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日経平均は続落、米中対立の激化も警戒材料

2020/6/18 12:19 FISCO
*12:19JST 日経平均は続落、米中対立の激化も警戒材料  日経平均は続落。226.74円安の22229.02円(出来高概算5億4041万株)で前場の取引を終えている。  前日17日の米株式市場では米国株式相場はまちまち。ダウ平均は170.37ドル安の26119.61ドル、ナスダックは14.66ポイント高の9910.53ポイントで取引を終了した。景気回復期待で上昇して寄り付いたが、中国北京の感染拡大やテキサス州のウイルス患者入院数の急増が伝えられると、感染第2波への懸念が上値を抑え、前日終値を挟んで揉み合う展開となった。クオモ知事がニューヨーク市の経済再開第2段階を22日から開始すると発表したほか、パウエルFRB議長が下院金融委員会証言で改めて長期にわたりゼロ金利や量的緩和を維持する方針を示したほか、ハイテク株が依然として下支えとなった。しかし、大統領選世論調査で、いくつかの激戦区でトランプ大統領の支持率がバイデン候補を下回ったことが報じられると、引けにかけて下落する展開となった。  ダウ平均が下落した米国株式相場を受けた東京株式市場では売りが先行。新型コロナウイルス感染再拡大懸念や、朝鮮半島の地政学リスクの高まりなどの警戒材料に加え、リスクオンムードの後退で、朝方に一時1ドル=106円70銭台と、昨日の安値に比べ70銭ほど円高・ドル安に振れたことも株式市場の買い手控え要因となった。前場中頃からは日経平均は一段安となり、一時330円安まで下げ幅を広げた。米国で昨日、中国の少数民族ウイグル族への弾圧に関与した中国当局者への制裁が可能となるウイグル人権法が成立し、米中対立がさらに激化するのではとの警戒感を指摘する向きもあった。  個別では、「抗ウイルス・抗菌剤CA1100」の小分けタイプを販売開始したキャンディル<1446>がストップ高。東証2部から東証1部銘柄へ指定されることとなったと発表した都築電気<8157>も一時ストップ高。また、米国で実施しているCBP501フェーズ1b試験拡大相のうち膵臓癌患者組入れが完了したと発表したキャンバス<4575>や、JMDC<4483>株の一部売却で売却価額は159億円になったと発表したノーリツ鋼機<7744>も高く、21年3月通期の連結経常利益を0.00億円に上方修正した(前回予想:100.00億円の赤字から400.00億円の赤字)商船三井<9104>なども堅調だった。  その他では、「ポケモン」関連の新ゲームを複数発表し「別の大プロジェクト」について24日に発表することも明らかにしたと報じられた任天堂<7974>、電子商取引(EC)事業の底上げに乗り出すと報じられた西松屋チェ<7545>も堅調となった。一方、昨日に20年3月期業績予想の大幅な下方修正を発表したNTN<6472>が6%を超える下げとなり、外資系証券がレーティングを引き下げたヤクルト<2267>も2%を超える下げとなった。また、同じく外国証券がレーティングを引き下げたJR西<9021>も2%の下げとなっている。  セクターでは、その他製品、海運業、情報・通信業の3業種が上昇。一方、不動産業、鉱業、空運業、保険業、銀行業などが下落率上位だった。東証1部の値上がり銘柄は全体の22%、対して値下がり銘柄は74%となっている。  昨日の東京市場は日経平均が安い一方、JASDAQ平均、マザーズ指数は上昇。昨日の米国市場ではダウ平均がマイナスに沈んだ一方、ナスダックは伸び悩んだもののプラス圏で取引を終えた。本日前場の日経平均は、マイナス圏で軟調な動きだったが、一方で、JASDAQ平均、マザーズ指数はプラス圏で推移する場面もあるなど本日も底堅い動きだった。  全体としては、米国市場、東京市場とも、金融政策や財政政策が株価を下支えする一方、新型コロナウイルス感染再拡大や米中対立の激化への懸念や、朝鮮半島の地政学リスクへの警戒感、じわりと進む円高・ドル安などが上値を抑えている。主力株は積極的には手掛けにくく、米ナスダック市場や日本の新興市場などの、懸念材料にやや距離を置いた銘柄に資金が向かいやすくなっている。  さらに、来週24日は市場関係者にとって嬉しいイベントの日だ。新型コロナウイルス感染拡大による市場急落で、しばらくの間停止を余儀なくされていた新規上場(IPO)がこの日から再開される。記念すべき再開初日の上場は、チラシ・買い物情報サービスのロコガイド<4497>、実演販売のコパ・コーポレーション<7689>、画像認識ソフトのフィーチャ<4052>の3社だ。事業内容も多彩である。上場市場はいずれもマザーズ市場。新興市場に久々に新風が吹きこまれることになる。バイオやIT、ネット関連などに加え、「新規公開株」という新たなカテゴリーが加わることで、新興市場はさらに活性化しそうだ。  テクニカル面では、昨日、日経平均の75日移動平均線が2月下旬以来久しぶりに上向きに転じた。また、本日は25日線が200日線を上回ってきており、こちらも3月中旬以来と久々の転換点だ。日経平均は次の上昇波動に備えてチャートが整うのを待っているようにも見える。そうした意味では、上昇態勢が整うまでは、やはりしばらくの間は新興市場に資金が向かいやすそうか。  さて、後場の日経平均。昨日の米国市場でダウ平均が取引終了にかけて軟調だったことや、今日の午前、ダウ平均先物が昨日のダウ平均終値に比べ500ドル近く安くなったことなどで、今晩の米国市場への警戒感がやや高まりやすい。今晩は、米新規失業保険申請件数や6月の米フィラデルフィア連銀製造業景況指数など株価に影響力のある統計の発表も予定されている。後場の日経平均も戻りの鈍い展開となりそうだ。 《AK》
関連銘柄 14件
1446 東証スタンダード
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時価総額 6,065百万円
建材、家具等のキズ補修サービスを手掛ける。住宅引き渡し前の竣工検査、アフターメンテナンス、店舗・オフィス内装工事等も行う。サカイ引越センターと資本業務提携。自社技術者の採用、協力業者網の拡充に注力。 記:2024/08/09
2267 東証プライム
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時価総額 1,017,037百万円
「Newヤクルト」シリーズなどを展開する乳酸菌飲料メーカー。1935年創業。栄養ドリンクや化粧品、医薬品の製造・販売等も行う。米国など海外にも進出。ヤクルトレディの採用活動推進で宅配組織の強化図る。 記:2024/08/02
4052 東証グロース
493
11/22 15:30
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時価総額 2,887百万円
画像認識ソフトウェアの開発・販売を行う。モビリティ事業が主力。スマートインフラ事業、DX事業までサービス分野拡大。ボッシュと資本業務提携。ボッシュとの提携効果などで受託開発収入は伸びる。先行投資実施。 記:2024/07/01
4483 東証プライム
4,200
11/22 15:30
-46(%)
時価総額 274,470百万円
匿名加工化された疫学データを製薬会社や保険会社などに提供。国内最大規模の遠隔読影プラットフォーム、調剤薬局支援事業等も。オムロン傘下。健康情報プラットフォーム「Pep Up」の発行ID数は拡大続く。 記:2024/06/03
4497 マザーズ
2,710
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時価総額 26,544百万円
チラシ・買物情報サービス「トクバイ」や小売店の混雑状況が確認できる「混雑ランプ」を運営。湖南市とICT活用情報発信で連携。くふうカンパニーとの統合で9月上場廃止、10月持ち株会社へ。21.3期は増収増益。 記:2021/06/24
4575 東証グロース
887
11/22 15:30
+37(%)
時価総額 16,954百万円
抗がん剤の研究開発に特化した創薬バイオベンチャー。静岡県沼津市に本社。免疫着火剤「CBP501」が先行パイプライン。基礎研究、臨床開発の連携サイクルが強み。CBP501は次相臨床試験の準備を進める。 記:2024/08/13
6472 東証プライム
246.8
11/22 15:30
+2.3(%)
時価総額 131,412百万円
大手ベアリングメーカー。1918年創業。ハブベアリング、ドライブシャフトで世界シェアトップクラス。ロボット用モジュール等も手掛ける。27.3期売上高8300億円目標。アフターマーケットビジネスの拡大図る。 記:2024/06/29
7545 東証プライム
2,262
11/22 15:30
+136(%)
時価総額 157,410百万円
ベビー用品や子供衣料、マタニティグッズ、育児用品等の専門店を全国展開。出店はロードサイド中心。低価格PB商品の開発に注力。1120店舗展開。オンラインストアは売上堅調。海外向け卸売も拡大。IT化で効率化。 記:2024/10/04
7689 東証グロース
575
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+8(%)
時価総額 1,704百万円
生活用品などをTV通販番組、店頭で実演販売。インターネット通販、実演販売士の派遣、実演販売専門店「デモカウ」の運営等も。実演販売士の育成システムが強み。ラジオ媒体における商品販売の強化などに取り組む。 記:2024/08/06
7744 東証プライム
4,345
11/22 15:30
+50(%)
時価総額 157,250百万円
マーキングペン先及びコスメ用ペン先の製造・販売等を行うテイボー、DJ機器や音響機器等を手掛けるAlphaThetaなどを傘下に収める持株会社。配当性向40%以上目標。筆記事業では新興国等の販路拡大図る。 記:2024/10/08
7974 東証プライム
8,166
11/22 15:30
-37(%)
時価総額 10,605,103百万円
世界的ゲームメーカー。コンソールゲーム機を展開するグローバル3強の一角。資産の多くをドル建てで保有。海外売上高比率は7割超。新規タイトル、追加コンテンツの継続投入でプラットフォームの活性化を図る。 記:2024/07/28
8157 東証プライム
2,428
11/22 15:30
+18(%)
時価総額 48,992百万円
情報ネットワークソリューションサービス事業を展開。1932年創業。情報・通信機器の販売、システム開発、クラウドサービスの提供等を行う。配当性向40%目安。セキュリティ、クラウドサービス等が成長領域。 記:2024/08/30
9021 東証プライム
2,795.5
11/22 15:30
+29(%)
時価総額 1,364,212百万円
大手鉄道会社。近畿、北陸、中国、九州北部が鉄道営業エリア。山陽新幹線、北陸新幹線などを運行。流通業、不動産業、旅行・地域ソリューション業も展開。高付加価値の不動産アセット拡充など不動産事業の拡大図る。 記:2024/08/01
9104 東証プライム
5,430
11/22 15:30
-9(%)
時価総額 1,968,668百万円
海運国内2位。1884年創業。三井グループ。ドライバルク事業、エネルギー事業、製品輸送事業が柱。LNG船の所有・管理・運航で世界シェアトップクラス。配当性向30%目安。非海運事業のアセット積み増し図る。 記:2024/07/29