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ダイナムジャパンHD Research Memo(11):スマート遊技機の積極導入により競争優位性を確保

2023/1/12 16:11 FISCO
*16:11JST ダイナムジャパンHD Research Memo(11):スマート遊技機の積極導入により競争優位性を確保 ■今後の成長戦略 2. 成長戦略 ダイナムジャパンホールディングス<06889/HK>はパチンコ事業における成長戦略として、「多店舗展開」「低貸玉営業」「商品開発」「データドリブン」「コストマネジメント」の5つをテーマに今後も取り組む方針だ。 (1) 多店舗展開 コロナ禍の影響が長引きパチンコホールの淘汰が進むなか、同社も当面は既存店舗の収益力回復を最優先に取り組む方針であり、その後に建築コストなどの状況も見ながら出店を拡大する方針となっている。M&Aについては条件の良い案件であれば前向きに検討していく。対象物件については遊技機の設置台数で400~500台と中規模クラスの店舗であること、近隣にグループ店舗がなくカニバリゼーション(来店客の食い合い)が生じないことなどが条件となる。 また、スマート遊技機の登場によって、新しい店舗レイアウトの開発も進むものと予想される。前述したようにスマート遊技機では補給装置等が不要なため、横並びに遊技機が配置された画一的なレイアウトに自由度が生まれ、娯楽性を高めた店舗づくりが可能となるためだ。同社はパチンコを“日常の娯楽”としてのインフラに変革することをビジョンとして掲げており、その実現に向けた足がかりとなる可能性がある。さらには、設置スペースが少なくて済み、店舗スタッフも最小限に抑えることが可能な利点を生かして、小商圏への出店やビル内でスマート遊技機専用の小型店舗を出店するといった展開も今後は考えられる。 (2) 低貸玉営業 店舗の新規出店については低貸玉営業を基本に進めていく。地域のインフラとして、パチンコ・パチスロを誰もが気軽に楽しめる日常の娯楽にすることをビジョンとして掲げており、このビジョンを達成するためには低貸玉営業店舗を増やしていくことが理に適っているためだ。低貸玉営業に注力することの優位性としては、客層が幅広くなるため小商圏への出店が可能なことなどが挙げられる。 (3) 商品開発 PB機の商品開発を今後も強化していく。顧客ニーズにマッチした商品を開発・導入していくことによりコストマネジメントが図れることに加え、競合店との差別化を図るという点においても重要な戦略と位置付けている。 (4) データドリブン 店舗運営においてビッグデータを活用した取り組みを推進していく。具体的には遊技データや顧客データを基に顧客ニーズを分析し、各地域や店舗に最適な遊技機の品揃えや販促施策を実施することで稼働率を高めていく。 (5) コストマネジメント 店舗オペレーションの標準化と効率化に継続的に取り組み、全店舗で有用な情報を共有化していくことで、店舗の収益力を強化していく。 弊社では、スマート遊技機の導入やコロナ禍を契機に、パチンコホール市場は大手企業による集約化が一段と進むものと予想しており、そのなかで低貸玉営業によって幅広い顧客層を持ち、ローコストオペレーションを確立している同社にとっては、シェア拡大によって再成長を図る好機になると予想している。現在グループ店舗数で業界トップとなっているものの市場シェアは5%程度にしか過ぎず、シェア拡大による成長余地は大きいと言える。 (執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲) 《NS》