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31日の香港市場概況:ハンセン1.1%安で4日ぶり反落、銀行株高で下値は限定

2022/3/31 18:00 FISCO
*18:00JST 31日の香港市場概況:ハンセン1.1%安で4日ぶり反落、銀行株高で下値は限定 31日の香港市場は、主要66銘柄で構成されるハンセン指数が前日比235.18ポイント(1.06%)安の21996.85ポイント、本土企業株で構成される中国本土株指数(旧H株指数)が83.48ポイント(1.10%)安の7525.89ポイントとそろって4日ぶりに反落した。売買代金は1023億9520万香港ドルに細っている(30日は1553億5920万香港ドル)。 中国景況感の悪化が嫌気される流れ。朝方公表された今年3月の製造業PMI(中国国家統計局などが集計)は49.5となり、市場予想(49.8)や前月実績(50.2)に届かなかった。節目の50を5カ月ぶりに割り込む中、中国景気の鈍化懸念が強まっている。また、ウクライナ情勢の楽観後退や、米国の対中圧力なども投資家心理を重くした。もっとも、下値を叩くような売りはみられない。中国経済対策の期待感が相場を下支えしている。中国人民銀行は30日、金融政策の規模を拡大するなど一段の経済支援をしていく方針を表明した。人民銀は朝方、前日に続き厚めの資金を市中供給している。(亜州リサーチ編集部) 「ニューエコノミー」関連銘柄の下げが目立つ。ハンセン科技(テック)指数は1.4%下落し、他の指数をアンダーパフォームした。個別では、対中圧力が懸念され、インターネット検索中国最大手の百度(バイドゥ:9888/HK、BIDU/NASDAQ)が3.2%安。米証券取引委員会(SEC)は3月30日、「外国企業説明責任法(HFCAA)」に抵触する上場企業の暫定リストに同社など5社を追加した。ほか、オンライン医療の京東健康(JDヘルス・インターナショナル:6618/HK)が4.7%安、中国EMS(電子機器製造受託サービス)の比亜迪電子(BYDエレクトロニック:285/HK)が3.8%安などと値を下げている。 医薬品セクターも安い。薬明生物技術(ウーシー・バイオロジクス:2269/HK)が6.0%、康希諾生物(カンシノ・バイオロジクス:6185/HK)が5.6%、石薬集団(CSPCファーマシューティカル・グループ:1093/HK)が4.9%、百済神州(ベイジーン:6160/HK)が3.3%ずつ下落した。 中国不動産セクターもさえない。合景泰富地産HD(1813/HK)が8.5%安、融創中国HD(1918/HK)が5.2%安、世茂集団HD(813/HK)が2.2%安、中国海外発展(688/HK)が1.9%安で引けた。中国海外発展が昼に公表した通年決算では、9%減益が報告されている。 半面、中国銀行セクターはしっかり。交通銀行(3328/HK)が2.4%、中国建設銀行(939/HK)と中国郵政貯蓄銀行(1658/HK)がそろって1.6%、中国工商銀行(1398/HK)が1.1%ずつ上昇した。業績改善が好感されている。工商銀や郵貯銀などが公表した通期決算は増益で、配当の増額も予定された。 ほか、業績動向を手がかりにした動きでは、中国政府系インベストメント会社の中国中信(CITICリミテッド:267/HK)が2.4%高。昼に公表した同社の決算は24%増益となり、配当の増額も予定された。同様に、増益決算と配当増額を明らかにした船舶・コンテナリース大手の中遠海運発展(2866/HK)が16.1%上昇した。 一方、本土市場は反落。主要指標の上海総合指数は、前日比0.44%安の3252.20ポイントで取引を終了した。ITハイテク株が安い。非鉄株、自動車株、運輸株、医薬品株、食品飲料株、軍事関連株なども売られた。半面、不動産株は高い。銀行・保険株、エネルギー株、メディア関連株も買われた。 亜州リサーチ(株) 《FA》