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ベネ・ワン Research Memo(6):会員数拡大とペイメント事業の育成に引き続き注力(1)

2023/6/16 12:06 FISCO
*12:06JST ベネ・ワン Research Memo(6):会員数拡大とペイメント事業の育成に引き続き注力(1) ■中長期の成長戦略 ベネフィット・ワン<2412>は2021年5月に策定した中期経営計画において、従業員会員数の拡大と決済事業の収益化に注力してきたが、2023年5月に新中期経営計画を発表した。2024年3月期~2026年3月期の3ヶ年計画である。長期間にわたるコロナ禍による規制緩和が進み、社会全般で企業活動や個人消費の回復が見られ、こうした事業環境の変化や事業進捗状況等を勘案した計画となっている。コロナ禍が経済・社会活動に与えた影響が想定以上に長引いたことにより、前中期経営計画における2023年3月期の進捗率は売上高で70%、営業利益は50%と遅れたものの、KPIは着実に進捗し、一定の成果があると同社は見ている。これを受けて、新中期経営計画においても目指す世界観や方向性は変えずに、2026年3月期に売上高70,900百万円、営業利益22,500百万円、営業利益率31.7%を目指す。具体的には、「福利厚生会員の拡大・利用促進(従業員会員数1,800万人、年間利用率50%)」「決済事業の収益化(年間利用額800億円、年間売上高12億円)」「ヘルスケアサービスの拡大(健診受診者数153万件、特定保健指導初回面談回数38万件)」を主要テーマとして掲げ、業績目標を達成する構えだ。 同社が今後も「ベネワン・プラットフォーム」の魅力向上を計画していること、決済事業の手数料収入を原資として将来的な会費の引き下げを検討していること、プラットフォームビジネスは勝者総取りの傾向があることなどを考えると、今後も同社サービスの利用者は加速度的に増加すると弊社は考えている。 そして長期的には、会員数の拡大、収益構造の多様化とそれによるさらなる会員数の拡大、「ベネワン・プラットフォーム」上に蓄積された人事関連のビッグデータの活用による顧客支援によって、日本で唯一のBtoEプラットフォーマー「HRDXのリーディングカンパニー」を目指すとしている。 1. 福利厚生会員の拡大と利用促進 会員数の拡大に向けて、従来よりシステムの効率性・利便性を高めることを中心とした取り組みを進めてきた。2020年6月に「ベネワン・プラットフォーム」をリリースし、従来個別に提供されてきたサービスをワンストップで提供できる体制の構築に注力している。JTBベネフィットとの統合効果もあり、2023年3月末時点の総会員数は1,160万人(個人会員を含む)まで拡大した。 新中期経営計画では、人手不足、同一労働同一賃金、ESG経営、人的資本経営といった事業環境の変化を追い風に、新規顧客の獲得と既存顧客へのアップセルに注力する方針だ。新規顧客の獲得については1,000名以上の大企業、1,000名未満の中堅中小企業の市場セグメントごとに戦略的にアプローチする。大企業は非正規社員の割合が高く、労働集約的であるサービス業と福利厚生サービスを内製化している企業をターゲットとする。労働集約型企業においては、経済・社会活動が再開するにつれ人手不足は顕在化しており、福利厚生サービスの導入が人材確保にプラスに作用すると見ているためだ。既存顧客に対しては、政府主導により非正規社員への福利厚生サービスの導入が急務とされていることを追い風に、非正規社員の加入を促しアップセルに注力する方針だ。 目標とする会員数は、大企業の会員数を2026年4月に785万人(2023年4月時点で421万人)、中堅中小企業の会員数を563万人(同264万人)、既存企業へのアップセルに関しては123万人としている。大企業、中堅中小企業、既存顧客のアップセル会員に公務団体の329万人を加えて、2026年4月には従業員会員数1,800万人を目指す。その足掛りとして「ベネワン・プラットフォーム」において「タレントマネジメント」「ストレスチェック」「ポイント管理基盤」などのサービスを無料で提供するほか、引き続き大規模プロモーションを実行し、企業担当者と連携した利用促進やUI/UXの改善による利用促進を推進していく。 2. 決済事業の収益化 2021年6月にリリースした「給トク払い」を新たな収益源とすることに引き続き注力していく。電気、ガスなどのサービスを提供するサプライヤー※にとってはベネワン・プラットフォームを介すことで大口顧客を容易に獲得できる。顧客企業の従業員にとっては、職域価格にてサービスを受けることができる。これにより、顧客企業は従業員満足度の向上も期待できるという三方にメリットがある。こうしたメリットを訴求しながら「給トク払い」の認知度を高めていくとともに、コンテンツの質と量の拡充によって、会員基盤の拡大を図る。 ※サプライヤー:ここでは福利厚生サービスやヘルスケアサービスなど、ベネワン・プラットフォーム上で利用可能な様々なサービスを提供する企業のことを指す。 これまでも、人気コンテンツとして電気・ガスなどの生活インフラ関連に加えて定期購買のウォーターサーバーサービス、U-NEXT、電子書籍、フィットネス、学習塾などのサービスをラインナップのほか、Amazonギフト券やガソリンカード等の取り扱いもある。また、2023年3月には給与天引きによる、バーコード決済に代表される電子決済が可能なスマートフォンアプリへのチャージを可能にする「ペイメントGateway構想」の第1号としてau PAYギフトカードを追加するなど、コンテンツを継続的に拡充している。今後はNetflixとの提携も予定されている。今後もガス、携帯電話、賃貸といった生活インフラ関連の月額課金型サービス等、日常的に利用されるメニューを中心に給与天引き対象として順次開発する方針である。 (執筆:フィスコ客員アナリスト 清水陽一郎) 《SI》
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福利厚生代行サービスが柱。健診・保健指導代行や購買・清算代行も。会員数は961万人。ヘルスケアサービスの拡大図る。取引増で、24.3期3Qはヘルスケア(健診・指導等)が堅調。第一生命HDがTOB実施。 記:2024/03/04