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NYの視点:米国労働市場の早期回復期待が後退

2020/6/5 7:46 FISCO
*07:46JST NYの視点:米国労働市場の早期回復期待が後退 米労働省が発表した先週分新規失業保険申請件数は前週比‐24.9万件減の187.7万件となった。経済封鎖以降初めて200万件を下回ったことは好感されている。しかし、予想183.3万件を上回ったほか3月21日の週から11週の申請件数は4300万件に達した。失業中の人数をより正確に見極められると注目度が高い失業保険継続受給者数は2148.7万人で、5月8日の週に2491.2万人のピークから減少傾向にあるものの、前週から予想外に64.9万人から再び増加した。経済再開にともなう再雇用が思うように進んでいない可能性が示唆された。 米国経済の7割を消費が占めるため注目されていたISM非製造業景況指数の5月分の雇用も31.8と4月の30.0から小幅の上昇にとどまっている。このような低調な結果は、先行指標の中で、米労働省が発表する雇用統計と最も相関性が強いとされる民間部門の雇用者数を示すADP雇用統計の5月分が予想を大幅に上回ったことと相反する。 労働市場が最悪期を脱したことは明らかだ。ただ、雇用ぺースが依然遅いことは経済のリスクとなる。パウエルFRB議長やエコノミストは一時解雇が恒久的な解雇になることが経済へのリスクのひとつとして挙げている。 歴史的にも異例なウイルスによる経済への影響は依然、不透明で予断を許さない状況だ。 《CS》