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トランプ米大統領の病状報じられ安心感も

2020/10/5 12:23 FISCO
[日経平均株価・TOPIX(表)] 日経平均;23340.52;+310.62TOPIX;1639.21;+29.99 [後場の投資戦略]  ここ最近の当欄で何度か「株価=景気/金利」という式を考えてきた。景気が良くなるか金利が低下する局面で株が上がり、景気が悪くなるか金利が上昇する局面で株が下がるということを表した式だ。前回これを取り上げた9月30日の当欄は「金利と景気に焦点を絞った思考回路は投資家にとって重要である反面、意外と欠落しやすいものだ。」という一文でしめた。今回はこのことを簡単に考えてみる。  少し古いが、2001年9月11日、アメリカ同時多発テロ。日本では夜のニュース番組で中継され、翌日の日経平均は6%を超す急落となった。しかし、その3日後には日経平均は底を打ち、約1か月後には早々と同時多発テロ前の水準を回復した。よく考えてみると、同時多発テロは「株価=景気/金利」という式にほとんど影響しない。テロによって多くの方が亡くなることは痛ましく悲しいことだが、それによって景気が失速したり金利が急騰することは想定しづらい。あってもごく短期的なものだろう。しかし投資家はニュースの衝撃度の大きさに慌てふためき、金利と景気に焦点を絞った思考回路が欠落してしまったまま狼狽売りに走り、株価は短期的に急落したということだろう。  先週末からの東京株式市場でも衝撃的なニュースが市場を揺らしている。トランプ大統領の新型コロナ感染だ。先週末、日経平均は急落し、ダウ平均先物は一時500ドルを超す下げとなった。しかし、よく考えると、トランプ氏の新型コロナ感染が景気や金利に影響を及ぼす可能性は高くないだろう。トランプ氏陽性というニュースの衝撃に動揺し株価は急落したが、「株価=景気/金利」にはあまり影響しないと気が付いた投資家が今日の前場、買戻しに躍起となった。取り敢えずはそういうことだろう。ただ、トランプ氏の病状次第では世界中で新型コロナへの恐怖感が高まり、経済活動が再び沈滞化する可能性はあるかもしれない。この場合、トランプ氏の病状は「株価=景気/金利」に大きく影響することになる。この点は注意しておきたい。  株式市場に突然飛び込んでくる衝撃的なニュース。投資家にとって重要なことはニュースの衝撃度ではなく、ニュースが「株価=景気/金利」に及ぼす影響を的確に判断することだ。このことに関してはもう少し伝えたいことがあるが、紙面の関係で次の機会に回す。  さて、午後の東京株式市場で日経平均はもみ合いとなりそうだ。前場の日経平均は週末2日の下げ幅のほぼ倍返しの水準となり、一段の上値追いにはやや材料不足。一方、米国で追加経済対策合意への期待が強くなっており、東京市場でも株価下支え要因となろう。テクニカル面では23200円台に位置する25日線が下値支持線として機能しそうだ。ただし、トランプ氏の病状に関するニュースが飛び込んできた場合は、再び市場が揺れる可能性がある。緊張感を持って臨みたい。(小山眞一) 《AK》