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後場に注目すべき3つのポイント~「不思議の国の株高」との付き合い模索中?

2020/5/27 12:53 FISCO
*12:53JST 後場に注目すべき3つのポイント~「不思議の国の株高」との付き合い模索中? 27日の後場の取引では以下の3つのポイントに注目したい。 ・日経平均は3日ぶり小幅反落、「不思議の国の株高」との付き合い模索中? ・ドル・円はもみ合い、仲値にかけての上昇は一服 ・値下がり寄与トップは東エレク<8035>、同2位がエムスリー<2413> ■日経平均は3日ぶり小幅反落、「不思議の国の株高」との付き合い模索中? 日経平均は3日ぶり小幅反落。4.94円安の21266.23円(出来高概算8億2000万株)で前場の取引を終えている。 連休明けとなった26日の米株式市場でNYダウは529ドル高と大幅に反発し、終値でおよそ2カ月半ぶりの高値となった。全米で経済活動の再開が一段と拡大したほか、新型コロナウイルスワクチンの開発でも様々な企業の取り組みが発表されて投資家心理が改善した。4月の新築住宅販売件数などの経済指標が堅調だったことも好感されたが、トランプ政権が香港問題を巡り中国の高官や企業に制裁を課すことを検討しているとの報道で引けにかけて伸び悩んだ。本日の日経平均は米中対立への懸念や前日に大幅高となった反動から21円安と小安くスタート。その後出遅れ感の強い銘柄に買いが入り、21377.24円(106.07円高)まで上昇する場面もあったが、おおむね前日終値を挟みもみ合う展開だった。 個別では、日経平均への寄与が大きいソフトバンクG<9984>やファーストリテ<9983>が軟調で、ソニー<6758>は小安い。東エレク<8035>やレーザーテック<6920>といった半導体関連株は大きく下落。出光興産<5019>は今期配当予想を未定とし、嫌気した売りがかさんだ。また、SHIFT<3697>などが東証1部下落率上位に顔を出した。一方、三菱UFJ<8306>や三井住友<8316>といったメガバンク株の堅調ぶりが目立ち、ファナック<6954>などが日経平均の下支え役となった。中小型株ではタカラバイオ<4974>が賑わい、取引時間中の年初来高値を連日で更新。一部報道で新型コロナ対応を巡る期待が再燃したようだ。また、Jリース<7187>がストップ高を付け、東証1部上昇率トップとなった。 セクターでは、陸運業、不動産業、空運業などが下落率上位。半面、海運業、鉄鋼、証券などが上昇率上位だった。東証1部の値下がり銘柄は全体の47%、対して値上がり銘柄は49%となっている。 連休明けの米株式相場が大きく上昇し、東京市場でも投資家心理が一段と上向くとの期待があったが、日経平均はやや上値の重い展開となっている。直近2日で900円近く上昇し、前日には節目の21000円を回復していただけに、利益確定の売りも出やすいところだろう。とはいえ21000円台をキープして推移し、底堅い印象はある。売買代金上位を見ると、日経平均への影響が大きい値がさ株が相対的に軟調。半導体関連株の下落はグロース(成長)株からバリュー(割安)株への資金シフトとともに、米通信計測機器大手キーサイト・テクノロジーズの株価急落が波及したものとみられる。反面、メガバンク株などが堅調のため、東証株価指数(TOPIX)は小幅高で前引けとなった。 業種別騰落率を見ると、前日までの株価上昇に対する利益確定の動きと、出遅れているバリュー株への資金流入が顕著だ。ここまでの東証1部売買代金は1兆3000億円あまりと前日より増加。グロース株売りの流れから新興市場ではマザーズ指数が続落しているが、950pt手前に位置する5日移動平均線水準をキープしようとする動きになっている。 中国・上海総合指数や香港ハンセン指数が下落し、時間外取引のNYダウ先物も弱含みと、海外市場でもやや利益確定の動きが優勢だ。後場の日経平均も上値の重い展開になるとみておきたい。 さて、大方の海外投資家や個人投資家の懸念をよそに、日経平均は前日に21000円台を回復した。もちろん経済再開に向けたポジティブなニュースフローの影響もあるだろうが、前日の当欄で述べたとおり、外国人投資家は2月から一貫して日本株・株価指数先物を売り越しており、日銀の上場投資信託(ETF)買いや公的年金の買いがそれを吸収。需給主導の戻りとの印象は拭えない。海外からは日本の新型コロナ抑制や株高が不思議に映っているようだ。ライフスタイルや働き方の大きな変化を迫られた個人投資家も経済回復には今ひとつ自信が持てていない様子が窺える。主力大型株を敬遠し、マザーズ銘柄を買い進めていたことなどはその証左だろう。 とはいえ、株式需給の面で見ると大きな調整はなかなか想定しにくく、投資家も「実感の伴わない株高」との付き合い方を模索しつつあるようだ。株価指数オプションの「コール(買う権利)」の上昇などはその一端だろう。株価の一段高に備える海外投資家の動きとみられる。また、ここまで株式相場全体をけん引してきた銘柄や人気化した新興株には高値警戒感が出てきたため、いったんは出遅れ銘柄に資金が向かいやすいところ。とはいえ、戻りの息の長さは個別の業況などに左右されるだろう。ここから投資利益を得るためには、より一層の熟慮が必要となりそうだ。 ■ドル・円はもみ合い、仲値にかけての上昇は一服 27日午前の東京市場でドル・円はもみ合い。日経平均株価の安寄りを受け107円30銭台に下げた後、仲値にかけての国内勢の買いにより107円60銭台まで上昇。その後はドル買いが一服しており、ドルは方向感が乏しい。ただ、日経平均株価が後場プラスに転じれば、円売りに振れる見通し。 ここまでの取引レンジは、ドル・円は107円37銭から107円61銭、ユーロ・円は117円81銭から118円17銭、ユーロ・ドルは1.0968ドルから1.0985ドル。 ■後場のチェック銘柄 ・エコミック<3802>、ジェイリース<7187>など、14銘柄がストップ高 ※一時ストップ高(気配値)を含みます ・値下がり寄与トップは東エレク<8035>、同2位がエムスリー<2413> ■経済指標・要人発言 【経済指標】 ・NZ・4月貿易収支:+12.67億NZドル(予想:+12.35億NZドル、3月:+7.22億NZドル←+6.72億NZドル) 【要人発言】 ・フィッチ 「中国との貿易紛争リスクは豪企業の格付けを改める要因に」 <国内> 特になし <海外> 特になし 《HH》
関連銘柄 14件
2413 東証プライム
1,425
11/22 15:30
-12.5(%)
時価総額 967,675百万円
医療従事者専門サイト「m3.com」を運営。製薬企業の薬剤プロモーション・マーケティング支援、薬剤師向け求人情報サイト「薬キャリ」の運営等も。メディカルプラットフォームでは医療現場のDX化支援が順調。 記:2024/07/29
3697 東証プライム
15,620
11/22 15:30
+185(%)
時価総額 278,551百万円
ソフトウェアテスト関連サービス、ソフトウェア開発関連サービスが柱。Web企画制作、マーケティング等も。連結エンジニア数は1.1万人超。エンジニア採用、事業開発投資進める。27.8期売上2000億円目指す。 記:2024/10/25
3802 東証スタンダード
403
11/22 15:30
±0(%)
時価総額 1,891百万円
給与計算アウトソーシング、年末調整アウトソーシング等を手掛ける。給与計算代行で国内トップクラスの実績。ソフトウエア・ハードウエア開発事業も。BPO事業は既存顧客との関係強化図る。25.3期は2桁増益計画。 記:2024/07/01
4974 東証プライム
1,086
11/22 15:30
+33(%)
時価総額 130,772百万円
研究用試薬などの試薬事業が主力。宝HD傘下。滋賀県草津市に本社。再生医療等製品関連受託などのCDMO事業、遺伝子医療事業も手掛ける。25.3期は大幅増益計画。再生医療等製品関連受託の増収などを見込む。 記:2024/07/05
5019 東証プライム
1,030.5
11/22 15:30
+20(%)
時価総額 1,435,118百万円
石油元売り大手。1911年に北九州・門司で創業。2019年に昭和シェル石油と経営統合。SS「apollostation」を展開。基礎化学品、高機能材等も。新規収益創出で事業ポートフォリオの転換図る。 記:2024/08/10
6758 東証プライム
2,948
11/22 15:30
-3.5(%)
時価総額 18,404,653百万円
世界的AV機器メーカー。ゲーム機や映画、音楽でも世界的。CMOSイメージセンサーで世界トップシェア。モバイル機器向けイメージセンサーは堅調続く。今期はイメージング&センシング・ソリューションの増収見込む。 記:2024/06/29
6920 東証プライム
17,280
11/22 15:30
±0(%)
時価総額 1,629,262百万円
半導体関連装置メーカー。シェア独占のEUVマスク欠陥検査装置に強み。FPD関連装置やレーザー顕微鏡なども手掛ける。High-NA向け含むACTISは引き合い旺盛。生成AI関連HBM向けは需要堅調。 記:2024/06/11
6954 東証プライム
4,114
11/22 15:30
+13(%)
時価総額 4,095,154百万円
CNCシステムなどのFA事業、ロボット事業、ロボマシン事業を展開。富士通のNC部門が分離・独立して1972年に誕生。CNCで世界シェアトップクラス。海外売上高比率は8割超。配当性向は60%が基本方針。 記:2024/09/02
7187 東証プライム
1,272
11/22 15:30
-21(%)
時価総額 22,743百万円
家賃債務保証、医療費保証、養育費保証を手掛ける保証関連事業が主力。不動産仲介・管理業務等を行う不動産関連事業、IT関連事業も展開。店舗網などが強み。住居用賃料保証では販路拡大、営業強化に取り組む。 記:2024/08/20
8035 東証プライム
22,250
11/22 15:30
+470(%)
時価総額 10,493,834百万円
世界的な半導体製造装置メーカー。TBSの出資で1963年に設立。塗布現像、ガスケミカルエッチング、拡散炉などで世界トップシェア。配当性向50%目処。研究開発投資を積極化。固定費の最適化などにも取り組む。 記:2024/07/07
1,825
11/22 15:30
+19(%)
時価総額 24,239,641百万円
三菱UFJ銀行、三菱UFJ信託銀行、三菱UFJモルガン・スタンレー証券、三菱UFJニコスなどを傘下に収める総合金融グループ。世界最大の金融機関の一つ。アジアプラットフォームの強靭化などに取り組む。 記:2024/07/29
3,663
11/22 15:30
+64(%)
時価総額 14,375,561百万円
三井住友銀行、SMBC信託銀行、三井住友ファイナンス&リース、SMBC日興証券、三井住友カードなどを傘下に収める持株会社。総資産は300兆円超。決済ビジネスを強化。政策保有株式の削減交渉は進捗順調。 記:2024/08/22
9983 東証プライム
49,020
11/22 15:30
+550(%)
時価総額 15,599,193百万円
世界的なアパレル会社。「ユニクロ」を主力に、「ジーユー」、「セオリー」等のブランドを世界中で展開。海外ユニクロ事業が成長の柱。グローバル化の加速、ジーユー事業などグループブランドの拡大などに注力。 記:2024/10/25
9984 東証プライム
8,586
11/22 15:30
+36(%)
時価総額 12,621,377百万円
携帯キャリアのソフトバンク、LINEヤフー、ビジョン・ファンド、半導体設計の英ARMなどを傘下に収める持株会社。ソフトバンク事業はメディア・EC事業などが順調。中計では26.3期純利益5350億円目指す。 記:2024/06/17