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NYの視点:米短期金融市場は年あと2回の利上げも想定し始める、米国経済想定以上に強く

2023/6/30 7:48 FISCO
*07:48JST NYの視点:米短期金融市場は年あと2回の利上げも想定し始める、米国経済想定以上に強く 米商務省が発表した1-3月期国内総生産(GDP)確定値は前期比年率+2.0%と、改定値+1.3%から予想以上に上方修正された。サービス支出や輸出の伸びが強く全体指数を押しあげた。同期個人消費確定値は前期比年率+4.2%と、改定値+3.8%から予想外に上方修正され21年4-6月以降で最大の伸びを記録。輸出は+7.8%と、改定値+5.2%から上方修正された。 また、最新の週次新規失業保険申請件数(6/24)は前週比2.6万件減の23.9万件と、予想外の減少で5/27来で最小となった。減少幅は2021年10月来で最大。奴隷解放記念日の祝日が影響した可能性が指摘されている。失業保険継続受給者数(6/17)は174.2万人と、前回176.1万人から増加予想に反し減少し2月来で最小となった。 5月中古住宅販売成約指数は前月比-2.7%と年初来最低となった。3カ月連続で4月分も0.0%から-0.4%へ下方修正された。全米不動産業者協会(NAR)のチーフエコノミミストによると、在庫不足が主要因で、需要は依然強いことが指摘されており、強い労働市場に支えられた消費や住宅市場の強さが再確認された。 米短期金融市場は年内2回目の利上げを50%織り込んだ。パウエルFRB議長は23年、24年にインフレが目標の2%に達すると見ておらず、目標達成は25年になると予想している。年2回としていた利上げも、「年2回かそれ以上の利上げ」の可能性があると、タカ派色を強めた。米国経済も想定以上に強く、FRBが近く利下げに転じるとの見方も後退しつつあり、ドルの買戻しにつながっている。 ただ、新規失業保険申請件数の減少は特別要因が背景となる。また、GDPの伸びもGDI(gross domestic income)が前四半期の―2.3%に続き―2.8%と2四半期連続のマイナスとなっており、相殺されてしまうことは懸念材料となる。 《CS》