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スカラ Research Memo(9):2023年6月期はM&A効果もあり2ケタ増収、収益も高成長ステージへ(1)

2022/9/16 15:09 FISCO
*15:09JST スカラ Research Memo(9):2023年6月期はM&A効果もあり2ケタ増収、収益も高成長ステージへ(1) ■今後の見通し 1. 2023年6月期の業績見通し スカラ<4845>の2023年6月期業績は売上収益で前期比29.8%増の13,000百万円、営業利益で1,000百万円(前期は393百万円の損失)、税引前利益で970百万円(同411百万円の損失)、親会社の所有者に帰属する当期利益で650百万円(同523百万円の損失)となる見通し。売上収益はエッグや日本ペット少額短期保険の業績が通年で寄与することに加えて、その他の既存事業についても増収を見込んでいる。利益面では、前期に計上した一時費用がなくなるほか、IT/AI/IoT/DX事業や人材・教育事業、EC事業が増益に貢献する予定だ。 (1) IT/AI/IoT/DX事業 IT/AI/IoT/DX事業は売上収益で前期比25.1%増の6,100百万円、営業利益で同281.1%増の900百万円を見込む。売上収益はエッグの業績が通年で寄与することに加えて、前期から開発に取り組んでいる共創案件の複数計上、「i-シリーズ」等のASPサービスの契約件数の積み上げなどにより、2ケタ増収を予定している。エッグについては、買収直前期である2021年9月期の売上高が1,714百万円、営業利益が170百万円であったことから、同水準に近い収益が期待される。 2023年6月期のサービス別契約件数で見ると、主力の「i-シリーズ」で前期比2.1%増の2,550件、やや単価の高いエンタープライズ案件(カスタム案件)で同2.7%増の190件、共創プロジェクトなどの大型案件で同6.1%増の35件を計画している。既述のとおり、共創プロジェクトではシノケングループとの「不動産のトラストDXプラットフォーム」の追加機能開発案件のほか、畜産DXプラットフォームやアプリ、信販会社向けシステム開発案件等の売上計上が見込まれる。2025年6月期に向けては、共創案件の契約獲得に注力することで高成長を目指す。 トピックスとしては、ヘルスケア領域でエッグが取り組んでいるフレイル※早期発見システムが挙げられる。パソコンやスマートフォンを使った簡単な設問に回答することで、フレイルを早期発見するクラウドサービスで、超高齢化社会が進むなかで介護予防による「健康寿命の延伸」と自治体の「社会保障費の削減」の実現を支えている。2022年7月より福島県本宮市で実証実験を開始したほか、その他の自治体でも実証実験の引き合いがあるようで、これらの結果から介護予防の効果が確認されれば、本格的に導入が進む可能性がある。なお、契約者は自治体となり、システム利用料を得るビジネスモデルとなる。同社はヘルスケア領域を注力分野の1つとしていることから、同システムがサービスメニューの1つとなる可能性もある。 ※人間の健康な状態と要介護状態の中間に位置し、身体的機能や認知機能の低下が見られる状態のこと。 (2) カスタマーサポート事業 カスタマーサポート事業は売上収益で前期比6.8%増の1,450百万円、営業利益で0百万円の利益(前期は31百万円の損失)を見込んでいる。新規顧客開拓に加え、2022年7月に在宅でコールセンター業務を行う体制を構築し、沖縄の自社コールセンターの席数も需要に合わせて増強する予定だ。共創案件においてカスタマーサポート分野を一括して設計し、運用可能な組織体制を構築するなど、シナジー効果も期待できる。 コールセンターの席数で見ると、従来コンサル対象となっていたコールセンターの席数が前期比14.7%減の250件と縮小する一方で、内製コールセンターの席数を同4.3倍増の60席に増設する計画となっており、全体の契約件数は前期比16.7%増の300件を目指す。2025年6月期に向けては契約件数の拡大とともに内製コールセンターの比率をさらに高めていくことで、収益率を引き上げていく戦略となっている。 (3) 人材・教育事業 人材・教育事業は売上収益で前期比12.4%増の1,650百万円、営業利益で同191.7%増の180百万円を見込む。このうち人材事業では、新卒向け採用関連イベントの売上が引き続き伸長するほか、中途人材紹介の領域を強化すべく新規事業の立ち上げ検討を進めており、増収増益を見込んでいる。KPIとなる求職者の登録者数は、新卒体育会学生が前期比横ばいの18千人、新卒女子学生が同15.1%増の16千人、求職者の登録者数が同16.9%増の9千人を計画している。また、2025年6月期に向けて、新卒女子学生や人材紹介による求職者の登録数拡大に注力する方針だ。一方で、体育会学生については登録率が既に高水準となっているため、安定成長を見込んでいる。 教育事業では、2022年9月に幼保園「Universal Kids」を1件、受託運営を2件(うち、1件はタイ)計画している。また、オンライン教育コンテンツの開発・販売やライセンシング、英語特化型学童施設の開設のほか、スポーツ領域においてもブロンコス20で新規事業の立ち上げを進める予定だ。 (執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲) 《YM》
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