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日経平均は続伸、不安要素多くリバウンドの長期化は期待薄

2022/8/8 12:13 FISCO
*12:13JST 日経平均は続伸、不安要素多くリバウンドの長期化は期待薄  日経平均は続伸。65.22円高の28241.09円(出来高概算5億9463万株)で前場の取引を終えている。  前週末5日の米株式市場のNYダウは76.65ドル高(+0.23%)と反発。7月雇用統計の強い結果を受けて連邦準備制度理事会(FRB)の大幅利上げ観測が再燃し、金利高を警戒した売りが広がった。ただ、景気後退懸念も緩和したため、徐々に買い戻しが強まり、下げ幅を縮小。ダウは上昇に転じ終了、ナスダック総合指数は下落した。まちまちとなった米株市場を横目に、日経平均は前週末比125.78円安からスタート。その後は、プラス圏に浮上する場面も見られたが前週末終値を挟んでのもみ合い展開となった。  個別では、好調な受注動向を評価されたレーザーテック<6920>、自社株買いの実施を発表したキヤノン<7751>、業績・配当予想上方修正や株式分割を好感されたラウンドワン<4680>が大幅高となった。丸紅<8002>や三井物産<8031>、住友商事<8053>などの商社株が上昇しているほか、東エレク<8035>、ソフトバンクG<9984>、第一三共<4568>、INPEX<1605>、などが堅調、三菱UFJ<8306>や三井住友<8316>などの銀行株も上昇した。冶金工<5480>、三井松島HD<1518>などが値上がり率上位に顔を出した。  一方、商船三井<9104>や川崎汽船<9107>、日本郵船<9101>などの海運株が軟調。東京海上<8766>や任天堂<7974>、リクルートHD<6098>が大幅に下落、ソニーG<6758>やトヨタ自<7203>、キーエンス<6861>なども下落した。ほか、メディアスHD<3154>やクオールHD<3034>、ソリトンシステムズ<3040>、ジャムコ<7408>が値下がり率上位に顔を出した。  セクターでは鉱業、石油・石炭、金属製品が上昇率上位となった一方、保険、パルプ・紙、海運が下落率上位となった。東証プライムの値上がり銘柄は全体の42%、対して値下がり銘柄は52%となっている。  本日の日経平均株価は、下落してスタートした後前週末終値付近でのもみ合い展開となった。アジア市況や米株先物が軟調な展開となっているが、日経平均は小幅なレンジでの推移となっている。週末に発表された米7月雇用統計は大幅に予想を上回り、インフレの加速が確認されたため売りが先行したが、決算発表を終えた主力株への物色が中心となり下支えをしているようだ。  新興市場は売り優勢の展開が続いている。マザーズ指数やグロース市場の時価総額上位20銘柄で構成される東証グロース市場Core指数は、下落してスタートしたあと朝方に下げ幅を大きく拡げた。新興市場でも週末に発表された米7月雇用統計の結果でインフレの加速が確認されたことは、インフレの減速を予想していた分個人投資家心理にネガティブに働いた。また、米長期金利が2.8%台まで急伸しており、バリュエーション面での割高感が意識されやすいグロース株にとっては逆風となっている。前引け時点で東証グロース市場Core指数が2.35%安、東証マザーズ指数が1.80%安となった。  さて、直近の日経平均株価は想定外の強さとなっておりこれまで何度も押し返されてきた28000円を大きく突破したあとも28000円台で推移。7月半ばからのハイテク・グロース株を中心としたリバウンドが想定以上に続いていることは前回の当欄で述べている。  ほかにも、米国のリセッション入り確率が急低下してきているとブルームバーグでは述べられている。JPモルガン・チェースのストラテジストが考案したリセッション確率の指標によると、株式市場の視点では米景気下降はますます起こりそうにないという。また、株式とクレジット、金利市場が全体として織り込む米国のリセッション確率は40%と、6月段階の50%から低下したようだ。つまり、昨年11月から今年6月までの長期的な下落はリセッションを織り込むためで、現在はリセッション材料が出尽くしているとも捉えられている。さらに、物価が落ち着いてきていることもリバウンドの要因となっているだろう。  ただ、「株式相場の最近の順調な持ち直しは長続きしない」とゴールドマン・サックス・グループとバーンスタインのストラテジストが警告しているともブルームバーグで述べられている。マクロ経済データの悪化が続き、企業業績見通しが下方修正されていることを理由に挙げられている。4日に発表した1週間の新規失業保険申請件数は前週比6000件増加し、26万件だったことも気がかりである。  また、5日に発表された米7月雇用統計は大幅に予想を上回り、インフレの減速予想とは対照的にインフレの加速が確認された。インフレ高進が確認されるとインフレ抑制のために、米連邦準備制度理事会(FRB)が今後積極的に金融引き締めを行う根拠となる。やはり、10日に発表される米7月消費者物価指数(CPI)の結果、これに伴うFRB高官ら発言には注目が集まろう。  さらに、ロシアのウクライナ侵攻や米中問題など地政学リスクの高まりも忘れてはいけない。これだけ不安材料が重なってくると、現在のリバウンドが長く続くことは筆者も想定していない。中長期的にはもう一度下落トレンドが再開する可能性があることを念頭に株式市場を注視していくことが重要であろう。さて、後場の日経平均は、こう着感の強い展開が続くか。前場に続いて決算発表を終えた個別材料株中心に物色が向かうか注目しておきたい。 《AK》
関連銘柄 27件
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3040 東証プライム
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時価総額 23,193百万円
情報漏洩対策やサイバーセキュリティ対策製品の開発・販売等を行うITセキュリティ事業が主力。映像コミュニケーション事業、人感センサーの販売等も。サイバー防衛研究所を設立。自社製品・サービスの販売に注力。 記:2024/07/01
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4568 東証プライム
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時価総額 8,635,096百万円
大手製薬会社。抗悪性腫瘍剤「エンハーツ」、抗凝固剤「リクシアナ」などが主力品。かぜ薬「ルル」、解熱鎮痛薬「ロキソニンS」などで知名度高い。米メルクと戦略的提携。がん事業への集中的な資源投入を図る。 記:2024/08/26
4680 東証プライム
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時価総額 289,319百万円
屋内型複合レジャー施設「ラウンドワン」の運営等を行う。アミューズメント部門の売上高比率が高い。クレーンゲーム専門店の運営等も。米国はスポッチャ収入が好調。新サービス開発や海外の新規出店などに注力。 記:2024/06/18
5480 東証プライム
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時価総額 61,911百万円
大手ステンレス鋼メーカー。1925年創業。ステンレス鋼、床用ステンレス鋼板、高耐食鋼・合金、耐熱鋼・合金等を手掛ける。NASブランドで知られる。中国、インドなどのターゲット市場で高機能材の拡販図る。 記:2024/09/02
9,824
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時価総額 16,208,048百万円
米国発の求人情報サイト「Indeed」等のHRテクノロジー事業、リクナビNEXTやSUUMO等のマッチング&ソリューション事業、人材派遣事業を展開。人材派遣事業は需要増により、日本の稼働人数が順調。 記:2024/06/28
6758 東証プライム
2,948
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-3.5(%)
時価総額 18,404,653百万円
世界的AV機器メーカー。ゲーム機や映画、音楽でも世界的。CMOSイメージセンサーで世界トップシェア。モバイル機器向けイメージセンサーは堅調続く。今期はイメージング&センシング・ソリューションの増収見込む。 記:2024/06/29
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時価総額 15,969,037百万円
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半導体関連装置メーカー。シェア独占のEUVマスク欠陥検査装置に強み。FPD関連装置やレーザー顕微鏡なども手掛ける。High-NA向け含むACTISは引き合い旺盛。生成AI関連HBM向けは需要堅調。 記:2024/06/11
7203 東証プライム
2,664.5
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時価総額 42,085,743百万円
自動車メーカー最大手。カローラ、クラウン、プリウスなど人気車種多数。ダイハツ工業、日野自動車等を傘下に持つ。海外販売台数比率は7割超。グローバル生産累計3億台超。ソフトウェア、AIなどへの投資を加速。 記:2024/08/01
7408 東証プライム
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-2(%)
時価総額 36,723百万円
航空機内装設備メーカー。ギャレーやラバトリー等の内装品、航空機シートや空調用機器、エンジン部品も提供する。ギャレーとラバトリーで世界的。主力の内装品が受注堅調。赤字のシートは受注凍結。財務体質を改善へ。 記:2024/07/26
7751 東証プライム
5,054
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時価総額 6,740,838百万円
精密機器大手。1937年設立。オフィス複合機やレンズ交換式カメラ、FPD露光装置などで世界トップシェア。バランスの取れた事業構造が強み。海外売上比率は7割超。商業印刷、産業印刷分野はラインアップ強化図る。 記:2024/10/21
7974 東証プライム
8,166
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-37(%)
時価総額 10,605,103百万円
世界的ゲームメーカー。コンソールゲーム機を展開するグローバル3強の一角。資産の多くをドル建てで保有。海外売上高比率は7割超。新規タイトル、追加コンテンツの継続投入でプラットフォームの活性化を図る。 記:2024/07/28
8002 東証プライム
2,395.5
11/22 15:30
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時価総額 4,015,766百万円
大手総合商社。芙蓉グループ。生活産業、食料・アグリ、素材産業、エナジー・インフラソリューション、社会産業・金融分野などで事業展開。みずほリースと資本業務提携。総還元性向は30%~35%程度が目安。 記:2024/08/30
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3,305
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+35(%)
時価総額 10,005,514百万円
大手総合商社。鉄鉱石や原油・LNGなど資源分野に強み。機械・インフラ、化学品、生活産業などの事業を多角的に展開。インドネシアのパイトン発電事業の持分売却は完了。中計では26.3期当期利益9200億円目標。 記:2024/06/04
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22,250
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時価総額 10,493,834百万円
世界的な半導体製造装置メーカー。TBSの出資で1963年に設立。塗布現像、ガスケミカルエッチング、拡散炉などで世界トップシェア。配当性向50%目処。研究開発投資を積極化。固定費の最適化などにも取り組む。 記:2024/07/07
8053 東証プライム
3,282
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時価総額 3,974,827百万円
総合商社大手。1919年設立。メディアなどの非資源に強み。SCSK、食品スーパーのサミットなどを傘下に持つ。中計では27.3期純利益6500億円目標。鉄鋼事業では米国、鉄鋼GX等の新領域での事業拡大図る。 記:2024/06/09
1,825
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時価総額 24,239,641百万円
三菱UFJ銀行、三菱UFJ信託銀行、三菱UFJモルガン・スタンレー証券、三菱UFJニコスなどを傘下に収める総合金融グループ。世界最大の金融機関の一つ。アジアプラットフォームの強靭化などに取り組む。 記:2024/07/29
3,663
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+64(%)
時価総額 14,375,561百万円
三井住友銀行、SMBC信託銀行、三井住友ファイナンス&リース、SMBC日興証券、三井住友カードなどを傘下に収める持株会社。総資産は300兆円超。決済ビジネスを強化。政策保有株式の削減交渉は進捗順調。 記:2024/08/22
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9101 東証プライム
4,975
11/22 15:30
-62(%)
時価総額 2,293,475百万円
海運の国内最大手。1885年創業。三菱グループ。不定期専用船事業、物流事業が柱。定期船事業、航空運送事業等も展開。世界最大規模の自動車専用船を保有。配当性向30%目安。25.3期は最終増益見通し。 記:2024/07/04
9104 東証プライム
5,430
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-9(%)
時価総額 1,968,668百万円
海運国内2位。1884年創業。三井グループ。ドライバルク事業、エネルギー事業、製品輸送事業が柱。LNG船の所有・管理・運航で世界シェアトップクラス。配当性向30%目安。非海運事業のアセット積み増し図る。 記:2024/07/29
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2,155
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-34(%)
時価総額 1,454,996百万円
海運国内3位。1919年設立。自動車船事業などの製品物流部門が主力。ドライバルク事業等も。持分法適用関連会社にコンテナ船事業を行うONE社。LNG船等は順調推移見込む。27.3期経常利益1600億円目標。 記:2024/06/17
9984 東証プライム
8,586
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時価総額 12,621,377百万円
携帯キャリアのソフトバンク、LINEヤフー、ビジョン・ファンド、半導体設計の英ARMなどを傘下に収める持株会社。ソフトバンク事業はメディア・EC事業などが順調。中計では26.3期純利益5350億円目指す。 記:2024/06/17