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【中国の視点】都市競争力:住宅価格の高騰で弱まる、企業の大都会離れは加速

2016/5/31 8:00 FISCO
*08:00JST 【中国の視点】都市競争力:住宅価格の高騰で弱まる、企業の大都会離れは加速 中国における住宅価格の高騰を受け、企業の大都会離れが加速している。最近では、通信機器メーカー大手の華為技術(ファーウェイ)が本社を広東省の深セン市からの移転を計画しているとの報道がネット上で物議を醸している。 これに対し、ファーウェイの広報部は、本社を深セン市から移転する計画は一度もないと発言した。同社は10数年前から中国全国のほか、世界各地で支社あるいは研究機関を設置していると指摘し、一部事業所の調整が企業を運営する上で正常な動きだと強調した。 ただ、中国のエコノミストは、ファーウェイの大部分の事業活動がすでに住宅価格が比較的安い東カン市に移転していると指摘。また、この流れはこれからも加速するとの見方を示した。ファーウェイが著名な企業であるため、事務所の移転がニュースになっているものの、多くの中小企業はすでに深セン市から離れていると強調した。 また、ファーウェイの任正非社長も、高い住宅コストが都市の競争力を弱めると指摘。高速鉄道やインターネット、高速道路の普及を受け、企業がコストの高い大都市にとどまる理由がなくなるとの見方を示した。コストの高い大都市に留まれば、企業だけでなく、従業員も高い住宅価格を負担しなければいけないと指摘し、これが世界における中国企業の競争力を低下させると強調した。 なお、深セン市の平均住宅価格は今年3月、1平方メートル当たり4万9989元(約85万円)まで上昇し、前年同月比で62.5%上昇した。世界の中で最も高い都市のひとつになっている。 《ZN》