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米国株式市場見通し:来年の景気回復を織り込む

2020/11/14 14:23 FISCO
*14:23JST 米国株式市場見通し:来年の景気回復を織り込む 最大の不透明要因であった大統領選が通過し、来年のバイデン新政権への移行にも目処が立ちつつある。今週に続き、2021年の経済回復を織り込む新たな買いが広がりそうだ。欧米での新型コロナウイルス再流行の状況がリスクだが、ワクチンや治療薬開発の一段の前進で今年の春のパンデミック発生直後の状況とは異なる。来年上半期にもワクチンが承認され供給体制が整えば、米国保健福祉省(HHS)が全米の薬局を通してワクチンを米国民に配布する計画だ。 連邦準備制度理事会(FRB)のパウエル議長を始め、欧州中央銀行(ECB)のラガルド総裁、ベイリー英中銀総裁はワクチン開発の進展は歓迎するものの、依然不透明感が強く経済に反映されるには「時間がかかる」と慎重な見解を示している。各国中央銀行が当面、大規模緩和を維持する見込みが強いことも引き続き相場の買い材料となりそうだ。また、投資資金が米国債から株式に流入している兆候もあり、市場関係者の間でも相場に対して強気派が増えている。ゴールドマンサックスは2021年の米国経済の5.2%成長を予想し、S&P500指数の見通しも今年年末が3700、来年末には4300の水準を予想している。ワクチンの実用化が当面のカタリストになるだろう。 トランプ大統領は大統領選挙において不正投票疑惑を理由に主要激戦数州に対して、法的措置を進めている最中だが、対中強硬政策を緩める気配はない。大統領は中国軍を支援する企業への国民の投資を禁じる大統領令に署名した。これに対し、中国政府は即日、バイデン、ハリス両氏に大統領選勝利に祝意を表した。再び15日間の期限延長が決定した中国の動画アプリ、ティックトックの強制売却の行方には注目したい。 経済指標では、11月ニューヨーク連銀製造業景気指数(16日)、10月小売売上高速報、10月輸入物価指数、10月鉱工業生産・設備稼働率、9月企業在庫、11月NAHB住宅市場指数9月対米国証券投資(17日)、10月住宅着工件数、許可件数(18日)、新規失業保険申請件数、11月フィラデルフィア連銀景況指数、10月景気先行指数、10月中古住宅販売件数(19日)などが予定されている。消費が経済をけん引するため特に小売売上高に注目したい。6カ月連続の伸びの拡大が予想されている。総売り上げはパンデミック前の水準を回復しており、消費は住宅セクターとともに成長に貢献するが、今後のパンデミックの拡大がリスク要因になる。16日にはFRBのクラリダ副議長がブルッキングス研究所のオンライン討論会に参加予定で、経済の判断・見通しや追加緩和の可能性が示唆されるか注目したい。 企業決算では食品メーカーのタイソンフーズ(16日)、ディスカウント小売りのウォルマート(17日)、ターゲット(18日)、ホームセンターのホームデポ(17日)やロウズ(18日)、衣料品小売りのTJマックス、婦人衣料のLブランズ、半導体のエヌディビア(18日)、百貨店のコールズ(17日)やメーシーズ(19日)、靴小売りのフットロッカー、台所用品販売のウィルアムソノマ(20日)などが予想されている。ホームセンターやディスカウント小売りは自粛中も業績を伸ばしており、経済活動再開後も堅調な結果が期待される。また、百貨店も売り上げ回復が期待される。ウォールマートは自動車のゼネラルモーターズと、自動運転配送での提携を発表しており、追加情報に注目が集まるだろう。 (Horiko Capital Management LLC) 《FA》