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後場に注目すべき3つのポイント~主要企業の決算発表控え手じまい売りに押される

2020/8/6 12:38 FISCO
*12:38JST 後場に注目すべき3つのポイント~主要企業の決算発表控え手じまい売りに押される 6日の後場の取引では以下の3つのポイントに注目したい。 ・日経平均は続落、主要企業の決算発表控え手じまい売りに押される ・ドル・円はもみ合い、ドルは下げ渋り ・値下がり寄与トップは東エレク<8035>、同2位がファナック<6954> ■日経平均は続落、主要企業の決算発表控え手じまい売りに押される 日経平均は続落。74.16円安の22440.69円(出来高概算5億3082万株)で前場の取引を終えている。 前日5日の米国株式相場は続伸。ダウ平均は373.05ドル高の27201.52ドル、ナスダックは57.23ポイント高の10998.40ポイントで取引を終了した。追加財政策の交渉で政府側が譲歩する意向を見せたため合意に向けた期待感が強まったほか、新型ウイルスワクチンへの期待が強まり上昇して寄り付いた。7月ISM非製造業景況指数が予想外に改善し昨年2月来の高水準になると、上げ幅をさらに拡大した。その後も終日堅調推移となった。ナスダック総合指数は連日で過去最高値を更新した。 米国株高を受けた今日の東京株式市場だが、昨日に続きスピード調整から日経平均は下げて始まった。しかし、DeNA<2432>やシャープ<6753>など、好決算や好業績予想を発表した銘柄が活発に物色され市場心理が好転し、寄り後の売り一巡後は日経平均はプラスに転じた。今朝の日本経済新聞で、厚労省は英アストラゼネカと英オックスフォード大学が開発中のワクチンについて1億回分以上の供給を受ける方向で最終調整に入り、近く合意するとみられると報じられたことも株価下支え要因となった。ただ、今日は午後1時25分のトヨタ<7203>、午後4時の任天堂<7974>など主要企業の決算発表が多数予定されており、決算発表前の手じまい売りもあり日経平均は再び下げに転じた。 個別では、21年3月期第1四半期(20年4-6月)連結営業利益が前年同期比5.4倍となったDeNA、第1四半期営業増益と想定外の好スタートとなったUTグループ<2146>がストップ高となり。また20年12月期第2四半期(20年1-6月)好決算を発表したソリトンシステムズ<3040>が21%、コンテック<6639>が16%を超す上げとなり、同じく第1四半期が好決算となった住友精化<4008>、未開示だった21年3月期連結営業利益が前期比55.4%増予想と発表したシャープ、第1四半期営業黒字確保が好感されたいすゞ<7202>が上げた。 一方、第1四半期増収率鈍化などをマイナス視されたグレイステクノロジー<6541>がストップ安まで売られ、市場予想を下回り通期営業赤字予想となったUアローズ<7606>が14%を超す下げとなり、今期見通しの収益水準が市場の期待値に届かなかったレーザーテック<6920>、上半期は想定通りの好決算となったが材料出尽くし感が先行したユニチャーム<8113>、コンセンサス下振れの業績見通しや減配を嫌気されたホンダ<7267>が下げた。 セクターでは、鉱業、石油石炭製品、保険業、非鉄金属、その他金融業などが上昇率上位。一方、食料品、不動産業、陸運業、化学、その他製品などが下落率上位だった。東証1部の値上がり銘柄は全体の37%、対して値下がり銘柄は58%となっている。 ここ数日は大きな動きはないが、米国と中国のさや当てが続いており、市場でもことあるごとに懸念材料となっている。対立のステージは徐々に上がっているように思われるが、両国が歩み寄る動きは見えてこない。ここで目配りをしておきたいのが中国国内の政局だ。毎年7月下旬から8月上旬、河北省の保養地・北戴河(ほくたいが)に共産党の指導部や長老らが集まって意見交換する場が設けられる。「北戴河会議」だ。ここでは、共産党の現指導部と長老が激しく議論を戦わせるとも伝えられる。現在、習近平体制は盤石のように見えるが、共産党内部では意見の対立があり、特に西側諸国との対立や香港問題に関しては、現体制の政策への批判も少なくないとの指摘もある。 今年は新型コロナや洪水の影響があり、開催されるかどうかも定かでないと見られていたが、産経新聞は北戴河会議が5日までに始まったもようだと報じている。習近平体制に唯一意見できる場とされる北戴河会議。西側諸国と中国との対立、香港問題等に変化をもたらす可能性のある数少ないイベントだ。一方で、今年の北戴河会議では10月に開かれる共産党の「第19期中央委員会第5回総会(5中総会)」で議論する21年以降の「第14次5カ年計画」原案などが示される見通しだという。一説には、習近平氏が2035年までの長期政権を打ち出すとの見方もある。 このように、北戴河会議の開催が事実であれば、今後の中国の進路を左右する重要なイベントとなる可能性がある。そして10月の中国「5中総会」、11月の米大統領選挙と最大級の政治イベントが続く。アンテナを高くしておく必要がありそうだ。 さて、後場の東京市場はもみ合いとなりそうだ。上述のように、今日は午後1時25分のトヨタ、午後4時の任天堂など、主要企業の4-6月期決算発表が相次ぎ、決算内容を見極めたいとする向きが多く、ポジションを片方に傾けにくい。トヨタは21年3月期連結営業利益を5000億円予想としている。市場コンセンサスは1兆870億円。任天堂は21年3月期連結営業利益は前期比14.9%減の3000億円予想。市場コンセンサスは3889億円。いずれも業績予想が上方修正されるかどうかに注目する向きが多いようだ。トヨタは取引時間中の発表となり、発表内容によっては後場の全体相場に影響する可能性もあり、注意が必要だろう。 ■ドル・円はもみ合い、ドルは下げ渋り 6日午前の東京市場でドル・円はもみ合い。105円半ばで株価やユーロの値動きを手がかりに、方向感の乏しい展開。前日海外市場でのドル売りは一服しており、対主要通貨では小幅に値を戻している。ただ、全般的にドルは買いづらく、先安観は払しょくされていないようだ。 ここまでの取引レンジは、ドル・円は105円46銭から105円62銭、ユーロ・円は125円20銭から125円44銭、ユーロ・ドルは1.1862ドルから1.1886ドル、 ■後場のチェック銘柄 ・ディー・エヌ・エー<2432>、UTグループ<2146>など、5銘柄がストップ高 ※一時ストップ高(気配値)を含みます ・値下がり寄与トップは東エレク<8035>、同2位がファナック<6954> ■経済指標・要人発言 【要人発言】 ・メスター米クリーブランド連銀総裁 「米国経済がここ数週間鈍化していることを示す多くの兆候がある」 「米国は新たな制限措置を避けることができる」 ・モリソン豪首相 「失業率はピーク時に10%近くに達する可能性」 <国内> 特になし <海外> ・15:00 英中銀金融政策委員会が政策金利発表(0.10%に据え置き予想) ・15:00 英中銀金融安定報告書 ・15:00 独・6月製造業受注(前月比予想:+10.1%、5月:+10.4%) 《HH》
関連銘柄 16件
2146 東証プライム
2,014
11/22 15:30
-36(%)
時価総額 80,254百万円
製造業中心に人材派遣・請負等を行うUTエイムなどを傘下に収める持株会社。半導体、自動車関連企業などが取引先。構造改革ソリューションの提供等も。技術職社員数は5万2000名超。製造派遣分野に経営資源集中。 記:2024/08/13
2432 東証プライム
2,517
11/22 15:30
-20(%)
時価総額 307,441百万円
ゲームの自社開発・運営、協業タイトル等を手掛けるゲーム事業、「Pococha」等のライブストリーミング事業が柱。横浜DeNAベイスターズを傘下に持つ。ライブストリーミング、スポーツ事業等で成長投資行う。 記:2024/08/02
3040 東証プライム
1,175
11/22 15:30
+10(%)
時価総額 23,193百万円
情報漏洩対策やサイバーセキュリティ対策製品の開発・販売等を行うITセキュリティ事業が主力。映像コミュニケーション事業、人感センサーの販売等も。サイバー防衛研究所を設立。自社製品・サービスの販売に注力。 記:2024/07/01
4008 東証プライム
4,820
11/22 15:30
+25(%)
時価総額 67,417百万円
吸水性樹脂を主力とする化学メーカー。水溶性ポリマーやエマルジョンなどの製造・販売を行う機能マテリアル、化学品の製造受託等も。海外売上比率は7割超。吸水性樹脂事業では新製品開発、製品の付加価値化に取り組む。 記:2024/10/07
18
2/25 15:00
+1(%)
時価総額 511百万円
産業機械メーカーやソフトウェアメーカーに取扱説明書やマニュアルを作成・管理・運用するシステムを提供。企画、翻訳、コンサルも。22.3期1Qは売上堅調。MOS事業が売上牽引。HOTARUの連結効果等が寄与。 記:2022/01/15
6639 東証スタンダード
2,695
4/27 15:00
±0(%)
時価総額 17,787百万円
FA環境対応の産業用コンピュータ、IoT機器等を手掛ける。IoTソリューションビジネス、環境計測ソリューション等も。22.3期3Qは2桁増益。親会社のダイフクがTOB実施。成立なら同社株は上場廃止へ。 記:2022/03/02
6753 東証プライム
1,003
11/22 15:30
+5.8(%)
時価総額 652,358百万円
大手電気機器メーカー。1912年創業。台湾の鴻海精密工業傘下。液晶テレビや白物家電、スマートフォン、各種情報機器などの製造・販売を行う。ブランド事業では特長商品、新規カテゴリー商材の創出などを図る。 記:2024/08/01
6920 東証プライム
17,280
11/22 15:30
±0(%)
時価総額 1,629,262百万円
半導体関連装置メーカー。シェア独占のEUVマスク欠陥検査装置に強み。FPD関連装置やレーザー顕微鏡なども手掛ける。High-NA向け含むACTISは引き合い旺盛。生成AI関連HBM向けは需要堅調。 記:2024/06/11
6954 東証プライム
4,114
11/22 15:30
+13(%)
時価総額 4,095,154百万円
CNCシステムなどのFA事業、ロボット事業、ロボマシン事業を展開。富士通のNC部門が分離・独立して1972年に誕生。CNCで世界シェアトップクラス。海外売上高比率は8割超。配当性向は60%が基本方針。 記:2024/09/02
7202 東証プライム
1,999
11/22 15:30
+17.5(%)
時価総額 1,500,995百万円
トラック・バスの製造・販売等を行う商用車メーカー。1916年創業。150以上の国・地域で販売。ディーゼルエンジンなどに強み。トヨタ自動車と資本提携。配当性向40%目安。商用車では新型車の拡販などに注力。 記:2024/08/20
7203 東証プライム
2,664.5
11/22 15:30
-10(%)
時価総額 42,085,743百万円
自動車メーカー最大手。カローラ、クラウン、プリウスなど人気車種多数。ダイハツ工業、日野自動車等を傘下に持つ。海外販売台数比率は7割超。グローバル生産累計3億台超。ソフトウェア、AIなどへの投資を加速。 記:2024/08/01
7267 東証プライム
1,362.5
11/22 15:30
+17(%)
時価総額 7,194,000百万円
自動車と二輪車の大手。二輪車は世界トップ。船外機や発電機、航空機などエンジン搭載の多商品を展開。四輪事業は伸長。主力の北米を中心に販売台数が増加。二輪はアジアが好調。中国の持ち分法適用会社が伸び悩み。 記:2024/07/03
7606 東証プライム
2,380
11/22 15:30
+100(%)
時価総額 71,909百万円
大手セレクトショップ。国内外のデザイナーズブランド、自社オリジナル企画の紳士服・婦人服、雑貨などを販売。グループ店舗数は300店舗超。ウィメンズの新ブランド「conte」は24年秋に販売開始予定。 記:2024/07/28
7974 東証プライム
8,166
11/22 15:30
-37(%)
時価総額 10,605,103百万円
世界的ゲームメーカー。コンソールゲーム機を展開するグローバル3強の一角。資産の多くをドル建てで保有。海外売上高比率は7割超。新規タイトル、追加コンテンツの継続投入でプラットフォームの活性化を図る。 記:2024/07/28
8035 東証プライム
22,250
11/22 15:30
+470(%)
時価総額 10,493,834百万円
世界的な半導体製造装置メーカー。TBSの出資で1963年に設立。塗布現像、ガスケミカルエッチング、拡散炉などで世界トップシェア。配当性向50%目処。研究開発投資を積極化。固定費の最適化などにも取り組む。 記:2024/07/07
8113 東証プライム
3,831
11/22 15:30
-24(%)
時価総額 2,378,415百万円
大手衛生用品メーカー。生理用品、ベビー用紙おむつで国内トップシェア。ペットケア用品、業務用食品包装資材等も。海外売上高比率は6割超。大人用排泄ケア用品は東南アジア地域で商品ラインアップの拡充図る。 記:2024/06/29