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ウイングアーク Research Memo(1):「企業のDXを推し進めるデータプラットフォームの実現」を目指す

2023/5/25 16:11 FISCO
*16:11JST ウイングアーク Research Memo(1):「企業のDXを推し進めるデータプラットフォームの実現」を目指す ■要約 ウイングアーク1st<4432>は企業向けにソフトウェア及びクラウドサービスを提供している。企業の基幹業務を支える帳票・文書管理ソリューションとデータから価値を生み出すデータエンパワーメントソリューションを手掛ける。2013年9月にMBOにより上場廃止となるも、競争優位性を維持し、将来にわたって安定的かつ持続的に企業価値を向上させるというMBOの目的を達成したと判断し、2021年3月に東証1部に再上場し、2022年4月に東証プライム市場に移行した。 1. 2023年2月期の業績概要 2023年2月期の連結業績は、売上収益は前期比12.7%増の22,349百万円、営業利益は事業強化のための戦略投資1,717百万円(期初計画1,800百万円に対する実際の進捗率は95.4%)を実行した影響により、同0.7%減の5,945百万円、非経営的な費用項目の影響を除いた利益指標である調整後EBITDAは同2.1%減の7,163百万円となり、2022年4月に発表した期初時点での会社計画(売上収益21,000百万円、営業利益4,750百万円、調整後EBITDA6,000百万円)、2023年1月の第3四半期決算発表時に上方修正された会社計画(売上収益22,000百万円、営業利益5,650百万円、調整後EBITDA6,900百万円)を上回った。帳票・文書管理ソリューションとデータエンパワーメントソリューションがともに堅調に推移したことが大きい。帳票・文書管理ソリューションの売上収益は同16.3%増の14,354百万円、データエンパワーメントソリューションの売上収益は同6.7%増の7,994百万円となった。 2. 2024年2月期の業績見通し 2024年2月期の会社計画は、売上収益は前期比6.5%増の23,800百万円、営業利益は同6.8%増の6,350百万円、EBITDAは同6.1%増の7,600百万円の見通しである。なお、同社ではこれまで経営指標として調整後EBITDA、調整後当期利益を用いて実態を説明してきたが、現在は調整する費用がほとんどなくなったために、2024年2月期からは調整後指標を用いずにEBITDA、親会社の所有者に帰属する当期利益を使用することとしている。帳票・文書管理ソリューションは、電子帳簿保存法やインボイス制度等への対応を軸に「invoiceAgent」の強化・拡販を見込んでいる。データエンパワーメントソリューションは、クラウドベースでの業種・業務ソリューション及び大企業のデータ活用支援サービスである「Dataring」に注力し、顧客の獲得が進むと思われる。事業別では帳票・文書管理ソリューションの売上収益は同6.9%増の15,343百万円、データエンパワーメントソリューションの売上収益は同5.8%増の8,457百万円と両事業ともに安定した成長が続くと見込んでいる。同社では2024年2月期の業績予想は市場に対する最低限のコミットメントであるとしており、旺盛な基幹システム需要や法制度対応など需要面への強い追い風を背景として、期初計画をしっかり達成したい考えである。 3. 中長期の成長戦略 同社は2022年1月に5ヶ年の「中期経営方針(2023年2月期~2027年2月期)」を発表した。「企業のDXを推し進めるデータプラットフォームの実現」を柱に据え、主にクラウドビジネスでの大きな成長を目指す計画である。このプラットフォームをベースに、帳票・文書管理ソリューションはデータを流通させ、企業間取引の変革を実現する「企業間DX」、データエンパワーメントソリューションはデータから価値を引き出し、生産性の向上や新しいビジネスの創出に資する「企業内DX」に取り組む方針である。当該期間中に同社が達成を目指す目標は、「クラウド成長率40%(2022年2月期~2027年2月期平均)」「リカーリング比率75%(2027年2月期)」「クラウド比率40%(2027年2月期)」「調整後EBITDA120億円(2027年2月期)」としている。「中期経営方針」初年度の2023年2月期はクラウド成長率が20.3%、リカーリング比率が60.2%、EBITDAが71.6億円であった。2024年2月期においてはクラウド成長率24.4%、リカーリング比率63.5%、EBITDA76.0億円を計画しており、最終年度に向かって着実に実績を積み上げていく計画である。 ■Key Points ・2023年2月期は前期比12.7%増収・2.1%減益(調整後EBITDA)、各ソリューションが堅調に推移。期初計画、第3四半期発表時の修正後計画をともに上回った ・2024年2月期は増収増益を予想。「invoiceAgent」を始めとした新製品の販売増加が期待できる ・ 2022年1月に「中期経営方針」を発表、「企業のDXを推し進めるデータプラットフォームの実現」を柱に、クラウドビジネスでの大きな成長を目指す方針 (執筆:フィスコ客員アナリスト 永岡宏樹) 《YI》
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帳票・文書管理ソフトが柱。経営判断支援ツールも。クラウドサービスを強化。旺盛なDX需要を追い風にライセンス販売やクラウド売上が拡大。システム開発会社を買収。自治体向け強化へ。総還元性向5割目安。 記:2024/08/13