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三井松島HD Research Memo(9):既存事業の成長とM&Aにより収益基盤の強化・拡充を推進

2024/6/14 16:29 FISCO
*16:29JST 三井松島HD Research Memo(9):既存事業の成長とM&Aにより収益基盤の強化・拡充を推進 ■三井松島ホールディングス<1518>の中長期の成長戦略 1. 前中期経営計画の振り返り 前中期経営計画(2020年3月期~2024年3月期)では、祖業である石炭関連事業を継続しながらも、世界規模で環境保全に対する意識が高まっていることや脱炭素社会の本格的な到来が見込まれることを受けて、M&Aによって事業ポートフォリオの組み換えを推進しながら石炭関連事業に依存しない収益基盤の確立と強化に注力してきた。5年間で累計300億円をM&Aに振り向けながら、最終年度である2024年3月期に営業利益55億円(うち、非石炭生産事業の利益47億円)、ROE8%以上、配当性向30%以上の達成を目標としてきた。計画期間内に合計9社のM&Aを実行しながら事業ポートフォリオの組み換えを強力に推進してきた結果、2024年3月期末時点で、M&Aへの累計投資額330億円(想定比110%)、営業利益252億円、非石炭生産事業の利益52億円(達成率111%)、ROE25.4%となり、総じて目標を達成した。なお、配当性向のみ目標を下回ったものの(2024年3月期末時点は8.3%)、同社の株主還元を重視する姿勢に変わりはない。実際、2023年5月には総額30億円を上限として自己株式の取得を決議し、2024年3月に自己株式の取得を計画どおり完了している。また、2025年3月期の一株あたり配当金に関しては、当期純利益が減少するなかにあっても、2024年3月期と同額を予定している。 2. 経営戦略2024(2025年3月期~2027年3月期) 2024年3月期をもって石炭関連事業が終了したことを受け、2025年3月期からは、これまで新たな収益基盤として確立してきた生活関連事業を中心に企業価値の向上を目指す。具体的には、2027年3月期までの3年間を計画期間とし、既存事業の成長とM&Aによって当期純利益で50億円以上を継続的に計上できる収益構造を構築する方針だ。M&Aに関しては、引き続き「安定収益・ニッチ市場・わかりやすい」といった基本方針のもと、いたずらに数を追うことはせず、資本コストと投資リターンを慎重に見極めながら、株主の期待リターンを上回ることができる案件に取り組んでいく。 また、経営戦略2024では、PBR1倍以上、ROE8%以上という目標を対外的に掲げ、資本コストと資本収益性を意識しながら事業活動を遂行していく。既存事業の成長とM&Aによって利益を積み上げていくことはもちろん、資本コストを超える投資案件がない場合には配当や自社株買いなどによって株主還元を拡充する方針だ。2024年3月期末時点のネット現預金216億円(リデル炭鉱終掘に係る資産除去債務等に必要な資金約52億円を控除した金額)をM&Aと株主還元に積極的に振り向けながら、ROEとPBRを高めていく。 (執筆:フィスコ客員アナリスト 清水陽一郎) 《HH》
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日本ストロー、明光商会などを傘下に収める持株会社。1913年創業。24.3期に祖業の石炭生産・販売事業から完全撤退。生活消費財、産業用製品の生活関連事業が柱に。環境対応素材ストローの拡大などに注力。 記:2024/08/10