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ワコム Research Memo(5):新たなコア技術活用やビジネスモデル立ち上げに向け、協業パートナーとの連携強化

2022/6/8 16:05 FISCO
*16:05JST ワコム Research Memo(5):新たなコア技術活用やビジネスモデル立ち上げに向け、協業パートナーとの連携強化 ■ワコム<6727>の主な活動実績 1. デジタルコンテンツ分野における主な動き 1) リモートドローイングの実証実験に成功 アフターコロナにおいても需要が拡大しているリモートクリエーション(新たなデジタルワークフローの構築)を支えるため、(株)カラー、スプラッシュトップ(株)、(株)NTTドコモとの4社共同により、5G通信と画面転送、液晶ペンタブレットによる「リモートドローイング」の実証実験に成功した。今後、商用化を進めていく方針である。 2) デジタル著作権を守るサービスの開発 クリエイターやアーティストのデジタル著作権を守る仕組み(ブロックチェーンの活用により、創作の証と履歴を発行するもの)の開発にも成功した。その仕組みを活用したサービスのプロトタイプを2023年3月期中にリリースする予定としている。 3) KISEKI ART プロジェクトの開始 「クリエイターやアニメーターの方々の創造の軌跡のデータが、作品そのものに比肩し得る価値を持ち、アーティスト自身に帰属する資産である」という考えのもと、(株)Preferred Networks、(株)セルシスの協力を得て、ペンや筆の動きといった創作の過程をデジタル技術で捉える(創作の軌跡を可視化する)プロジェクトを開始した。これにより、アーティスト自身が「気づき」を得てスキルアップを図ったり、作品を楽しむための新しい価値提案をするなど、様々な活用を支援することが可能となる。「Wacom Chapter 3」で掲げる新しいコア技術(AI)との組み合わせによる新たな価値提案に向けた取り組みの1つであり、2021年11月16日~17日に同社が開催したオープンイベント「コネクテッド・インク 2021」※において、コンセプト作品の共同展示が行われた。 ※同社が主催するオープンイベントであり、東京、北京、デュッセルドルフ、ポートランド等の会場をオンラインで結ぶハイブリッド型で毎年開催されている。人間の創造性の源に思いを馳せ、アート、教育、テクノロジーなど多様な領域のパートナーと共創する「創造的混沌」がテーマとなっている。同社のコミュニティエンゲージメント(社会への貢献)が体験できるイベントであり、同イベントで紹介したプロジェクト以外にもパートナーとの様々な取り組みや同社の新たな挑戦を垣間見ることができる。「コネクテッド・インク 2021」の内容は同イベントのホームページから閲覧できる。 2. 教育分野における主な動き(Z会グループとの協業) 教育分野における「手書き×デジタル」の利用に向けた包括的な業務提携を締結した(株)増進会ホールディングス(以下、Z会グループ)との協業については、Z会グループのペン付専用タブレットに同社のデジタルペンを搭載するとともに、このタブレット上で動く手書きアプリを開発し、いよいよ稼働を開始した。前述した「コネクテッド・インク2021」においては、両社トップ同士による「学びの軌跡(キセキ)共同宣言」※が発信されている。今後は、ここから得られるデータを活用して、いかに新しい教育サービスへ発展させていくのか、デジタルインクとAIによる新たな教育体験の創造に向けてさらに共同開発を進めていく考えだ。 ※デジタルインクを活用した新しい教育サービスの共同研究、生徒ひとりひとりの学びの軌跡を可視化する、学びに寄り添う新しい教育サービスの開発と展開などが記されている。 3. デジタルペン技術が世界初のペン付折りたたみスマートフォンに搭載 サムスン電子が2021年8月11日に発表した、世界初のペン付折りたたみスマートフォン「Galaxy Z Fold3 5G」向けのSペンに同社のデジタルペン技術が採用された。7.6インチの折りたたみ式メインディスプレイに自在に書き込めるSペンでは、本機種向けに最適化した新構造を採用している。ペン先にかかる力を適度に調節して画面表面を守るため、画面を傷つけることなく存分にペンを使用することができる。さらには、2022年2月10日に発表されたスマートフォンの旗艦モデル「Galaxy S22 Ultra」向けのSペンにも採用された。「Galaxy S22 Ultra」は、これまで多くのユーザーに人気があったGalaxy Note がSシリーズに統合され、Sシリーズでは初めて格納式のSペンを搭載することになった。これらの結果、帰ってきたNote タイプ(ペン格納)、フォルダブル、タブレットといった各機種での搭載が実現した。また、タブレットの「Galaxy Tab S8 / S8+ / S8 Ultra」向けのSペンにも継続して採用されている。 4. 資本業務提携等 1) セルシスの親会社との資本業務提携 2022年4月には、イラスト、マンガ、アニメーション制作アプリ「CLIP STUDIO PAINT」等を展開するセルシスの親会社アートスパークホールディングス<3663>と資本業務提携※を締結した。セルシスとは20年以上にわたって協業し、クリエイティブ・コミュニティをともに支えてきたが、本提携によって両社の協業をさらに深めるところに狙いがある。互いに独立性を確保しつつ、共同開発方針の共有、長期的協業関係、開発資源・マーケティング資源の戦略的/集中的投下、共同サービスの運営検討などを進めていく考えだ。 ※第三者割当により約16億円規模の株式を取得(約5%)した。今後10%を超えない範囲で追加取得していく予定。 2) エスディーテック(株)への追加出資と連携強化 2021年3月16日に資本業務提携を締結し、AI(人工知能)を活用した「手書き×デジタル」の利用による新サービスを実現するための共同開発を開始したエスディーテック※1に対しては、追加出資の実施※2や取締役派遣を通じてさらなる連携強化を図った。特に10数名の技術者による「Wacom Division」が同社に創設されるなど、同社チームと一体となって共同開発を行う体制を整えた。前述したセルシス同様、外部リソースとの連携や活用は、新しい価値創造を目指す同社にとって研究開発戦略の重要な役割を担っている。 ※1 利用者を中心に置いたモノづくりを掲げ、「デザイン」「テクノロジー」「データサイエンス」の力を一体運用する「デザインエンジニアリング」を持って、先進的な自動車HMI(ヒューマンマシンインターフェイス)の開発やカラオケリモコン端末UI(ユーザーインタフェース)などの開発を行っている。 ※2 合計2億円規模の株式を取得(約10%)した。 (執筆:フィスコ客員アナリスト 柴田郁夫) 《EY》
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3663 東証プライム
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時価総額 48,494百万円
イラスト・マンガ制作アプリ「CLIP STUDIO PAINT」などのコンテンツ制作ソリューション事業が主力。DC3ソリューション等も。CLIP STUDIO PAINTはサブスク契約が順調に増加。 記:2024/06/25
6727 東証プライム
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時価総額 103,514百万円
ペン・センサーシステムの提供等を行うテクノロジーソリューション事業が主力。ディスプレイ製品、ペンタブレット製品なども。高いブランド力が強み。ブランド製品事業では商品ポートフォリオの刷新など構造改革図る。 記:2024/10/06