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クリアル Research Memo(7):23年3月期は「CREAL」の高成長を軸に売上高は前期比1.5倍強の見通し

2022/7/27 15:17 FISCO
*15:17JST クリアル Research Memo(7):23年3月期は「CREAL」の高成長を軸に売上高は前期比1.5倍強の見通し ■今後の見通し 1. 2023年3月期の業績見通し クリアル<2998>の2023年3月期通期の連結業績は、売上高で前期比51.2%増の16,000百万円、売上総利益で同21.0%増の1,880百万円、営業利益で同5.2%増の330百万円、経常利益で同20.6%増の310百万円、親会社株主に帰属する当期純利益で同16.0%増の200百万円を予想している。2023年3月期は主力の「CREAL」の高成長を軸として、同社の連結売上高は前期比約1.5倍と大きく増加し、業容は一段と拡大していく見通しとなっている。AI化、DXの推進強化、人員増等の先行投資の拡大により、営業利益の伸びは抑制されるものの、売上総利益、経常利益で前期比20%を超える大幅増益となり、収益力もさらに強化されると見られる。 2. サービス別の見通し 「CREAL」「CREAL Partners」「CREAL Pro」のそれぞれの見通しは以下のとおりとなっている。 (1) 「CREAL」 「CREAL」では、ファンド償還の順調な推移を背景に進行期の業績は前期比倍増の増収ペースで好調に推移している。将来をにらみ、従来にも増してAIやDXなどのIT投資、マーケティング、新規プロダクトの開発を積極的に進めている。 a) ファンドの運用状況 ファンド償還は物件の外部売却が主なトリガーとなるため、この数値は「CREAL」のサービスの売上額に直結する。「CREAL」の売上高はこの外部売却金額に加え、ファンドに関する組成手数料や管理手数料などから構成される。2022年3月期は4,142百万円のファンド償還を実施しており、同期の「CREAL」の売上高4,661百万円の大部分を占めている。2023年3月期は既に1,824百万円のファンド償還を果たしている。さらに4,047百万円分の売買契約も締結しており、元本償還準備中の状況にある。既に1,824百万円と4,047百万円分の合計5,871百万円の売上がほぼ見えている状況となっている。運用中及び募集完了分のファンド3,004百万円については、2023年3月期に売却可能性のある売却予備軍のパイプラインという位置付けとなっている。さらに、2023年3月期に組成し、さらに償還を迎えるファンドも予見されること等から、順調に推移すれば2023年3月期の「CREAL」の売上高は、ファンド組成手数料や管理手数料も加わって、前期比約2倍の9,000百万円を超えるものになることが予想される。 b) IT投資 ・ネイティブアプリ(iOSアプリ)の開発 現状、約70%のユーザーがスマートフォン経由で「CREAL」にアクセスしている状況を踏まえ、アクティブ率や顧客ロイヤリティのさらなる向上を狙い、2023年3月期中にネイティブアプリ(iOSアプリ)を開発することを計画している。 ・会員プログラム制度の導入 ロイヤリティマーケティング戦略として、会員ランク機能システムの開発を進めている。これにより、投資金額・投資回数などに応じてランクを設定し、ランクに応じたインセンティブ・特典を付与できるようになることで、投資家の投資金額の拡大とリピート率の向上を図る。GMVのさらなる成長を目指していく方針である。(2022年7月リリース済み) ・内部オペレーションシステム「CREAL workspace」の開発 「CREAL workspace」は、まさに不動産投資プロセスにおける非効率性の解消を目指したDXツールであり内部オペレーションの大幅な効率化を実現するシステムである。この開発が実現することにより、同社が展開している3つのサービス「CREAL」「CREAL Partners」「CREAL Pro」におけるサービスの融合・連携をスムーズにし、部署間のデータ共有の効率化が実現する。 c) 新規許認可の取得 同社は不動産特定共同事業法に基づく第3号及び第4号事業者としての許可を国土交通省及び金融庁へ申請している。これらの取得により、外部のSPCを利用したクラウドファンディングでの案件組成が可能となる。外部のSPCにおいてクラウドファンディングを活用することで、「物件のオフバランス化」が可能となり、「金融機関・機関投資家のファンドへの参画の促進」が期待できることとなる。より大型の案件組成も可能となることから、早期の許可取得を目指し体制整備を行っている。 (2) 「CREAL Partners」 「CREAL Partners」においては、組織の拡大に加えて、DXプラットフォームの継続的進化により、さらなる利便性の向上と、管理業務の効率化を行う計画である。併せて、「CREAL buyer」のAIを活用した主力の都心区分レジデンスの拡充強化、再生可能エネルギー施設、「CREAL」や「CREAL Pro」で運用中の1棟レジデンスについても商品ラインナップに加えていく方針である。これまでの区分レジデンス投資だけでは難しかった多様な投資家ニーズに対応し、投資機会拡大による高成長を計画している。 また、昨今の円安により投資ニーズが増大している海外投資家向けの販売も強化している。 (3) 「CREAL Pro」 「CREAL Pro」では、今後の成長戦略として、これまでにも増して「CREAL」と「CREAL Pro」のシナジー強化を進めていく方針である。具体的には、「CREAL」で運用している小~中規模物件のポートフォリオを50~100億円程度の規模に束ねて、「CREAL Pro」の顧客である機関投資家や金融機関等へ一棟ごとあるいは一括でバルク売却する。さらに対象の物件管理について「CREAL Pro」としてアセットマネジメント業務を受託するといった、同社事業間のシナジーを発揮できるビジネスモデルの強化・拡大を推進する。 既に2021年のドイツ大手生命保険会社Allianz、香港大手不動産ファンドGaw Capitalとの取引実績で具現化しており、「CREAL」で運用中及び運用予定の東京23区所在のマンション13棟(竣工予定を含む)について、Gaw Capitalの組成するファンドとの売買契約を締結している。Gaw Capitalとの成果は、1つのプロジェクトとしてはAllianzとの実績を上回る規模となっている。 2023年3月期においては、同社ではDXの介在余地が大きくシェア拡大余地の大きい「CREAL」の成長を優先しているため、「CREAL Pro」の売上高の伸びは鈍化することが予想される。一方で「CREAL」とのシナジー追求により、前述の事例のように「CREAL」の高成長ポテンシャルが「CREAL Pro」へと波及している。将来に向けて「CREAL Pro」の成長ポテンシャルは大きく拡大しているものと弊社では推察している。 このビジネスモデルでは、高成長を続ける「CREAL」おいて安定的な物件売却先を確保でき、「CREAL Pro」にとっても、安定的なフィービジネス獲得の機会となる。さらに「CREAL」の高成長ポテンシャルを「CREAL Pro」に波及させることができ、「CREAL Pro」の成長力を大きく高めるサービス間バリューチェーンの創出が可能となる。弊社では、同社の事業全体の高成長と経営基盤の拡大にさらに大きく貢献する成長戦略として期待できるものと考えている。 (執筆:フィスコ客員アナリスト 中村昌雄) 《ST》
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時価総額 22,897百万円
不動産ファンドオンラインマーケット「CREAL」の運営を行う。プロ向け不動産ファンド事業、個人向け不動産投資運用サービスも。SBIHDと資本業務提携。ホテル運営事業に参入。運用資産残高などの拡大図る。 記:2024/09/03