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【アプリ限定】MITリチャード・レスター教授への製造業インタビュー(飯村真由)

2015/3/9 20:45 FISCO
*20:45JST 【アプリ限定】MITリチャード・レスター教授への製造業インタビュー(飯村真由) みなさん、こんにちは♪フィスコリサーチレポーターの飯村真由です。 3月9日発売号の経済誌「プレジデント」P14、私がマサチューセッツ工科大学の原子科学・工学部長であるリチャード・レスター教授に“エネルギー政策”についてインタビューを行ったスクープ記事が掲載されています。 もう読んでいただけたでしょうか? レスター教授は“製造業のイノベーション”の専門家でもあります。 今回はFISCOアプリ特別企画として、誌面に載せきれなかった製造業についてお聞きした内容を一部ご紹介したいと思います♪ ◇米国の製造業の現状と課題について教えてください。 「米国経済はかなり高い成長率で回復しており、加速しているようにも見受けられます。輸出先として大切な相手国であった中国の経済成長は鈍化しつつありますが、インドなど経済が伸びている新たな国の台頭により十分カバーできている状況です。また、天然ガスや石油価格の下落は重機メーカーなどに大きなプラスの影響を与えていますし、ITの影響力、コンピューターの力が広く経済に浸透していることで生産活動をより豊かにしています。企業の生産性についてはかなり強く推移しており、1年前よりもはるかに楽観視できているのですが、賃金の上昇にはつながっていないということが大きな課題といえるでしょう。従来の経済学では生産性が上がればおのずと賃金の上昇につながると考えられていたのですが」 ◇日本では円安の影響もありトヨタ<7203>が好調ですが、ソニー<6758>は大苦戦しています。日本を代表するこの2社の対比についてどのように思われますか? 「非常に面白い視点ですね。トヨタについては私自身も投資をしております。よって少し偏った見方になっているかもしれませんが、トヨタへの関心は25年前と変わりません。新しいスター企業によってその座を奪われてしまうことがよくあるなかで、何十年もの間、同じレベルで競争力を高めていくということは大変難しいことです。今までやってきたことを今後も継続していくことができれば非常に長い間成功し続けることができると思います。ソニーについては、どうしてあんなにキラキラと輝いていた企業が失墜してしまったのか、むしろ教えていただきたいですね。20年前に米国の家電メーカー、コンピューターメーカーは日本と競合できないだろうと言われていました。自動車もそうだろうと言われていたわけですが、家電メーカーについては読み間違っていたと思います。ソニーとアップルを比べると栄枯盛衰、20年前とは全く逆方向にベクトルが向かっているというのは興味深いところです」 ~インタビューを終えて~ 6日に発表された米2月雇用統計(非農業部門雇用者数:前月比+29.5万人、失業率:5.5%)の結果を見ても雇用は順調に回復していますが、平均時給の伸びはごくわずかと停滞しています。18日のFOMC声明文で「忍耐強く」の文言が削除され、6月のFOMCで利上げ開始となる可能性が高まってきていますが、今後“賃金の上昇”という残された課題を米国がどうクリアしていくのか私も注目しています。 ソニーの失墜はレスター教授にとって大変ショッキングな出来事であったようです。復活へのヒントを見出すことは専門家でも難しい様子でした。一方、トヨタへの評価は非常に高かったのが印象的で、そのような海外からの評価がトヨタ株の堅調な株価推移を後押ししているのだと感じました。 新興市場においては国内の個人投資家の関心や期待がどの程度向かっているのかが株価を左右するポイントとなりますが、大型株に長期で投資される場合は株価の大きな下支え要因となる海外マネー(外国人投資家の評価)について考えてみるといいと思いますよ。 《MI》