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後場に注目すべき3つのポイント~新年度相場入りとともに市場環境も大きく改善

2021/4/2 12:26 FISCO
*12:26JST 後場に注目すべき3つのポイント~新年度相場入りとともに市場環境も大きく改善 2日の後場の取引では以下の3つのポイントに注目したい。 ・日経平均は大幅続伸、新年度相場入りとともに市場環境も大きく改善 ・ドル・円は小じっかり、日本株高で円売り ・値上がり寄与トップはソフトバンクG<9984>、同2位がファーストリテイリング<9983> ■日経平均は大幅続伸、新年度相場入りとともに市場環境も大きく改善 日経平均は大幅続伸。331.75円高の29720.62円(出来高概算5億2023万株)で前場の取引を終えている。 前日の米国市場でNYダウは反発。バイデン大統領が発表した大型インフラ計画による景気押し上げ期待のほか、1983年来で最高を記録した3月ISM製造業景況指数などが相場をけん引。また、米10年物国債利回り(以下、米長期金利)が低下し上昇一服感が鮮明になったことからハイテクも大きく買われ、ナスダックは1.76%高、フィラデルフィア半導体指数(SOX指数)は3.69%高と大幅に上昇した。この米株高の流れを追い風に日経平均も315.79円高の29704.66円でスタートすると、29840.04円まで上値を伸ばした。ただ、今夜に米雇用統計の発表を控えているほか週末要因もあり、買い一巡後は目先の利益を確保しておきたいとする売りから上げ幅を縮小した。 個別では、バイデン米大統領による長期成長戦略の中に半導体生産支援などが盛り込まれたことや台湾TSMC(台湾積体電路製造)が向こう3年で1000億ドルの投資を計画しているとの報道を刺激材料に東京エレクトロン<8035>、レーザーテック<6920>、アドバンテスト<6857>など半導体関連株が軒並み大幅高となっている。また、自民党内での「こども庁」創設を巡る報道を受けて思惑が高まったJPホールディングス<2749>が急伸し、業績関連のリリースを材料に日本電気硝子<5214>、象印マホービン<7965>などが大幅高となっている。香港の投資ファンドであるオアシス・マネジメントによる大量保有が判明した北越コーポ<3865>も思惑から買いが向かった。 そのほか、売買代金上位では、ソフトバンクG<9984>、ソニーグループ<6758>、ファーストリテ<9983>、トヨタ<7203>、キーエンス<6861>、村田製作所<6981>、マネックスG<8698>などが高い。 一方、月次動向の鈍化が嫌気されたKeePer技研<6036>が大幅に下落。バイオ燃料事業が最短でも営業黒字に転換するのが2025年9月期になる見通しと報じられたユーグレナ<2931>は朝方買い先行も売りに押されて下落に転じた。そのほか、売買代金上位では、三菱UFJ<8306>、ファーマフーズ<2929>、野村<8604>、三井住友<8316>、武田薬<4502>、伊藤忠<8001>などが安い。 セクターでは、電気機器、情報・通信、鉱業、機械、パルプ・紙、化学などが上昇率上位に並んでいる。一方、海運業、電気・ガス業、卸売業、石油・石炭製品、証券・商品先物取引業が下落率上位となった。東証1部の値上がり銘柄は全体の62%、対して値下がり銘柄は33%となっている。 前日から4月に入り、名実ともに新年度相場入りとなったわけであるが、このタイミングで市場環境も大きく改善してきた。まず、前日に詳細が発表されたバイデン米大統領による2兆ドル規模の大規模な投資計画に基づく長期成長戦略。再生可能エネルギーや老朽化した道路など公共施設の更新など、インフラ関連が中心となることは既定路線だったが、半導体生産への支援や人工知能(AI)の研究開発投資にも大規模な予算が割り当てられたことはサプライズ。電気自動車(EV)や再生可能エネルギーなど環境政策の恩恵を受けるセクターだけでなく、産業のコメとも呼ばれる半導体のスーパーサイクルに弾みをつけ、裾野産業にも追い風となろう。 より注目なのは、米長期金利の動きとそれに対する相場の反応だ。前週は米国でのワクチン倍増計画や大規模インフラ投資計画など景気過熱感をより強めそうな材料が相次いだが、米長期金利は週を通して1.6%台で推移するなど上昇一服感が目立った。そして、前日の米国市場の動きを受けてそうした様相がより鮮明になった。3月ISM製造業景況指数が1983年来の最高を記録したほか、OPECプラスが協調減産の緩和を決定したにもかかわらず需要回復への思惑から原油価格が大きく上昇するなど、前日は一層の景気過熱感を連想させかねない材料が相次いだ。米国の今後最大10年間での最大物価上昇率を表すブレークイーブン・インフレ率(BEI)も3月31日に2.37%(前日は2.35%)と直近高値を更新する動きを見せている。 しかし、そうした中、3月31日に一時1.77%という14カ月ぶりとなる高水準を記録したばかりの米長期金利は、上述した背景から更に上昇してもおかしくないところだが、むしろ、1.6%台へと低下した。この水準では、利回り妙味から米国債を購入したいという投資家が多いことが窺え、需要が旺盛な証拠と言えるのではないだろうか。 物色動向も、これまで強かったバリュー(割安)株だけでなく、長く調整を強いられてきたグロース(成長)株でも堅調な動きが確認されているものが多い。TOPIXグロース株指数をTOPIXバリュー株指数で割った比率をチャートでみてもグロース株の底打ち感が鮮明になってきている。米長期金利が高止まりしている中でもこうした動きが見られるのは金利耐性が付いてきている証拠だろう。「良い金利上昇と株高の共存」という動きが確かなものになってきた。 新年度相場入りとなり、近年見られるようになった機関投資家による期初の益出し売りなど重しとなる材料もあるようだが、長くは続かないと見込まれるうえ、期末のリバランス売りや企業の政策保有株の売却が先月までで一巡し、今後は企業の自社株買いの増加なども見込まれることを考えれば需給環境が悪いわけではないだろう。益出し売りが一巡すればいよいよニューマネーの本格的な流入も期待できる。 来週からは、小売企業の決算が徐々に本格化していき、今月下旬からは製造業など主力どころを中心とした3月期本決算が始まってくる。決算イベントを前に、新年度相場入りと併せて足元の需給環境や外部環境は改善してきている。イベント前に、今後の業績が期待できる銘柄を仕込んでおくよいタイミングかもしれない。 さて、後場は、米雇用統計などを前に様子見ムードが強まりそうか。ただ、上述したように市場心理が改善してきていることから、前場後半にかけて上げ幅を縮小した日経平均は、前引け間際には再度上に行く動きも見せていた。後場は来週以降の先高観から堅調推移となる可能性もありそうだ。 ■ドル・円は小じっかり、日本株高で円売り 2日午前の東京市場でドル・円は小じっかりとなり、110円半ばで小幅に値を上げた。日経平均株価は前日比300円超高の堅調地合いとなり、リスク選好的な円売りが主要通貨を押し上げた。一方、米10年債利回りの低下を受け、ドル買いは抑制されているようだ。 ここまでの取引レンジは、ドル・円は110円52銭から110円67銭、ユーロ・円は130円19銭から130円31銭、ユーロ・ドルは1.1769ドルから1.1784ドル。 ■後場のチェック銘柄 ・WisdomTree ブロード上場投信<1684>、幼児活動研究会<2152>など、4銘柄がストップ高 ※一時ストップ高(気配値)を含みます ・値上がり寄与トップはソフトバンクG<9984>、同2位がファーストリテイリング<9983> ■経済指標・要人発言 【経済指標】 ・日・3月マネタリーベース:前年比+22.8%(2月:+19.6%) 【要人発言】 ・加藤官房長官 「日米首脳会談を米国時間の16日に延期」 <国内> 特になし <海外> 特になし 《CS》
関連銘柄 23件
2152 東証スタンダード
1,365
11/22 14:53
+32(%)
時価総額 16,085百万円
正課体育指導業務、課外体育指導業務等を行う幼児体育指導関連事業が主力。コスモスポーツクラブなどを運営。コンサルティング関連事業も展開。正課体育指導の実施会場数は1200園超。新規契約園の開拓を推進。 記:2024/10/06
2749 東証プライム
654
11/22 15:30
+4(%)
時価総額 57,453百万円
保育園・学童クラブ・児童館の運営等を行う日本保育サービスを中核とする持株会社。愛知県名古屋市に本社。ダスキンの持分法適用関連会社。保育園数は200園超。幼児学習プログラムの拡充などで児童数の拡大図る。 記:2024/09/02
2929 東証プライム
951
11/22 15:30
-18(%)
時価総額 27,654百万円
卵黄由来の機能性素材や化粧品、医薬品、抗体試薬の開発、製造等を行う。販売は通信販売と卸売。子会社にフューチャーラボ、明治薬品など。伊藤忠商事と資本業務提携。卵殻膜素材の開発・量産化などに取り組む。 記:2024/10/24
2931 東証プライム
433
11/22 15:30
±0(%)
時価総額 59,023百万円
ミドリムシ等を活用した健康食品、化粧品の開発・製造・販売等を行うヘルスケア事業が主力。バイオ燃料の開発・製造・販売等も。青汁のキューサイを傘下に持つ。次世代エイジングケアブランド「CONC」に積極投資。 記:2024/09/02
3865 東証プライム
1,565
11/22 15:30
+2(%)
時価総額 294,303百万円
1907年設立の中堅製紙会社。紙・パルプ製品の製造・販売を行う。パッケージング・紙加工事業、バイオマスボイラー向け燃料チップの販売等も。紙容器案件の深掘りなどにより、事業ポートフォリオシフトの加速図る。 記:2024/10/06
4502 東証プライム
4,113
11/22 15:30
-8(%)
時価総額 6,543,528百万円
国内製薬最大手。1781年創業。潰瘍性大腸炎・クローン病治療剤など消化器系疾患領域が柱。アイルランドの製薬大手「シャイアー」等を傘下に持つ。25.3期はENTYVIO、免疫グロブリン製剤などの拡大見込む。 記:2024/06/15
5214 東証プライム
3,456
11/22 15:30
+30(%)
時価総額 343,951百万円
薄型パネルディスプレイ用ガラスや電子デバイス用ガラス、ガラスファイバ等を手掛ける。FPD用ガラス、自動車部品用ガラス繊維で高シェア。28.12期売上高4000億円目標。高付加価値製品の開発、事業化推進。 記:2024/10/20
6036 東証プライム
4,345
11/22 15:30
-40(%)
時価総額 122,881百万円
カーコーティング&洗車の専門店「KeePerLABO」の運営、洗車用ケミカルの製造・販売等を行う。愛知県大府市に本社。KeePerLABO店舗数は130店舗超。25.6期は30店舗の新規出店を計画。 記:2024/08/29
6758 東証プライム
2,948
11/22 15:30
-3.5(%)
時価総額 18,404,653百万円
世界的AV機器メーカー。ゲーム機や映画、音楽でも世界的。CMOSイメージセンサーで世界トップシェア。モバイル機器向けイメージセンサーは堅調続く。今期はイメージング&センシング・ソリューションの増収見込む。 記:2024/06/29
6857 東証プライム
9,447
11/22 15:30
+62(%)
時価総額 7,237,734百万円
SoC半導体用試験装置など半導体・部品テストシステム事業が主力。半導体検査装置で世界トップシェア。メカトロニクス関連製品の製造・販売等も。海外売上高比率は9割超。グローバル及びサポート力の増強図る。 記:2024/10/12
6861 東証プライム
65,660
11/22 15:30
-20(%)
時価総額 15,969,037百万円
センサや測定器、画像処理システム、制御・計測機器等を手掛けるFAの総合メーカー。製造は国内外の協力会社に委託。取引先は全世界に35万社超。グローバル直販体制が強み。販売力の強化などで海外事業の拡大図る。 記:2024/10/12
6920 東証プライム
17,280
11/22 15:30
±0(%)
時価総額 1,629,262百万円
半導体関連装置メーカー。シェア独占のEUVマスク欠陥検査装置に強み。FPD関連装置やレーザー顕微鏡なども手掛ける。High-NA向け含むACTISは引き合い旺盛。生成AI関連HBM向けは需要堅調。 記:2024/06/11
6981 東証プライム
2,562
11/22 15:30
-8(%)
時価総額 5,099,951百万円
大手電子部品メーカー。コンデンサやインダクタ、EMI除去フィルタ等を手掛ける。チップ積層セラミックコンデンサ等で世界トップシェア。海外売上高比率が高い。コンデンサはモビリティ向けなどで販売増を見込む。 記:2024/06/04
7203 東証プライム
2,664.5
11/22 15:30
-10(%)
時価総額 42,085,743百万円
自動車メーカー最大手。カローラ、クラウン、プリウスなど人気車種多数。ダイハツ工業、日野自動車等を傘下に持つ。海外販売台数比率は7割超。グローバル生産累計3億台超。ソフトウェア、AIなどへの投資を加速。 記:2024/08/01
7965 東証プライム
1,605
11/22 15:30
+1(%)
時価総額 116,523百万円
1918年創業の家庭用品メーカー。炊飯ジャーなどで国内シェアトップクラス。調理家電の売上構成比率が高い。ステンレスボトル、ふとん乾燥機等も。配当性向は50%以上目安。価格競争力の強化などに取り組む。 記:2024/07/28
8001 東証プライム
7,581
11/22 15:30
-4(%)
時価総額 12,015,051百万円
1858年創業の大手総合商社。繊維、金属、食料、機械、エネルギー・化学品、住生活分野などで事業展開。伊藤忠エネクス、伊藤忠食品などを傘下に持つ。総還元性向50%目途。川下ビジネスの開拓・進化等に取り組む。 記:2024/08/30
8035 東証プライム
22,250
11/22 15:30
+470(%)
時価総額 10,493,834百万円
世界的な半導体製造装置メーカー。TBSの出資で1963年に設立。塗布現像、ガスケミカルエッチング、拡散炉などで世界トップシェア。配当性向50%目処。研究開発投資を積極化。固定費の最適化などにも取り組む。 記:2024/07/07
1,825
11/22 15:30
+19(%)
時価総額 24,239,641百万円
三菱UFJ銀行、三菱UFJ信託銀行、三菱UFJモルガン・スタンレー証券、三菱UFJニコスなどを傘下に収める総合金融グループ。世界最大の金融機関の一つ。アジアプラットフォームの強靭化などに取り組む。 記:2024/07/29
3,663
11/22 15:30
+64(%)
時価総額 14,375,561百万円
三井住友銀行、SMBC信託銀行、三井住友ファイナンス&リース、SMBC日興証券、三井住友カードなどを傘下に収める持株会社。総資産は300兆円超。決済ビジネスを強化。政策保有株式の削減交渉は進捗順調。 記:2024/08/22
8604 東証プライム
930
11/22 15:30
+1.4(%)
時価総額 2,942,114百万円
国内最大級の総合証券「野村證券」を中核とする持株会社。野村アセットマネジメント、野村信託銀行等も傘下に持つ。預り資産は153兆円超で業界トップ。インベストメント・マネジメント部門は運用資産残高が過去最高。 記:2024/06/17
8698 東証プライム
1,052
11/22 15:30
+28(%)
時価総額 271,360百万円
コインチェック、米TradeStationなどを傘下に収める持株会社。しずおかFGが筆頭株主。NTTドコモと資本業務提携。アセットマネジメント事業を強化。ロボアドバイザーサービスの運用残高は順調増。 記:2024/08/01
9983 東証プライム
49,020
11/22 15:30
+550(%)
時価総額 15,599,193百万円
世界的なアパレル会社。「ユニクロ」を主力に、「ジーユー」、「セオリー」等のブランドを世界中で展開。海外ユニクロ事業が成長の柱。グローバル化の加速、ジーユー事業などグループブランドの拡大などに注力。 記:2024/10/25
9984 東証プライム
8,586
11/22 15:30
+36(%)
時価総額 12,621,377百万円
携帯キャリアのソフトバンク、LINEヤフー、ビジョン・ファンド、半導体設計の英ARMなどを傘下に収める持株会社。ソフトバンク事業はメディア・EC事業などが順調。中計では26.3期純利益5350億円目指す。 記:2024/06/17