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藤商事 Research Memo(6):ホール軒数の減少傾向が続くも、スマート遊技機導入による市場活性化に期待
2022/12/20 16:06
FISCO
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*16:06JST 藤商事 Research Memo(6):ホール軒数の減少傾向が続くも、スマート遊技機導入による市場活性化に期待 ■藤商事<
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>の今後の見通し 1. 業界動向と市場シェア (1) 業界動向 レジャーの多様化や規制強化など環境変化を背景に、パチンコホール業界はここ数年、縮小傾向が続いてきた。特に2020年はコロナ禍で、感染防止対策として一時休業を強いられたこともあり、市場規模(貸玉料)は前年比27.0%減の14.6兆円と大きく落ち込んだ。2021年は営業日数が回復したことで前年比横ばい水準と下げ止まった格好となっているが、パチンコホールの経営状況は厳しいままで、2021末時点のホール軒数は8,458軒(前年末比6.4%減)と減少傾向が続いた。業界団体である全日本遊技事業協同組合連合会のデータでは7,637店舗となっており、1年間で637店舗が閉店しており、2022年に入っても経営体力のない中小事業者の淘汰が進み、10月末時点では6,925店舗と7千店舗を割り込む水準となっている。ホール軒数の減少に伴い、遊技機の設置台数について見ても、2021年末時点でパチンコ遊技機が233万台(前年比3.9%減)、パチスロ遊技機が147万台(同6.2%減)と減少傾向となっており、市場の縮小が進むなかで遊技機メーカーの競争もさらに激しくなっている状況にある。 2022年度の遊技機の出荷台数について、同社ではパチンコ遊技機が100万台(前年度比11.6%減)、パチスロ遊技機が60万台(同10.8%減)といずれも減少に転じる見通しを示している。これはパチンコホールにおいて旧規則機から新規則機への入替を2022年1月までに実施したことによる特需の反動が2022年度は出ると見ているためだ。また、半導体等の部材不足が続いていることも一因と見られる。 (2) スマート遊技機(スマートパチンコ/スマートパチスロ)について こうした状況のなか、業界の再活性化の起爆剤になるものとして注目されているのが、次世代遊技機となるスマートパチンコ/スマートパチスロだ。従来の遊技機との大きな違いは、スマートパチンコは玉が封入され循環式となったこと、また、スマートパチンコ/スマートパチスロともに遊技に必要な物理的な玉やメダルは使用せず電子情報を元に遊技ができるため、玉やメダルに触れることがなくなり感染防止対策になるほかプレイがしやすくなり、不正防止対策にもなるなどメリットが多い。これにより客足の戻りが鈍かったシニア層の回復が期待される。 また、ホール運営側は初期導入コストが掛かるものの(1台ごとに専用ユニットが必要)、出玉やメダルの持ち運びや計数管理など店舗スタッフの業務が減少することで人件費の抑制につながり、また補給装置が不要となるため省スペース化が図れるほか、店舗レイアウトも自由度が増すといったメリットがある。このため、スマート遊技機の集客力が高いことが確認されれば、スマート遊技機専門店舗が出てくる可能性もある。 メーカー側にとっては、スマート遊技機で魅力的な新機種を開発しシェアを拡大できる好機となる。今回のスマート遊技機の導入にあたって、ゲーム性が高く集客力向上が期待できるような遊技機の開発を可能とするため、規則の範囲内で業界内のレギュレーション変更が行われた。スマートパチンコでは大当たり確率が従来の320分の1から350分の1になることでスペック設計の幅が広がり、大当たりチャンス機能が拡充されるなど多様性のある遊技機開発が可能となった。また、スマートパチスロについては、有利区間の最大遊技数※1が撤廃され、どの段階からも大当たりが期待できるようになったほか、出玉性能も従来は大当たり開始からの増加2,400枚が上限であったが、差枚で2,400枚が上限となった※2。スマート遊技機の導入によって、魅力的な新機種を開発できるチャンスが広がったことになり、独創的な機種開発に定評のある同社にとってはシェア拡大の好機につながるものとして注目される。 ※1 有利区間の最大遊技数は、現行の6.5号機までは有利区間の上限が連続4,000ゲームとなっており、最大遊技数に到達した場合に初期化され非有利区間(通常区間)に戻る。 ※2 その日の台の収支がマイナス1,000枚だった場合、上限は3,400枚となる計算で、今まで以上に多くのメダルを獲得できるようになる(差枚方式については現行の6.5号機から採用)。 業界の健全化を進めることも今回のスマート遊技機導入の目的となっており、のめり込み対策や不正防止対策として、各遊技機の出玉情報等を新たに設置される第三者機関の「遊技機情報センター」で一元管理するようにした。スマートパチスロ機が2022年11月21日から導入が開始されており、現時点では稼働状況も好調のようだ。スマートパチンコ機については、2023年春以降の導入開始が予定されている。大手ホール企業では客足の回復につながる好機と見て、積極的にスマート遊技機を導入していく方針となっている。ただ、半導体不足により専用ユニットの生産がボトルネックとなっているようで、スマート遊技機については2023年3月期下期で15万台が見込まれている。2024年3月期は大半がスマートパチスロ機にシフトするものと予想される。スマートパチンコ機についても2024年3月期から本格的に導入が開始される見込みだ。業界にとっては1992年のプリペイドカード機導入以来の大変革となり、当時は市場拡大の契機ともなったことから今回も期待度は大きい。一方で、投資体力のない中小ホールにとっては大手との格差がさらに開く可能性があり、ホール軒数全体の減少傾向は続くものと予想される。 (3) 市場シェアの動向 同社の販売シェアは人気機種の販売時期によって変動があるものの、パチンコ遊技機はおおむね5~9%で安定して推移しており、年間6~8機種のペースで新機種を開発、販売してきた。2021年3月期以降、「Pとある」シリーズが2タイトル続けて2万台を超えるヒット機種となったこともあり、従来得意としてきた「ホラー」や「時代劇」「萌え」に加えて新たに「アニメ」ジャンルで主力タイトルが確立されたことになり、今後のシェア拡大が期待される。2022年3月期のパチンコ機の販売シェアは、業界全体が新規則機の入替特需で販売台数が伸びたこともあって前期の8.1%から6.7%に低下したが、2023年3月期は7.1%と若干回復する見込みとなっている。 一方、パチスロ遊技機はパチンコ機で販売実績のあるタイトルを中心に年間2~3機種のペースで新機種を投入することを基本方針としている。新規則機の適合率が低下した影響で2023年3月期上期は1機種の投入にとどまったが、下期に2機種を投入し、合計3機種を発売する計画となっており販売シェアは2%台となる。 同社では商品戦略として、ユーザーの年齢層別にターゲットを合わせたジャンルを強化し、主力タイトルの開発・育成を図っていくことで、ラインナップの拡充を図り、パチンコ・パチスロ遊技機の双方で販売シェア拡大を目指していく方針だ。 (執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲) 《NS》
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藤商事
1,312
11/25 15:30
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時価総額 30,040百万円
パチンコ・パチスロ機の中堅メーカー。1958年創業。無借金経営。「とある」シリーズなどアニメジャンルが主力商品。パチスロ遊技機の新製品「スマスロ ゲゲゲの鬼太郎 覚醒」は24年8月上旬から導入予定。 記:2024/06/11
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