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NY為替:米利下げ観測強まる、対メキシコ関税で成長見通し悪化

2019/6/1 9:27 FISCO
*09:27JST NY為替:米利下げ観測強まる、対メキシコ関税で成長見通し悪化 31日のニューヨーク外為市場でドル・円は、108円91銭から108円28銭まで下落して108円29銭で引けた。米国のトランプ政権が移民問題に絡みメキシコ商品に対し5%関税を導入すると警告したことを受けて、米国経済の成長が悪化するとの懸念が強まった。米利下げ観測も強まり米債利回りの低下に伴うドル売りに拍車がかかった。 ユーロ・ドルは、1.1180ドルから1.1137ドルまで下落したのち1.1169ドルまで戻し引けた。ユーロ・円は、121円49銭から120円92銭まで下落。世界経済の悪化懸念にリスク回避の円買いが加速した。ポンド・ドルは、1.2561ドルから1.2645ドルまで上昇した。ドル・スイスは、1.0065フランから1.0001フランまで下落した。 [シカゴVIX指数:株式投資家の恐怖心理の度合いを示す指数] ・18.71←17.30日中最大19.72 2018年最大:50.30、過去最低17年8.56 [原油市場概況] 31日のNY原油先物は続落。米国政府がメキシコ商品に対し5%関税を導入すると発表したことを受けて、世界経済が悪化し需要が鈍化するとの懸念が広がった。 [株式市場概況] 米国株式相場は下落。ダウ平均は354.84ドル安の24815.04、ナスダックは114.57ポイント安の7453.15で取引を終了した。トランプ政権は、メキシコが不法移民への対策を取らない限り、同国からの輸入品に最大25%まで関税を賦課する方針を明らかにし、売りが先行。中国政府が米国を念頭に同国企業の利益を阻害する外国企業をリスト化する方針を発表したほか、米長期金利の低下も嫌気され、終日下落となった。セクター別では、不動産や公益事業が上昇する一方で電気通信サービスや自動車・自動車部品が下落した。 メキシコの工場で製造し米国に輸出しているゼネラル・モーターズ(GM)、フォード(F)など自動車メーカーが下落。メキシコに生産拠点を持つ自動車メーカーの輸送を担う、鉄道会社のカンザスシティ・サザン(KSU)も軟調推移。アパレルのギャップ(GPS)は、好業績が続いていた「オールドネイビー」部門が軟調となり、同部門のスピンオフ計画に懐疑的な見方から大幅下落。米長期金利の低下で、ゴールドマンサックス(GS)やJPモルガン(JPM)などの金融各社が売られた。一方で、鉱山開発のニューモント・マイニング(NEM)は、商品相場の上昇を受けて堅調推移となった。 6月1日に中国が対米報復措置を開始する予定だ。米中両国が更なる報復措置に踏み切る可能性が高く、週明けの株式相場には注意が必要だ。 《FA》