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衆参ダブル選でもドル円は動意薄?【フィスコ・コラム】
2019/6/2 8:50
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*08:50JST 衆参ダブル選でもドル円は動意薄?【フィスコ・コラム】 3年ごとに行われる参院選の投開票日が近づくと、必ずささやかれる衆参ダブル選挙のウワサ。統一地方選で明らかになったように、弱い野党によってそんな観測にも現実味が増しています。実現すれば33年ぶりですが、金融市場はどう反応するでしょうか。 5月25日から来日していたアメリカのトランプ大統領は、日米貿易交渉を7月の選挙が終わるまで待つとの方針をツイッター上で明らかにしました。その際、「elections」(選挙)と複数形にしたことで、衆参ダブル選との憶測が広がりました。アメリカの一方的な主張に従えば選挙で不利になるので、日本側が交渉の先延ばしを要請し受け入れられたとの勝手な解釈も一人歩きしています。 今年10月の消費税率引き上げを控え、増税の延期を争点に衆院を解散して衆参同日選に持ち込むとの見方も根強く残っています。ダブル選挙は過去に2例しかない特異な政治手法で、今回実施されれば1986年の中曽根康弘首相(当時)以来となります。与党の圧勝が見込めない場合にはかえって自分の首を絞めかねませんが、支持率50%弱の安倍政権はどう読んでいるのでしょうか。 4年に1度の統一地方選が今年4月に行われましたが、全国で議席を伸ばしたのは自民党と日本維新の党で、立憲民主党など旧民主党を形成していた野党は軒並み勢力を縮小。弱すぎる野党が浮き彫りとなりました。安倍晋三首相は、実は3年前にも最後までダブルにはご執心だったようです。ある古参の政治家秘書は、当時よりもさらにまとまりを欠く野党をみて「これで仕掛けなかったらおかしい」とまで言っています。 この政治家秘書によると、安倍首相のトランプ大統領への「おもてなし」効果は選挙に向けて絶大だそうです。また、アメリカとイランの緊張が続くなか、安倍首相は6月中旬、日本の首相としては1979年のイスラム革命後初めてイランを訪れ、両国の仲裁役となる方向で調整中。その後開かれるG20大阪サミットで議長として差配する姿は、野党にはとどめになってもおかしくありません。 消費増税に向け7月3日発表の日銀短観は1つの目安になりますが、予定通り10月の税率引き上げを決めダブル選挙に臨んだとしても、この分なら圧勝する可能性はあります。野党にそれを止める力が見当たらないためです。また、全国の有権者のうち半数近くの約5000万人が選挙を棄権していますが、こうした「消極的な支持層」も安倍政権にとっては強い味方と専門家は指摘しています。 ただ、日本の場合、海外と異なり政治情勢は金融市場を大きく動かす材料になりにくいのではないでしょうか。仮に衆参ダブル選挙で与党が圧勝しても織り込み済みとなり、政策期待の株高ぐらいにとどまるとみられます。ドル・円は株高を手がかりにやや円安方向に振れるかもしれませんが、米中貿易交渉やブレグジットの先行き不透明感で円高圧力が強く、ダブル選の効果は限定的となりそうです。 ※あくまでも筆者の個人的な見解であり、弊社の見解を代表するものではありません。 《SK》
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