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NYの視点:今週の注目:パウエルFRB議長、4月小売売上高速報、PPI、CPI

2020/5/11 7:36 FISCO
*07:36JST NYの視点:今週の注目:パウエルFRB議長、4月小売売上高速報、PPI、CPI シカゴの投機家、投資家の先週のポジションで円の買い持ちは前々週から減少した。 今週はパウエルFRB議長の講演や米4月小売り売上高、消費者物価指数(CPI)や生産者物価指数(PPI)といったインフレ指数に注目が集まる。特に米国経済の7割を消費が占めるため最新4月小売売上高速報や5月ミシガン大消費者信頼感指数の結果に焦点が集まる。小売りはマイナス11.3%と過去最大に落ち込む公算。さらに、5月ミシガン大消費者信頼感指数速報値は2011年11月以来の水準まで低下する見込みで4−6月期の過去最大規模の落ち込み予想を裏付けると見られる。 また、金利先物市場の動向にも注目。来年初めに米連邦準備制度理事会(FRB)がマイナス金利に踏み切ることを織り込み始めておりドル売り圧力となっている。 FRB高官や市場でエコノミストは経済の完全封鎖を受けた4月、または、4−6月経済で底入れし、その後は経済の活動再開にともない段階的な回復を予想している。パウエルFRB議長は米連邦公開市場委員会(FOMC)後の会見で、経済の先行きにはかなりの不透明感があり、活動が再開したとしても、パンデミック危機前の経済に回復することは不可能との見解を示していた。正常化は少なくとも来年以降とかなり慎重。 4月の雇用統計は失業率が大恐慌以降で最高となったほか、非農業部門雇用者数も過去最大の落ち込みとなった。最悪期は脱したとの見方もあるが、雇用削減の第2波に警戒される。小売りのJクルーに続き百貨店のニーマンマーカスが破綻申請。今週は小売りのJCぺニーが破綻申請すると報じられておりかなりの雇用が削減されることになる。加えて、企業の収益率が悪く、一時解雇から恒久的な解雇になる可能性も十分にある。先々週だけでもAirbnb は全従業員の25%、ウーバーが14%、ユナイテッドは30%の雇用削減計画を発表している。 パンデミック危機前は、強い労働市場が消費を生み米国の強い経済成長に繋がっていた。労働市場が悪化すると消費の伸びも抑制され回復も限定的となってしまう。更なるリスクとしては新型ウイルス発生の原因や対策を巡る米中対立。米国政府はサプライチェーンの中国依存を解消する意向だ。トランプ大統領は8日のTVインタビューで、「中国には非常に苦労している」と述べ、ウイルスパンデミックが中国の貿易協定合意を相殺してしまったとし、「中国に関する決定はしていない」と追加関税の可能性を除外していない。 ■今週の主な注目イベント ●米国 11日:ボスティック米アトランタ連銀総裁、ウィルスパンデミック対策の質疑応答 12日:4月消費者物価指数、ブラード・セントルイス連銀総裁経済見通し、ハーカー米フィラデルフィア連銀総裁、ウイルスによる影響を討論、メスター・クリーブランド連銀総裁が質疑応答で司会 13日:4月生産者物価指数、パウエルFRB議長が経済の問題を討論 14日:4月輸入物価指数、カシュカリ米ミネアポリス連銀総裁が講演カプラン米ダラス連銀総裁講演 15日:4月小売売上高速報、5月ニューヨーク連銀製造業景気指数、4月鉱工業生産・設備稼働率、3月企業在庫、3月JOLT求人件数、5月ミシガン大消費者信頼感指数速報値 ●欧州連合(EU) 11日−15日:英国と離脱交渉 11日:フランス一部経済活動や学校再開 14日:欧州中央銀行(ECB)経済報告書公表 ●英国 15日:ジョンソン英首相、バルニエEU首席交渉官が離脱協議の進展を報告 ●中国 15日:4月鉱工業生産、小売売上高 ●13日:NZ準備銀行金融政策決定会合 ●14日:メキシコ中銀金融政策決定会合 ●地政学的リスク ベネズエラ 北朝鮮: イラン ガザ紛争 シリア イエメン 香港 《CS》