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後場に注目すべき3つのポイント~原油急反発でも上値追いづらい

2020/4/3 12:49 FISCO
*12:49JST 後場に注目すべき3つのポイント~原油急反発でも上値追いづらい 3日の後場の取引では以下の3つのポイントに注目したい。 ・日経平均は5日ぶり反発、原油急反発でも上値追いづらい ・ドル・円は上げ渋り、日本株の上げ幅縮小で ・値上がり寄与トップはKDDI<9433>、同2位セコム<9735> ■日経平均は5日ぶり反発、原油急反発でも上値追いづらい 日経平均は5日ぶり反発。54.63円高の17873.35円(出来高概算6億7000万株)で前場の取引を終えている。 2日の米株式市場でNYダウは3日ぶりに反発し、469ドル高となった。週間の新規失業保険申請件数が過去最高を記録した前週のほぼ2倍に跳ね上がり、朝方は売りが先行。しかし、ロシアとサウジアラビアが原油減産で合意する見込みとトランプ大統領が示唆すると、原油先物相場の急伸とともにエネルギー関連株が大きく買われた。米長期金利の上昇とともに円相場が一時1ドル=108円近辺まで下落し、本日の日経平均はこうした流れを好感して132円高からスタート。朝方には18059.15円(240.43円高)まで上昇する場面もあったが、一段の上値追いの動きは乏しく、伸び悩む展開となった。 個別では、デンカ<4061>が商いを伴って急伸し、東証上昇率トップとなった。新型コロナウイルス治療を巡り期待の高まる「アビガン」の原料供給を決定したと発表している。「アビガン」を手掛ける富士フイルム<4901>は5%上昇した。その他売買代金上位ではソフトバンクG<9984>、任天堂<7974>、トヨタ自<7203>などがしっかり。原油高を受けて国際帝石<1605>などは大きく上昇した。一方、リクルートHD<6098>が5日続落し、ソニー<6758>は小安い。村田製<6981>が2%超、TDK<6762>が3%超下落するなど電子部品株の軟調ぶりが目立つ。臨時休業を発表した鳥貴族<3193>や串カツ田中<3547>は急落し、インソース<6200>が東証1部下落率トップとなった。 セクターでは、鉱業、パルプ・紙、石油・石炭製品などが上昇率上位。半面、ゴム製品、鉄鋼、海運業などが下落率上位だった。東証1部の値上がり銘柄は全体の50%、対して値下がり銘柄は46%となっている。 前日の米国市場では、トランプ氏の発言をきっかけに原油先物相場が急伸。原油安が産油国の財政悪化やシェール関連企業の信用不安につながると警戒されていただけに、ひとまず安心感につながったようだ。しかし、本日の日経平均は朝方に一時240円高まで上げ幅を広げると失速。ここまでの東証1部売買代金は1兆円あまりにとどまっており、積極的な売買は手控えられている。業種別の動向を見ると、原油高に関連したところを除き、引き続きディフェンシブ性の強いセクターが資金を集めている印象。反面、景気敏感セクターの一角が弱い。マザーズ指数は早々に朝方マイナスへ転じており、個人投資家も週末を前に利益確定に動いていることが窺える。 米国では本日、3月の雇用統計やサプライマネジメント協会(ISM)非製造業景況感指数の発表が予定されている。週間の新規失業保険申請件数が連続で過去最高を大きく更新するなか、雇用や経済情勢の悪化を警戒せざるを得ないところだろう。 また、本日は日経平均、東証株価指数(TOPIX)ともプラスで前場を折り返しており、日銀による上場投資信託(ETF)買い実施が期待しにくい。日経平均は直近4日で1500円以上下落しており、週末を控え買い戻しの動きが出てくる可能性もあるが、このところ後場に入ると先物の売りで下に振らされる場面が目立つ。これらを考慮すると、積極的な押し目買いは入りづらいとみておいた方がいいだろう。 反発のきっかけとなった原油相場の動向についても、先行きを注視する必要がありそうだ。サウジはトランプ氏の求めに応じ産油国の臨時会合を要請したが、減産については米国等を含めた幅広い合意を条件としているもようで、ハードルが高い印象は拭えない。トランプ氏が示唆した減産幅についても、一部産油国は否定しているもよう。まずは臨時会合が実現するか見極めたいところだろう。 その他、新型コロナを巡っては東京都内で2日、新たに97人とこれまでで最多の感染者が確認された。一部外資系証券は日本の2020年経済成長率見通しを4%超のマイナスに下方修正。このところ外資系証券各社は東京の都市封鎖(ロックダウン)による経済への悪影響を巡る議論を活発化させており、これとともに海外勢の株価指数先物売りも再び強まってきた。当面、不安定な相場展開が続くことを想定しておきたい。 ■ドル・円は上げ渋り、日本株の上げ幅縮小で 3日午前の東京市場でドル・円は上げ渋り。107円80銭から一時108円20銭まで上昇したが、日経平均株価の上げ幅縮小でリスク選好の円売りが弱まりドルは失速。ランチタイムの日経平均先物はプラスを維持するものの、米株式先物は軟調地合いで今晩の株安を警戒したドル売りが観測される。 ここまでの取引レンジはドル・円は107円80銭から108円20銭、ユーロ・円は116円97銭から117円39銭、ユーロ・ドルは1.0836ドルから1.0864ドル。 ■後場のチェック銘柄 ・UUUM<3990>、クラウドワークス<3900>など、17銘柄がストップ高 ※一時ストップ高(気配値)を含みます ・値上がり寄与トップはKDDI<9433>、同2位セコム<9735> ■経済指標・要人発言 【要人発言】 ・ムニューシン米財務長官 「3490億ドルの中小企業支援融資プログラム、懸念に対処したうえで3日に開始」 【経済指標】 ・豪・2月小売売上高:前月比+0.5%(予想:+0.4%、1月:-0.3%) ・中・3月財新サービス業PMI:43.0(予想:39.0、2月:26.5) <国内> 特になし <海外> 特になし 《HH》
関連銘柄 17件
1605 東証プライム
2,005
11/22 15:30
+25(%)
時価総額 2,524,568百万円
国内最大の石油・天然ガス開発会社。旧社名は国際石油開発帝石。石油元売り大手などが主要取引先。イクシスLNGプロジェクトなど世界約20カ国でプロジェクト展開。再生可能エネルギーの安定収益化などに取り組む。 記:2024/07/29
3,300
11/22 15:30
-10(%)
時価総額 38,353百万円
全品均一価格の焼鳥屋(居酒屋)チェーン「鳥貴族」を展開。チキンバーガー専門店「TORIKI BURGER」等も。グループ店舗数は1100店舗超。配当性向20%以上目安。トリキアプリのDL数は86万DL超。 記:2024/10/08
3547 東証スタンダード
1,543
11/22 15:30
+2(%)
時価総額 14,547百万円
串カツ専門店を直営・FCで全国展開。冷凍串カツをインターネットでも販売。新業態の「鳥玉」「焼肉くるとん」を育成へ。認知度上昇や価格改定効果で堅調。拠点集約化等でコスト抑制。人件費増や施設費などこなす。 記:2024/08/05
3900 東証グロース
1,578
11/22 15:30
+27(%)
時価総額 24,860百万円
国内最大級のクラウドソーシングサイト「クラウドワークス」の運営を行う。ビジネス向けSaaS事業「クラウドログ」等も手掛ける。登録クライアント数は97万社超。サーキュレーションを持分法適用関連会社化。 記:2024/06/18
3990 東証グロース
530
11/22 15:30
±0(%)
時価総額 10,615百万円
国内最大のユーチューバー事務所。HIKAKIN、はじめしゃちょーなどが所属。フリークアウトHD傘下。アドセンス、ゲーム、イベントは構造改革推進で収益力の強化を図る。クリエイター関連商品の販売は順調。 記:2024/06/09
4061 東証プライム
2,131
11/22 15:30
+13.5(%)
時価総額 188,713百万円
1915年設立の総合化学メーカー。クロロプレンゴム、球状シリカと世界トップシェア。電子回路基板や半導体工程用材料、ワクチン、肥料、ABS樹脂等も手掛ける。アセチレンブラックの生産・販売体制の強化に注力。 記:2024/10/08
3,265
11/22 15:30
+43(%)
時価総額 4,061,258百万円
富士フイルムを中核とする持株会社。メディカルシステムや電子材料、オフィスソリューション、デジカメを手掛ける。医用画像情報システムで世界トップシェア。配当性向30%目安。27.3期営業利益3600億円目標。 記:2024/07/08
9,824
11/22 15:30
+288(%)
時価総額 16,208,048百万円
米国発の求人情報サイト「Indeed」等のHRテクノロジー事業、リクナビNEXTやSUUMO等のマッチング&ソリューション事業、人材派遣事業を展開。人材派遣事業は需要増により、日本の稼働人数が順調。 記:2024/06/28
6200 東証プライム
1,058
11/22 15:30
+27(%)
時価総額 90,187百万円
講師派遣型研修事業が主力。公開講座事業やITサービス事業、eラーニング・動画販売等も。取引先は製造業や官公庁関連など4万5000組織超。講師派遣型研修事業は中堅企業中心に民間企業の研修実施回数が順調。 記:2024/06/28
6758 東証プライム
2,948
11/22 15:30
-3.5(%)
時価総額 18,404,653百万円
世界的AV機器メーカー。ゲーム機や映画、音楽でも世界的。CMOSイメージセンサーで世界トップシェア。モバイル機器向けイメージセンサーは堅調続く。今期はイメージング&センシング・ソリューションの増収見込む。 記:2024/06/29
6762 東証プライム
1,875.5
11/22 15:30
-6.5(%)
時価総額 3,645,709百万円
大手電子部品メーカー。1935年創業。二次電池などエナジー応用製品が主力。スマホ内臓バッテリーで世界トップシェア。海外売上高比率は9割超。高収益事業の強化図る。中計では27.3期売上高2.5兆円目標。 記:2024/08/29
6981 東証プライム
2,562
11/22 15:30
-8(%)
時価総額 5,099,951百万円
大手電子部品メーカー。コンデンサやインダクタ、EMI除去フィルタ等を手掛ける。チップ積層セラミックコンデンサ等で世界トップシェア。海外売上高比率が高い。コンデンサはモビリティ向けなどで販売増を見込む。 記:2024/06/04
7203 東証プライム
2,664.5
11/22 15:30
-10(%)
時価総額 42,085,743百万円
自動車メーカー最大手。カローラ、クラウン、プリウスなど人気車種多数。ダイハツ工業、日野自動車等を傘下に持つ。海外販売台数比率は7割超。グローバル生産累計3億台超。ソフトウェア、AIなどへの投資を加速。 記:2024/08/01
7974 東証プライム
8,166
11/22 15:30
-37(%)
時価総額 10,605,103百万円
世界的ゲームメーカー。コンソールゲーム機を展開するグローバル3強の一角。資産の多くをドル建てで保有。海外売上高比率は7割超。新規タイトル、追加コンテンツの継続投入でプラットフォームの活性化を図る。 記:2024/07/28
9433 東証プライム
5,030
11/22 15:30
+35(%)
時価総額 11,024,985百万円
国内シェア2位の大手通信キャリア。auブランドの携帯電話が主力。沖縄セルラー電話、JCOMなどを傘下に持つ。ローソンへのTOBは成立。au PAYカードの会員数が944万人を突破するなど金融事業は順調。 記:2024/06/04
9735 東証プライム
5,192
11/22 15:30
+72(%)
時価総額 2,422,587百万円
国内初の警備保障会社。事業所向け・家庭向けオンライン・セキュリティシステム、常駐警備、現金護送等を手掛ける。防災事業、メディカルサービス事業等も。システムセキュリティ、入退室管理システム等の拡販図る。 記:2024/08/01
9984 東証プライム
8,586
11/22 15:30
+36(%)
時価総額 12,621,377百万円
携帯キャリアのソフトバンク、LINEヤフー、ビジョン・ファンド、半導体設計の英ARMなどを傘下に収める持株会社。ソフトバンク事業はメディア・EC事業などが順調。中計では26.3期純利益5350億円目指す。 記:2024/06/17