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20日の香港市場概況:ハンセン0.5%安で4日ぶり反落、科技指数は1.3%上昇

2021/5/20 18:00 FISCO
*18:00JST 20日の香港市場概況:ハンセン0.5%安で4日ぶり反落、科技指数は1.3%上昇 休場明け20日の香港市場は、主要55銘柄で構成されるハンセン指数が前営業日比143.52ポイント(0.50%)安の28450.29ポイント、本土企業株で構成される中国本土株指数(旧H株指数)が11.50ポイント(0.11%)安の10642.80ポイントとそろって4日ぶりに反落した。売買代金は1687億9300万香港ドルに拡大している(休場前の18日は1305億3500万香港ドル)。 原油や金属の市況安が相場の逆風。昨夜のWTI原油先物は3.3%安と大幅続落し、ロンドン金属取引所(LME)では銅やアルミなど主要産品の先物が軒並み下落した。この日の上海期貨交易所(上海商品先物取引所)でも、非鉄や鉄筋など主要商品の先物価格が安く推移している。李克強・首相が19日、コモディティ価格の安定化方針を示したことも市況安につながった。米金融緩和の縮小懸念もくすぶる。米連邦準備制度理事会(FRB)が19日公開した米連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨(4月開催分)では、複数のメンバーがテーパリング(量的緩和の縮小)を議論する可能性を示唆していることが分かった。なお、中国人民銀行(中央銀行)が朝方公表した事実上の貸出基準金利「ローンプライムレート(LPR)」に関しては、予想通り13カ月連続で据え置かれた。(亜州リサーチ編集部) ハンセン指数の構成銘柄では、通信キャリア大手の中国聯通(チャイナ・ユニコム:762/HK)が4.7%安、石油グループ大手の中国石油天然気(ペトロチャイナ:857/HK)が4.6%安、域内大手行の中銀香港(2388/HK)が4.4%安と下げが目立った。 セクター別では、石油や石炭のエネルギー関連が安い。上記したペトロチャイナのほか、中国石油化工(サイノペック:386/HK)と中国海洋石油(CNOOC:883/HK)がそろって3.5%、中海油田服務(2883/HK)が6.5%、中国中煤能源(1898/HK)が9.3%、エン州煤業(1171/HK)が8.2%、中国神華能源(1088/HK)が4.9%ずつ下落した。 非鉄・鉄鋼セクターも急落。新疆新キン鉱業(3833/HK)が7.8%安、江西銅業(358/HK)が7.0%安、中国アルミ(チャルコ:2600/HK)が6.7%安、洛陽モリブデン集団(3993/HK)が4.5%安、馬鞍山鋼鉄(323/HK)が11.2%安、重慶鋼鉄(1053/HK)が11.1%安、鞍鋼(347/HK)が9.1%安、中国東方集団HD(581/HK)が7.0%安と値を下げている。 海運セクターもさえない。東方海外(316/HK)が14.8%安、中遠海運HD(1919/HK)が8.3%安、海豊国際HD(SITCインターナショナル・ホールディングス:1308/HK)が6.9%安、中遠海運能源運輸(1138/HK)が3.2%安、太平洋航運集団(2343/HK)が2.9%安で取引を終えた。 半面、自動車セクターは高い。長城汽車(2333/HK)が7.4%、比亜迪(BYD:1211/HK)が6.3%、吉利汽車HD(175/HK)が4.3%、北京汽車(1958/HK)が2.5%、東風汽車集団(489/HK)が2.2%、広州汽車集団(2238/HK)が1.5%ずつ上昇した。 このほか、決算動向を手がかりにした物色もみられる。Eコマースの京東集団(JDドットコム:9618/HK)が3.7%高と続伸。同社が報告した1〜3月期決算は、利益が3倍強に膨らんだ。オンラインゲームの網易(ネットイース:9999/HK)は8.2%高。同社の四半期決算は25%増益となり、ゲーム収入が過去最高を記録した。2銘柄以外にも「ニューエコノミー」関連が物色され、ハンセン科技指数は1.3%高と3日続伸している。 一方、本土市場は続落。主要指標の上海総合指数は、前日比0.11%安の3506.94ポイントで取引を終了した。資源・素材株が下げを主導する。半導体株、海運株、自動車株、不動産株なども売られている。半面、金融株は高い。空運株、食品飲料株、医薬品株の一角も買われた。 亜州リサーチ(株) 《FA》