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三和HD Research Memo(1):高機能開口部のグローバルリーダーを目指し、中期経営計画2024も順調に推移

2023/7/3 13:01 FISCO
*13:01JST 三和HD Research Memo(1):高機能開口部のグローバルリーダーを目指し、中期経営計画2024も順調に推移 ■要約 1. シャッター、ドアのトップメーカーで、海外展開も積極的 三和ホールディングス<5929>は、東京証券取引所プライム市場に上場し、傘下に12,000人超のグループ従業員数、100社超の連結子会社を有して、シャッター、ドアの分野でグローバルに事業展開している。日本では、鋼製シャッター、スチールドアなどで市場シェアトップを誇る。早くから海外進出を果たし、欧米ではM&Aを活用して業容を拡大してきたが、アジアでも事業基盤の確立による収益貢献の拡大を急ぐ。現在では世界27の国と地域で事業展開し、海外事業はグループ業績に大きく貢献している。 2. 2023年3月期決算は、修正予想を上回り、過去最高を記録 同社の2023年3月期決算は、売上高588,159百万円(前期比25.4%増)、営業利益56,307百万円(同58.7%増)の大幅な増収増益決算となった。売上高・利益ともに修正予想を上回り、過去最高を記録した。売上高は、米国を中心に売価転嫁が浸透したことに加えて、全セクターで数量増となり、大幅増収となった。営業利益では、主材料に加え、各種部材、エネルギー等の価格上昇分に対応した売価転嫁が広く浸透し、数量効果や為替影響もあって、大幅増益となった。セクター別の営業利益を見ると、日本では、シャッターやドア等の基幹商品およびメンテ・サービスが堅調に推移し、鋼材価格や各種部材等の価格上昇分の売価転嫁に注力したことにより増益を確保した。米州では、サプライチェーン問題の改善による数量増と原材料価格上昇分の売価転嫁が広く浸透したことにより大幅増益となり、利益水準は日本を上回った。欧州では、市況の悪化により厳しい受注環境となったが、原材料価格やエネルギーコスト上昇分の売価転嫁と数量増により増益を確保した。アジアでは、新型コロナウイルス感染症拡大(以下、コロナ禍)により上海でのロックダウンがあったが、香港や台湾が順調に推移したことで、利益額はまだ小さいものの大幅増益となった。以上から、自己資本比率は54.4%、ROEは15.0%と、2022年3月期の東証1部上場の全産業平均を大きく上回る高い安全性と収益性を確保した。また、2023年3月期より、配当性向の目安を従来の35.0%から40.0%に引き上げたことから、年間配当金を58.0円(同22.0円増)と大幅な増配を実施して、株主・投資家重視の経営姿勢を示した。 3. 2024年3月期は、減益予想ながら中計目標を超える利益を見込む 2024年3月期については、売上高580,000百万円(前期比1.4%減)、営業利益47,500百万円(同15.6%減)と、減収減益を予想する。売上高では、米州での売価軟化に伴う減収を見込むものの、日本、欧州、アジアの増収によって、前期比で概ね横ばいを維持する。また、営業利益では、原材料価格は米州を中心に下落するものの、それを上回る販売価格の下落などによって減益を予想する。それでも、営業利益は推進中の中期経営計画最終年度の目標を上回る水準だ。例年、期初の業績予想は保守的であり、最終的には予想を上回って着地する可能性が高いと見られる。セクター別営業利益では、日本は、コストアップが継続するが、売価転嫁に取り組み、堅実な増益を予想する。米州は、数量増を見込むが、売価軟化の可能性を織り込み大幅減益を見込む。欧州では、コストアップが大きいものの売価転嫁により増益を予想する。アジアは、新規連結の効果もあり、最も高い増益率を見込む。以上のとおり減益予想ながら、年間配当金については前期と同額の58.0円を予定し、安定配当を維持する方針だ。また、成長のために必要な戦略投資を行い、手元資金を考慮しつつ自社株取得を検討するスタンスに変わりはない。 4. 「中期経営計画2024」も順調に進捗 2023年3月期から取り組んでいる長期ビジョン「三和グローバルビジョン2030」では、“高機能開口部のグローバルリーダーへ”を掲げ、「中期経営計画2024」(2023年3月期~2025年3月期)では、(1) 日・米・欧のコア事業(シャッター・ドア、サービス)の強化、領域拡大、(2) アジア事業の成長力強化、(3) 防災・環境対応製品の拡充と製品・サービスのスマート化推進、(4) デジタル化とものづくり革新による生産性向上、(5) サステナビリティ経営の推進、などを基本戦略とする。数値目標としては売上高5,800億円(年平均成長率7.3%)、営業利益450億円(同8.2%)、ROE13.5%(+1.5pt)など、主要指標は過去最高の更新を目指す意欲的な計画である。業績は2023年3月期実績、2024年3月期予想ともに最終年度の目標利益を上回る順調な推移である。計画達成に向けて、今後の基本戦略と数値目標の進捗状況に注目したい。 ■Key Points ・シャッター、ドアのトップメーカーで、早くから海外展開にも積極的 ・2023年3月期決算は、増収増益で過去最高を記録。グループ中核の日本が増益を確保し、海外も米州を中心に大幅増益に。高い安全性と収益性を維持。配当性向の目安を40.0%に引き上げ、年間58.0円への大幅増配を実施し、株主・投資家重視の姿勢を示す ・2024年3月期は、減益を予想するものの、中計目標を超える利益を見込む。日本では堅実な増益を予想するが、米州の大幅減益が響く。前期と同額の年間58.0円の配当を予定 ・長期ビジョンと中期経営計画2024を推進中。5つの基本戦略の推進により、過去最高を更新する意欲的な数値目標の達成を目指す。1年目、2年目ともに目標利益を上回る順調な推移 (執筆:フィスコ客員アナリスト 国重 希) 《SI》
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時価総額 653,037百万円
国内最大のシャッター・ドアメーカー。軽量シャッターやガレージドアに強み。M&Aで欧米拡大。24.3期3Q累計は再開発案件や工場建設を追い風に国内が好調。米国の採算改善も利益に効く。通期連続最高業績を計画。 記:2024/03/09