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きちりHD Research Memo(8):商業施設店舗の出店余地は130施設以上あり売上拡大余地は大きい

2023/9/21 13:18 FISCO
*13:18JST きちりHD Research Memo(8):商業施設店舗の出店余地は130施設以上あり売上拡大余地は大きい ■今後の見通し 2. 今後の成長戦略 (1) 商業施設店舗への出店を継続 今後の成長戦略として、きちりホールディングス<3082>は収益力の高い商業施設店舗であるハンバーグ業態や韓国料理業態の出店を強化していく方針だ。同社が出店する商業施設の条件としては、売上規模が200億円以上あること、施設内にシネコンが入っていること、カラオケなどその他の集客の仕掛けがあること、大規模駐車場(2千台以上)が整備されていること、主要駅隣接施設であることの5つの項目で2つ以上の条件に合致する施設を対象としている。エリアとしては関東、中京、近畿の3エリアを範囲として、同社が試算したところ130施設以上が条件に該当しており、これら既存施設での出店の可能性があるほか、今後開発される新規商業施設もターゲットとなる。 このため商業施設店舗は現状で57店舗だが、中期的には100店舗以上に拡大する可能性が十分に考えられる。1店舗当たりの平均売上高は80~100百万円と見られ、店舗数が今後2倍になれば単純計算で50億円程度の売上規模となり、早晩ディナー業態の売上高を上回り、同社の業績をけん引していくものと予想される。前述したとおりこれら業態は坪当たり売上高でトップクラスの実績を残しており、デベロッパーから見ても魅力的な店舗と映っている。実際に出店要請も多く、施設の新規開発段階で声が掛かるほど太い関係を構築している取引先もある。当面は人気のハンバーグ業態、韓国料理業態の出店拡大が続くと見られるが、その他新規業態の開発にも取り組んでおり、今後の動向が注目される。 (2) フードテック企業としての進化 a) レストランX コロナ禍でライフスタイルが大きく変化するなかで「食」に関しても個食化が進み、外食・中食・小売のボーダレス化が進む状況となっている。こうした環境下で新たな収益機会を求めるべく2020年に新設した子会社のレストランXにて、デリバリーやD2C事業を展開している。「客席のないレストラン」にあるセントラルキッチンを拠点にして、テイクアウト・デリバリー用の様々な業態メニューを開発し、そのなかで利用頻度の高い業態を磨き上げ、売上の獲得につなげている。 2023年5月には新たに接客用端末にChatGPTを実装し、業務効率の向上につながるか実証実験を開始したほか、同年7月には炭火たれ焼き肉丼の専門店「萬牛カルビ」(川崎市中原区)にテイクアウト・デリバリー専門店「客席のないレストラン」を併設したハイブリッド型店舗を新規出店するなど新たな取り組みにチャレンジしている。D2C事業では2020年5月にEC販売を開始した「CHAVATY」が順調に成長しており、今後もEC販売が可能な商品の開発に取り組んでいく。なお、レストランXについては事業規模がまだ小さいことから非連結対象会社となっているが、こうした取り組みが順調に進み、事業規模が一定水準まで拡大すれば連結対象に加わる見通しだ。 b) ApplyNow ApplyNowでは録画型Web選考システム「ApplyNow」に続いて開発したタイパ面接サービス「Interview Cloud」の拡販に注力している。外食業界などアルバイト採用の多い業界では採用募集から面接、採否決定、入社手続きなど一連のプロセスを効率化することが経営課題となっており、同サービスは、こうした課題を解決するソリューションとなる。履歴書の提出から入社書類の提出まですべてオンラインで実現可能となっており、面接はプロの面接官が代行するため、採用担当者の業務負担が軽減するほか、応募から面接までの期間も平均3日と一般的な期間(7日~10日)の半分程度に短縮できる。期間が短いほど採用率も向上する傾向にあるため、採用コストの低減効果も期待できる。 同社ではアルバイト採用の多い外食業界だけでなく、物流やアミューズメント業界をターゲットに顧客開拓を進めており導入件数も徐々に増え始めている。利用料金は1面接当たり980円(税抜)からと競合サービスが2千円以上で提供していることを考えれば、リーズナブルな料金設定になっており、今後の導入件数拡大が期待される。 (3) 地方創生事業を開始 新たな取り組みとして地方創生事業の第1号案件となる「敦賀市ふるさと納税事業支援業務」を受注した(受託期間は2023年4月から3年間)。主に返礼品の企画・開発、発送・清算管理、ポータルサイトの運営・管理、問い合わせの受付代行などふるさと納税に関わる一連の業務を受託する。売上高としては受託額の一定割合を計上することになる。同業務を通じて敦賀市の地域特産品のPR、ブランディングを行い、地域事業者の成長拡大並びに雇用の促進に貢献していくことにしている。 敦賀市のふるさと納税受入額は、2022年度で8,749百万円と全国で10番目の規模を誇り年々増加している。返礼品としてはエビやカニなど食料品の人気が高く、同社は過去に培ってきた商品開発力やプロデュース力を生かしてこれら返礼品の企画・開発を行っていくほか、発送・清算管理業務や受付代行業務などはPFS事業のノウハウを活用していく。両方のノウハウを持っている企業は少なく、特に商品開発力やプロデュース力の実績が高く評価され、今回の受注につながったと見られる。これらはほかの事業者との差別化要因となるだけに、同案件で手応えを得られればその他の自治体へと横展開していく考えだ。業績面では長期的にプラスに貢献するものと予想される。 (執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲) 《YI》
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「Casual Dining KICHIRI」や「いしがまやハンバーグ」、「VEGEGO」等の業態を展開する飲食事業が主力。プラットフォームシェアリング事業等も。業態開発力が強み。多様な業態開発を進める。 記:2024/10/11