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幅広い銘柄が堅調に推移

2023/5/29 12:29 FISCO
[日経平均株価・TOPIX(表)] 日経平均;31325.84;+409.53TOPIX;2166.41;+20.57 [後場の投資戦略]  シカゴ日経225先物清算値は大阪比540円高の31500円。シカゴ先物にサヤ寄せする格好から、本日の日経平均はギャップアップから取引を開始した。米債務上限問題の交渉について、バイデン大統領と共和党のマッカーシー下院議長が基本合意に達したことは投資家心理にポジティブに働いている。ただ、今週は米雇用統計など重要な経済指標の発表を控えるなか、徐々にこう着感が強まるとの見方も広がっている。  新興市場も堅調な展開が続いている。マザーズ指数やグロース市場の時価総額上位20銘柄で構成される東証グロース市場Core指数は上昇スタート後、朝方に上げ幅を広げた。ただ、その後は上値の重い展開となっている。米長期金利は上昇しており、バリュエーション面での割高感が意識されやすい新興株にとっては厳しい地合いが続いている。また、東京市場では引き続き半導体関連などプライム市場の主力株中心に投資家の注目が集まっており、新興株を積極的に買い進む動きは乏しい。前引け時点での東証マザーズ指数は1.37%高、東証グロース市場Core指数は0.99%高。  さて、休日に米債務上限問題を巡る与野党の交渉は合意に近づいていると報道された。バイデン大統領とマッカーシー下院議長は、債務政府の法定債務上限に関する原則合意を盛り込んだ法案が議会を通過して署名に向けて大統領に送付され、米国で初のデフォルトが回避されると確信していると表明したようだ。議長は大統領と再び協議し、31日に採決を行う方針を表明。ひとまず、債務上限問題について過度な警戒感は後退しており、投資家心理にポジティブに働いているだろう。  一方、英国の物価指標の上振れやウォラーFRB理事のタカ派発言などを受けて米長期金利は3.8%台まで上昇している。FRBは6月13~14日に開く連邦公開市場委員会(FOMC)で0.25ポイントの追加利上げが適切かどうか判断する。6月FOMCでの0.25ポイントの利上げは、FRB内部でかなり意見が分かれているが、CMEFEDウォッチツールでも約62%と織り込み済みとまではいってない。今週は米国で供給管理協会(ISM)の5月製造業景気指数、5月雇用統計などが発表されるため、これらの指標には最大限の注目が集まろう。  ただ、6月2日発表の5月雇用統計では、非農業部門雇用者数の増加幅が前月比で20万人を割り込み、平均時給は0.3%増と1年ぶりの大幅増だった前月から鈍化する見通しとなっている。また、4月の求人件数は2年ぶりの低水準が予想されており、労働市場の需給逼迫が徐々に緩和しつつあることが想定されている。あくまで予想であるため、結果が出るまでは油断できないが、今週発言が予定されているリッチモンド連銀のバーキン総裁とフィラデルフィア連銀のハーカー総裁、ジェファーソン連邦準備制度理事会(FRB)理事らの発言にも注意を払っておきたいところだ。  そのほか、東証の投資部門別売買状況によると、海外投資家の買い越氏が継続する一方で、個人投資家や年金基金の売買動向を反映するとされる信託銀行の売り越しが続いている。背景としては東証によるPBR改善要請や米著名投資家バフェット氏の追加投資表明、新日銀体制下での追加緩和継続などが挙げられており、日本株市場のメインプレーヤーである海外投資家の動向は今後も随時確認しておく必要がある。さて、後場の日経平均は、プラス圏でこう着感の強い展開が続くか。前引けにかけてじりじりと上げ幅を縮小しているが、引き続き半導体関連株を中心に国内主力企業への物色が継続するか注目しておきたい。(山本泰三) 《AK》