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NYの視点:米中貿易協議の行方に注目が集まる
2019/10/8 7:35
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*07:35JST NYの視点:米中貿易協議の行方に注目が集まる 今週10日、11日に米中貿易閣僚級協議が再開される。世界で第1、第2位の経済を持つ両国は2018年以降、お互いの輸入品に関税を発動。金融市場に不透明感を与えているほか、企業や消費者の信頼感を抑制し、企業の設備投資の低迷に繋がっている。 中国政府はトランプ大統領が進めている広範な貿易協議での合意に一段と消極的になっているという。交渉を指揮する劉鶴副首相は中国側の提案に中国の産業政策または政府の補助金の改革を公約することを含まないとしている。 中国商務省は、中国側はすでに米中が合意している部分でディールの準備があるとし、困難な問題に関しては来年度交渉するとの案を提示してきている模様。クドロー国家経済会議(NEC)委員長も短期ディールも含めてオープンだと指摘したほか、中国がすでに大豆の購入を再開していることから期待感も広がった。ただ、トランプ大統領があくまでも広範なディールでの合意を主張した場合は、期待感が大きく後退することになる。 短期的、部分的なディールは追加関税の脅威、景気悪化懸念が後退することになることは好感材料。ただ、長期的な不透明感が払しょくできないことはマイナスとなる。 交渉では、貿易のみならず政治的な課題も含まれる可能性がある。トランプ大統領に対する弾劾調査が進む中、バイデン前副大統領に対する不正調査を中国に正式要請する可能性や、17週目に入った香港の反政府デモなどが、議題となる可能性もある。 協議がまとまらなかった場合は、今月15日に一部の追加関税が発動されるほか、12月には消費関連に対する関税が課されることになる。すでに減速し始めている世界の製造業セクターに加えて、消費にも一段の打撃となる。 欧州で最大の経済を持つドイツの製造業受注の8月分は前年比で15カ月連続のマイナス。米国でも全米の製造業活動を示すISM製造業景況指数は景気後退を脱した2009年6月以降ほぼ10年ぶり低水準に落ち込んだ。 ■米中貿易協議 ●プラス材料 ・協議控え、中国は大豆購入 ・短期ディールの可能性 ・追加関税発動を延期 ●マイナス材料 ・短期ディールの場合は、長期的な不透明感が存続 ・ノーディールだと追加関税発動、製造業や消費に一段の打撃に 《CS》
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