+5(%)
時価総額 20,963百万円
半導体・FPD製造装置の部品の開発・製造等を行う。真空チャンバー、排気板、静電チャック等が主要製品。鹿児島県出水市に本社。太陽電池製造装置部品は引き合い継続。消耗品を強化。26.8期売上高120億円目標。 記:2024/10/29
6758 東証プライム
2,948
11/22 15:30
-3.5(%)
時価総額 18,404,653百万円
世界的AV機器メーカー。ゲーム機や映画、音楽でも世界的。CMOSイメージセンサーで世界トップシェア。モバイル機器向けイメージセンサーは堅調続く。今期はイメージング&センシング・ソリューションの増収見込む。 記:2024/06/29
6861 東証プライム
65,660
11/22 15:30
-20(%)
時価総額 15,969,037百万円
センサや測定器、画像処理システム、制御・計測機器等を手掛けるFAの総合メーカー。製造は国内外の協力会社に委託。取引先は全世界に35万社超。グローバル直販体制が強み。販売力の強化などで海外事業の拡大図る。 記:2024/10/12
6920 東証プライム
17,280
11/22 15:30
±0(%)
時価総額 1,629,262百万円
半導体関連装置メーカー。シェア独占のEUVマスク欠陥検査装置に強み。FPD関連装置やレーザー顕微鏡なども手掛ける。High-NA向け含むACTISは引き合い旺盛。生成AI関連HBM向けは需要堅調。 記:2024/06/11
7203 東証プライム
2,664.5
11/22 15:30
-10(%)
時価総額 42,085,743百万円
自動車メーカー最大手。カローラ、クラウン、プリウスなど人気車種多数。ダイハツ工業、日野自動車等を傘下に持つ。海外販売台数比率は7割超。グローバル生産累計3億台超。ソフトウェア、AIなどへの投資を加速。 記:2024/08/01
7974 東証プライム
8,166
11/22 15:30
-37(%)
時価総額 10,605,103百万円
世界的ゲームメーカー。コンソールゲーム機を展開するグローバル3強の一角。資産の多くをドル建てで保有。海外売上高比率は7割超。新規タイトル、追加コンテンツの継続投入でプラットフォームの活性化を図る。 記:2024/07/28
8035 東証プライム
22,250
11/22 15:30
+470(%)
時価総額 10,493,834百万円
世界的な半導体製造装置メーカー。TBSの出資で1963年に設立。塗布現像、ガスケミカルエッチング、拡散炉などで世界トップシェア。配当性向50%目処。研究開発投資を積極化。固定費の最適化などにも取り組む。 記:2024/07/07
8349 東証スタンダード
1,120
11/22 15:30
+10(%)
時価総額 10,651百万円
岩手県地盤の地方銀行。1950年に設立された戦後初の普通銀行。連結子会社に東北ジェーシービーカード、東北保証サービスなど。株主優待制度を導入。貸出金ボリュームの増加、フィービジネスの増強等に取り組む。 記:2024/06/04
1,406
11/22 15:30
+1(%)
時価総額 25,508百万円
山形県地盤の荘内銀行、秋田県地盤の北都銀行が経営統合して発足。フィデア情報総研、フィデアカードなども傘下に収める。総資産は3兆円超。GX・DX分野を中心にコンサルティング営業体制の強化などを図る。 記:2024/07/01
9101 東証プライム
4,975
11/22 15:30
-62(%)
時価総額 2,293,475百万円
海運の国内最大手。1885年創業。三菱グループ。不定期専用船事業、物流事業が柱。定期船事業、航空運送事業等も展開。世界最大規模の自動車専用船を保有。配当性向30%目安。25.3期は最終増益見通し。 記:2024/07/04
9479 東証スタンダード
139
11/22 15:30
+4(%)
時価総額 5,195百万円
IT・音楽・山岳など専門性の高い雑誌や書籍を出版。ネットメディア運営も。傘下に山と渓谷社。ネットメディアが堅調。既刊書籍も復調傾向。出版は点数減等で収益性向上。新規事業開発はオンデマンドモデルを志向。 記:2024/08/01
9984 東証プライム
8,586
11/22 15:30
+36(%)
時価総額 12,621,377百万円
携帯キャリアのソフトバンク、LINEヤフー、ビジョン・ファンド、半導体設計の英ARMなどを傘下に収める持株会社。ソフトバンク事業はメディア・EC事業などが順調。中計では26.3期純利益5350億円目指す。 記:2024/06/17