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後場に注目すべき3つのポイント~注視すべきは「マネー変調」に「未来図」

2021/2/26 12:26 FISCO
*12:26JST 後場に注目すべき3つのポイント~注視すべきは「マネー変調」に「未来図」 26日の後場の取引では以下の3つのポイントに注目したい。 ・日経平均は急反落、注視すべきは「マネー変調」に「未来図」 ・ドル・円は下落、日本株の急落で円買いも ・値下がり寄与トップはソフトバンクG<9984>、同2位がファーストリテイリング<9983> ■日経平均は急反落、注視すべきは「マネー変調」に「未来図」 日経平均は急反落。722.10円安の29446.17円(出来高概算7億3000万株)で前場の取引を終えている。 25日の米株式市場でNYダウは大幅反落し、559ドル安となった。7年債入札結果の不振などから長期金利が一時1.61%まで急上昇し、幅広い銘柄に売りがでた。特にハイテク株の下げがきつく、ナスダック総合指数は3.5%の下落。「恐怖指数」とされる米株の変動性指数(VIX)は28.89(+7.55)に上昇した。本日の東京市場でもリスク回避目的の売りが先行し、日経平均は414円安からスタートすると、朝方には一時29219.15円(949.12円安)まで下落。その後、米長期金利の伸び悩みを受けて押し目買いが入り、29000円台半ばでもみ合う展開となった。 個別では、ソフトバンクG<9984>、任天堂<7974>、ファーストリテ<9983>、東エレク<8035>、ソニー<6758>といった売買代金上位が軒並み軟調。アドバンテス<6857>は5%を超える下落となっている。業績下方修正を発表した西武HD<9024>も下げが目立つ。また、成長期待の高かったIT・インターネット関連株などは特に売りがかさみ、GMOペパボ<3633>やSansan<4443>が東証1部下落率上位に顔を出している。一方、売買代金上位では武田薬<4502>が小幅ながら逆行高。メガチップス<6875>は業績上方修正を好感した買いが入り、スマートフォンゲームの共同開発を発表したエイチーム<3662>はストップ高水準で前場を折り返した。 セクターでは、全33業種がマイナスとなり、その他製品、不動産業、電気機器、ガラス・土石製品、建設業などが下落率上位だった。東証1部の値下がり銘柄は全体の79%、対して値上がり銘柄は18%となっている。 前日の米金融市場の急変を受け、本日の日経平均は朝方に一時900円を超える下落となった。その後は米長期金利の伸び悩みもあっていったん下げが一服。29000円台に位置する25日移動平均線近くまで調整し、押し目買いを拾う動きも出やすかったのだろう。とりわけマザーズ指数の戻りが大きいところを見ると、買いの主体は個人投資家と考えられる。日経平均が節目の3万円台を回復すると高値警戒感も広がったが、その後の下落局面では日経レバETF<1570>の信用買いが膨らみ、個人投資家の押し目買い意欲が根強いことが窺えた。前日ジャスダック市場に新規上場したアピリッツ<4174>、また本日マザーズ市場に新規上場したcoly<4175>はいまだ買い気配が続いており、ここだけ見れば個人投資家の物色意欲は旺盛な印象だ。 ただ、マザーズ指数に比べ日経平均の戻りが鈍いところを見ると、海外勢を含む大方の機関投資家は静観ムードなのかもしれない。 このところ「米長期金利の上昇は『良い』か『悪い』か」といった議論が多く見受けられたが、筆者にはやや違和感があったし、おそらく市場参加者の多くも同様であったと考えている。実際、金利上昇で逆風が強まると目されているマザーズの新興株には押し目買いの動きも出ている。問題は「金利上昇などの直近の動きが金融市場や経済にどのような影響をもたらすか」であり、市場参加者の関心もそこにあるのだろう。 そのうえでまず警戒されるのは「マネーの変調」だ。実際、急変が生じているのは株式市場や米国債市場だけではない。マネー変調の影響が色濃く出る投資不適格級の「ジャンク債」を扱う上場投資信託(ETF)、新興国通貨なども軒並み下げがきつい。これらでダメージを受けた投資家の持ち高を手仕舞う動きは他市場にも波及する可能性がある。 コロナショック後の戻り相場で多くの機関投資家が学んだことは、おそらく「できる限り上昇相場に踏みとどまること」だろう。でないと一定期間内のベンチマーク(指標)対比でのパフォーマンスが劣ってしまう。また、コロナショック後に投資を始めた個人投資家の多くは急落をまだ知らないだろう。これらは下落局面で株価変動率(ボラティリティ)を高める要因となる可能性がある。 また、昨日の当欄で述べたが、市場参加者の目線はさらにその先の「コロナ後の経済」にあるのかもしれない。ここ数日の米連邦準備理事会(FRB)高官の発言は金利上昇やインフレの加速を警戒・けん制する内容ではなかった。今週に入り明らかに値動きが強かったのは、景気敏感系というより商品高の恩恵を受ける銘柄だったとの印象もある。重ねて言うが、本日と同様に日経平均が大きく下落した一昨日、逆行高を演じたのが不動産株やファーストリテだったのは市場が描く「未来図」だと思えてならない。 (小林大純) ■ドル・円は下落、日本株の急落で円買いも 26日午前の東京市場でドル・円は下落。前日から急激に上昇している米長期金利が失速し、不安定な市場環境に警戒感が広がった。また、日経平均株価は前日比700円超安と急落したことから、リスク回避的な円買いも観測。目先も金利や株価を注視する展開となろう。 ここまでの取引レンジは、ドル・円は105円96銭から106円43銭、ユーロ・円は128円98銭から129円52銭、ユーロ・ドルは1.2138ドルから1.2184ドルで推移。 ■後場のチェック銘柄 ・国際のETF VIX短期先物指数<1552>、G−FACTORY<3474>など、5銘柄がストップ高 ※一時ストップ高(気配値)を含みます ・値下がり寄与トップはソフトバンクG<9984>、同2位がファーストリテイリング<9983> ■経済指標・要人発言 【経済指標】 ・日・2月東京都区部消費者物価指数(生鮮品除く) :前年比-0.3%(予想:-0.4%、1月:-0.5%) ・日・1月鉱工業生産速報値:前月比+4.2%(予想:+3.8%、12月:-1.0%) 【要人発言】 ・オアNZ準備銀行総裁 「必要ならマイナス金利など一段の緩和策を講じる用意」 <国内> 特になし <海外> 特になし 《CS》
関連銘柄 15件
3474 東証グロース
735
11/22 15:30
+5(%)
時価総額 4,997百万円
飲食店の独立支援・海外展開支援などを行う経営サポート事業、鰻専門ファストフード店「名代 宇奈とと」等を展開する飲食事業を手掛ける。出退店サポートは営業人材を育成。外国人材紹介サポートはターゲット拡大。 記:2024/09/01
3633 東証スタンダード
1,514
11/22 15:30
+21(%)
時価総額 8,280百万円
レンタルサーバやEC支援サービスを展開。ハンドメイド通販「ミンネ」も。GMOインターネットの連結子会社。ホスティング事業は単価上がり堅調。EC支援はコスト抑制。AIによるサービス開発。配当性向50%。 記:2024/06/07
3662 東証プライム
648
11/22 15:30
-1(%)
時価総額 12,823百万円
引越し比較・予約サイト「引越し侍」、車査定・車買取サイト「ナビクル」等の運営を行うライフスタイルサポート事業が主力。ゲームアプリの運営、EC事業等も。M&Aでデジタルマーケティング領域を強化図る。 記:2024/08/23
4174 東証スタンダード
726
11/22 15:30
-4(%)
時価総額 2,954百万円
ECサイトやWebシステムの企画・開発等を行うWebソリューション事業、オンラインゲームの受託開発・運営が柱。デジタル人材育成派遣事業も展開。オンラインゲーム事業では引き続き運営タイトルの効率化図る。 記:2024/06/07
4175 東証グロース
1,478
11/22 15:30
-3(%)
時価総額 8,133百万円
「スタンドマイヒーローズ」、「魔法使いの約束」等のモバイルオンラインゲーム事業が柱。自社IPのグッズ販売、飲食事業等も。無借金経営。26.1期に大手エンターテインメント企業との協業案件をリリース予定。 記:2024/10/24
4443 東証プライム
2,016
11/22 15:30
+47(%)
時価総額 254,238百万円
営業DXサービス「Sansan」、インボイス管理サービス「Bill One」等を手掛ける。Sansanは契約件数が9400件超。Bill Oneの有料契約件数は2600件超。Bill Oneは高成長続く。 記:2024/06/07
4502 東証プライム
4,113
11/22 15:30
-8(%)
時価総額 6,543,528百万円
国内製薬最大手。1781年創業。潰瘍性大腸炎・クローン病治療剤など消化器系疾患領域が柱。アイルランドの製薬大手「シャイアー」等を傘下に持つ。25.3期はENTYVIO、免疫グロブリン製剤などの拡大見込む。 記:2024/06/15
6758 東証プライム
2,948
11/22 15:30
-3.5(%)
時価総額 18,404,653百万円
世界的AV機器メーカー。ゲーム機や映画、音楽でも世界的。CMOSイメージセンサーで世界トップシェア。モバイル機器向けイメージセンサーは堅調続く。今期はイメージング&センシング・ソリューションの増収見込む。 記:2024/06/29
6857 東証プライム
9,447
11/22 15:30
+62(%)
時価総額 7,237,734百万円
SoC半導体用試験装置など半導体・部品テストシステム事業が主力。半導体検査装置で世界トップシェア。メカトロニクス関連製品の製造・販売等も。海外売上高比率は9割超。グローバル及びサポート力の増強図る。 記:2024/10/12
6875 東証プライム
5,630
11/22 15:30
+110(%)
時価総額 116,271百万円
ファブレスLSIメーカー。アミューズメント事業が主力。ASIC事業、通信事業も展開。任天堂などが主要取引先。新規の通信事業に経営資源投下。ASIC事業では画像処理・FA機器向けなどで製品開発進める。 記:2024/06/29
7974 東証プライム
8,166
11/22 15:30
-37(%)
時価総額 10,605,103百万円
世界的ゲームメーカー。コンソールゲーム機を展開するグローバル3強の一角。資産の多くをドル建てで保有。海外売上高比率は7割超。新規タイトル、追加コンテンツの継続投入でプラットフォームの活性化を図る。 記:2024/07/28
8035 東証プライム
22,250
11/22 15:30
+470(%)
時価総額 10,493,834百万円
世界的な半導体製造装置メーカー。TBSの出資で1963年に設立。塗布現像、ガスケミカルエッチング、拡散炉などで世界トップシェア。配当性向50%目処。研究開発投資を積極化。固定費の最適化などにも取り組む。 記:2024/07/07
9024 東証プライム
3,328
11/22 15:30
-37(%)
時価総額 1,076,485百万円
私鉄大手の西武鉄道、西武・プリンスホテルズワールドワイドなどを傘下に収める持株会社。都市交通・沿線事業、ホテル・レジャー事業が柱。25.3期は増収計画。ホテル・レジャー事業における値上げ効果等が寄与へ。 記:2024/07/04
9983 東証プライム
49,020
11/22 15:30
+550(%)
時価総額 15,599,193百万円
世界的なアパレル会社。「ユニクロ」を主力に、「ジーユー」、「セオリー」等のブランドを世界中で展開。海外ユニクロ事業が成長の柱。グローバル化の加速、ジーユー事業などグループブランドの拡大などに注力。 記:2024/10/25
9984 東証プライム
8,586
11/22 15:30
+36(%)
時価総額 12,621,377百万円
携帯キャリアのソフトバンク、LINEヤフー、ビジョン・ファンド、半導体設計の英ARMなどを傘下に収める持株会社。ソフトバンク事業はメディア・EC事業などが順調。中計では26.3期純利益5350億円目指す。 記:2024/06/17