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日経平均は反発、円安支援で上昇も失速、ウクライナ情勢や各国金融政策を見極めへ

2022/3/14 12:07 FISCO
*12:07JST 日経平均は反発、円安支援で上昇も失速、ウクライナ情勢や各国金融政策を見極めへ  日経平均は反発。174.61円高の25337.39円(出来高概算6億1443万株)で前場の取引を終えている。  先週末11日の米株式市場ではNYダウが229.88ドル安と続落。ロシアのプーチン大統領がウクライナとの停戦交渉で前向きな動きがあると発言したとの報道で、停戦期待から寄り付き後上昇。しかし、ウクライナ外相などが報道を否定したことで停戦期待が後退したほか、3月ミシガン大学消費者信頼感指数速報値が予想を下回ったこともあり、上げ幅を縮小。バイデン大統領がロシアに対して世界貿易機関(WTO)協定に基づく最恵国待遇を取り消すなど追加制裁を発表したこともあり、引けにかけて下げに転じた。3月米連邦公開市場委員会(FOMC)を前にした警戒感もあり、ナスダック総合指数は-2.17%と大幅に続落。  一方、週明けの日経平均は175.86円高でスタートすると、朝方は買いが先行し、一時25631.01円(468.23円高)まで上昇。先週末に500円超と大きく下落していたこともあり、1ドル=117円台後半へと進んだ大幅な円安が支援要因となるなか買い戻しが先行した。ただ、買い一巡後は上げ幅を縮め、もみ合いがしばらく続いた後に、前引けにかけては一段と失速する展開となった。  個別では、商船三井<9104>などの海運株のほか、米長期金利の上昇を背景に三菱UFJ<8306>や東京海上<8766>の金融株が大幅に上昇。円安・ドル高進行を追い風にトヨタ自<7203>も買われ、三菱商事<8058>やJFE<5411>などの資源関連も堅調。政府が「まん延防止等重点措置」解除基準の緩和を検討との報道を手掛かりにJAL<9201>、JR西<9021>、エアトリ<6191>などのアフターコロナ関連が大幅高。ほか、決算が好感されたところでシーイーシー<9692>、オハラ<5218>などが急伸し、ヤーマン<6630>はストップ高となっている。一方、レーザーテック<6920>やソフトバンクG<9984>、ファーストリテ<9983>、ソニーG<6758>、日本電産<6594>、HOYA<7741>など値がさグロース(成長)株が軟調。株式売出を発表したミルボン<4919>などが東証1部値下がり率上位に入っている。  セクターでは不動産業、保険業、証券・商品先物取引業などが上昇率上位に並んだ。一方、精密機器、電気・ガス業、小売業の3業種が下落となっている。東証1部の値上がり銘柄は全体の66%、対して値下がり銘柄は28%となっている。  ウクライナ情勢の先行きが読めないなか、週明けの東京市場は方向感に欠ける動きとなっている。ロシア軍によるウクライナ首都キエフへの総攻撃が懸念されるほか、米政府などはロシア軍による化学兵器の使用の可能性などを警告しており、事態の一層の深刻化が警戒されている。一方で、ロシアとウクライナの間では継続的にオンラインでの協議が続いているもよう。ウクライナのゼレンスキー大統領は、12日、ロシア側との交渉がこれまでより中身のある内容になってきた兆候があるとも述べたと伝わっており、停戦に向けた期待も残る。  また、サリバン米大統領補佐官は、中国の外交を統括する楊共産党政治局員と14日に会談する予定。ロシアによるウクライナ侵攻が始まってから初となる米中高官の対面会談となる。米国側は引き続きロシアに対する影響力をもつ中国に停戦に向けた協力を求めていく方針。ロシアとウクライナの双方と近しい関係をもつ中国にとって仲裁役は非常に難しい立場であり、あまり期待はできないが、中国が仲裁に向けた何らかのアクションを示唆するような可能性を考慮すると、売り方も今の水準から積極的に仕掛けるのは難しいだろう。  15-16日には今週最大のイベントであるFOMCも控えている。参加メンバーらが示す政策金利見通し(ドットチャート)などが注目される。金利先物市場は既に年6-7回の利上げを織り込んでいるが、一部の調査機関によると、エコノミストの多くは年内の利上げ回数を約4回と予想していることが分かっている。4-5回程度が示されれば市場には安心感がもたらされ、短期的には相場の反発要因となりそうだ。  一方、パウエル議長は経済データ次第では0.5ptの利上げの可能性を否定していない。また、独アリアンツの首席経済顧問モハメド・エラリアン氏は13日、ロシアのウクライナ侵攻に伴う影響により、米国のインフレ率は一段と上昇する可能性が高く、2月に前年同月比+7.9%と40年ぶりの高水準を記録した米消費者物価指数(CPI)はピーク時には「10%に極めて近い水準もしくはそれを超える」水準になると指摘。米連邦準備制度理事会(FRB)のインフレに対する対応の遅さを改めて批判した。サマーズ元米財務長官も、ウクライナ侵攻以降、商品相場が急伸していることを踏まえると、インフレ率は今後数カ月は高止まりすると予想している。こうした背景もあり、FOMC通過後もインフレ及び大幅利上げの懸念はくすぶり、一時的に株価が上昇することはあっても、短命に終わりそうだ。  本日も、朝方大幅高で始まった東エレク<8035>など主力ハイテク株は大きく上げ幅を縮める展開となっている。こうした動きからも、投資家の先行き警戒感が窺える。いまはニュースのヘッドライン次第で短期的には上下に振れやすいものの、基調としてはインフレと景気減速、そして金融引き締めに対する懸念から、下落トレンドが続いている局面なのだということを再認識する必要がある。基調の本格的な転換には、ウクライナ情勢の混乱解消のほか、インフレの明確なピークアウトや、それを受けた金融当局による引き締めペースの緩和などを確認する必要があると考えられるが、それらを確認するのには年後半まで待つ必要があろう。  後場の日経平均は引けにかけて騰勢を弱めた前場の流れを引き継いで、冴えない展開が予想される。香港ハンセン指数が大幅に下落しているなか、投資家マインドは上向きにくい。15日以降にFOMCや、英国、日本での金融政策決定会合を控えるなか、結果を見極めたいとの思惑から模様眺めムードが漂いやすいだろう。 《AK》
関連銘柄 20件
4919 東証プライム
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時価総額 114,916百万円
ヘアケア用剤、染毛剤が主力。ヘアケアのプレミアムブランド「オージュア」などを展開。パーマネントウェーブ用剤、化粧品の製造・販売等も手掛ける。オーガニックブランド「ヴィラロドラ」は導入店舗数が拡大。 記:2024/09/02
5218 東証スタンダード
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11/22 15:30
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時価総額 32,245百万円
光学ガラス専業メーカー。交換レンズ向け等の光学ガラス、エレクトロニクス用ガラス等の特殊ガラス等を手掛ける。キヤノンなどが主要取引先。製品の高付加価値化に取り組む。26.10期売上高320億円以上目標。 記:2024/10/26
5411 東証プライム
1,757
11/22 15:30
+7.5(%)
時価総額 1,123,493百万円
国内2位の鉄鋼メーカー。日本鋼管と川崎製鉄の経営統合により発足。鋼板を中心に多数の高付加価値製品を抱え、自動車用高級鋼板に強み。価格転嫁進める。高付加価値製品比率高まる。構造改革と海外拡大も進める。 記:2024/06/25
6191 東証プライム
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時価総額 25,302百万円
総合旅行プラットフォーム「エアトリ」を運営。Wi-Fiレンタル事業、地方創生事業、ITオフショア開発事業等も。メルマガのまぐまぐ等を傘下に持つ。M&Aによる成長投資を行う。エアトリ経済圏の構築・強化図る。 記:2024/10/09
6594 東証プライム
2,858
11/22 15:30
-50(%)
時価総額 3,408,362百万円
総合モーターメーカー最大手。旧社名は日本電産。京都府京都市に本社。精密小型モーター、車載・産業用モーター、商業・産業用ロボットなどを手掛ける。電動パワステ用モーターなどに強み。車載向けは収益性最優先。 記:2024/10/14
6630 東証プライム
779
11/22 15:30
+1(%)
時価総額 45,454百万円
美容健康機器の製造・販売、化粧品や生活雑貨の販売等を手掛ける。美顔器で国内トップシェア。ヤーマン、ミーゼなどのブランドを展開。中計では28.4期売上700億円目標。オリジナル機能性化粧品の拡充を図る。 記:2024/10/25
6758 東証プライム
2,948
11/22 15:30
-3.5(%)
時価総額 18,404,653百万円
世界的AV機器メーカー。ゲーム機や映画、音楽でも世界的。CMOSイメージセンサーで世界トップシェア。モバイル機器向けイメージセンサーは堅調続く。今期はイメージング&センシング・ソリューションの増収見込む。 記:2024/06/29
6920 東証プライム
17,280
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時価総額 1,629,262百万円
半導体関連装置メーカー。シェア独占のEUVマスク欠陥検査装置に強み。FPD関連装置やレーザー顕微鏡なども手掛ける。High-NA向け含むACTISは引き合い旺盛。生成AI関連HBM向けは需要堅調。 記:2024/06/11
7203 東証プライム
2,664.5
11/22 15:30
-10(%)
時価総額 42,085,743百万円
自動車メーカー最大手。カローラ、クラウン、プリウスなど人気車種多数。ダイハツ工業、日野自動車等を傘下に持つ。海外販売台数比率は7割超。グローバル生産累計3億台超。ソフトウェア、AIなどへの投資を加速。 記:2024/08/01
7741 東証プライム
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-95(%)
時価総額 6,799,831百万円
メガネレンズ、医療用内視鏡などを手掛けるライフケア事業が主力。エレクトロニクス関連製品、映像関連製品等も。半導体用マスクブランクスで世界トップシェア。コンタクトレンズはPB品、オンラインサービスが順調。 記:2024/08/30
8035 東証プライム
22,250
11/22 15:30
+470(%)
時価総額 10,493,834百万円
世界的な半導体製造装置メーカー。TBSの出資で1963年に設立。塗布現像、ガスケミカルエッチング、拡散炉などで世界トップシェア。配当性向50%目処。研究開発投資を積極化。固定費の最適化などにも取り組む。 記:2024/07/07
8058 東証プライム
2,646.5
11/22 15:30
+0.5(%)
時価総額 11,059,771百万円
大手総合商社。原料炭や銅、液化天然ガスなど資源分野で世界有数の優良権益を有す。非資源分野は食品卸売に強み。自動車・モビリティ、複合都市開発等も。総還元性向40%程度目処。LNG事業の拡張などを図る。 記:2024/07/07
1,825
11/22 15:30
+19(%)
時価総額 24,239,641百万円
三菱UFJ銀行、三菱UFJ信託銀行、三菱UFJモルガン・スタンレー証券、三菱UFJニコスなどを傘下に収める総合金融グループ。世界最大の金融機関の一つ。アジアプラットフォームの強靭化などに取り組む。 記:2024/07/29
5,681
11/22 15:30
+63(%)
時価総額 11,589,240百万円
メガ損保の一角。東京海上日動火災保険、日新火災海上保険、イーデザイン損害保険などを傘下に収める持株会社。北米を中心とする海外保険事業等も。海外保険事業では競争力の高い商品のグローバル展開などに注力。 記:2024/10/25
9021 東証プライム
2,795.5
11/22 15:30
+29(%)
時価総額 1,364,212百万円
大手鉄道会社。近畿、北陸、中国、九州北部が鉄道営業エリア。山陽新幹線、北陸新幹線などを運行。流通業、不動産業、旅行・地域ソリューション業も展開。高付加価値の不動産アセット拡充など不動産事業の拡大図る。 記:2024/08/01
9104 東証プライム
5,430
11/22 15:30
-9(%)
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9201 東証プライム
2,413
11/22 15:30
+23(%)
時価総額 1,054,828百万円
大手航空会社。航空旅客事業や貨物郵便事業、マイル/金融・コマース事業などを展開。LCCのZIPAIR Tokyo、スプリング・ジャパンなどを傘下に持つ。スマホ決済「JAL Pay」のサービス拡充図る。 記:2024/08/30
9692 東証プライム
2,110
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+22(%)
時価総額 79,336百万円
独立系システムインテグレーター。1968年設立。ICTサービスの提供等を行うサービスインテグレーション事業が柱。トヨタグループなどが主要取引先。モビリティサービスではビッグデータ分析基盤構築などが順調。 記:2024/10/29
9983 東証プライム
49,020
11/22 15:30
+550(%)
時価総額 15,599,193百万円
世界的なアパレル会社。「ユニクロ」を主力に、「ジーユー」、「セオリー」等のブランドを世界中で展開。海外ユニクロ事業が成長の柱。グローバル化の加速、ジーユー事業などグループブランドの拡大などに注力。 記:2024/10/25
9984 東証プライム
8,586
11/22 15:30
+36(%)
時価総額 12,621,377百万円
携帯キャリアのソフトバンク、LINEヤフー、ビジョン・ファンド、半導体設計の英ARMなどを傘下に収める持株会社。ソフトバンク事業はメディア・EC事業などが順調。中計では26.3期純利益5350億円目指す。 記:2024/06/17