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かっこ Research Memo(7):2031年に売上高100億円突破を目指す

2022/5/25 15:27 FISCO
*15:27JST かっこ Research Memo(7):2031年に売上高100億円突破を目指す ■中長期の成長戦略 中長期の経営計画としてかっこ<4166>は、既存の不正検知サービス、決済コンサルティングサービス、データサイエンスサービスを軸に「EC不正検知領域の拡大」「サイバーセキュリティ領域への拡張」「海外展開」「新規領域におけるSaaS構築」を基本的戦略として2026年に売上高50億円、2031年に売上高100億円の大台を目指す構えだ。同社が既に持っているノウハウを活用しながら既存事業の拡充・深耕、新規領域の開拓、海外市場への進出、そして急成長する外部環境を追い風に目標を達成していきたい考えだ。 1. EC不正検知領域の拡大 同社は、導入障壁の解消、プロダクトの付加価値向上、販路拡大・市場開拓によってEC不正検知領域の拡大を実現していくことを計画している。ECパッケージ・ショッピングカート事業者とのAPI連携を加速させることにより顧客がより容易に同社のサービスを使用できる環境を整えるほか(ECサイト構築サービスを提供しているECパッケージ、ショッピングカートのサービスに「O-PLUX」を最初から組み込むことにより、同サービスを導入するためにゼロから要件定義、システム設計をするなどの手間を省くことができる)、より小規模なEC事業者も利用できるよう不正チェッカーなどの低価格モデルを投入する。アプローチしきれていなかった潜在的な顧客層を取り込んでいきたい考えだ。 また、外部のDBを積極的に活用し不正検知機能を向上させる、チャージバック金額を上限なしで補償する「O-PLUX Premium Plus」などの新サービスを導入することにより、「O-PLUX」のサービスとしての魅力を高め、さらなる顧客の獲得を目指していく計画だ。 さらに、カード会社、決済代行会社とのアライアンスを拡大することにより、それら企業のサービスを使用している企業を顧客として取り込んでいきたい考えだ。 加えて中長期的には、同社が持っているデータを活用し、EC運営支援(ECサイトの構築、MA:Marketing Automationなど)、BtoBのEC不正検知などの領域への事業活動を拡大していきたい考えだ。 2. サイバーセキュリティ領域への拡張 同社の持つノウハウの活用、他社とのアライアンス、そしてM&Aも視野に入れながら同領域でEC事業者のニーズに対応できる体制の構築を目指す。具体的にはログ管理・監視、認証システム、eKYC(オンライン上での本人確認)、脆弱性診断、マネーロンダリング、PCI DSS(クレジットカード会員データを安全に取り扱うことを目的として策定された、クレジットカード業界のセキュリティ基準)などの領域でサービスを提供していきたい考えだ。 同社は不正検知の領域で様々なノウハウを蓄積し、独自の審査ロジックを構築してきた。これらの資産をサイバーセキュリティの領域に展開し、活用可能な同社特有の価値を顧客に提供することができると弊社は考えている。 また、サイバーセキュリティ領域への事業拡張に向けて同社は、2021年12月期にはサイバーセキュリティ領域で事業を展開するサイバーセキュリティクラウド<4493>、エルテス<3967>と業務提携を結んでいる。 3. 海外展開 同社は、海外市場の成長を取り込んで業績の拡大を加速させていきたい考えだ。具体的には東南アジアをターゲットにEC・金融領域でサービスを展開することを計画している。 米国商務省国際貿易局によると、世界のEC市場の牽引役はアジア太平洋地域の国々であり、特に中国、インドネシア、ベトナム、フィリピンが重要なマーケットであると指摘されている。このことから東南アジアにターゲットを絞り進出するという選択は、合理的な判断であると言えるだろう。また、東南アジア各国を入り口に最終的に中国市場へ進出するという順序も考えられ、長期的にはより巨大なマーケットの成長を取り込むことができる可能性もあると弊社は見ている。EC市場に加えて、不正検知サービス市場の成長も取り込み、同社の成長がさらに加速することを期待したい。 4. 新規領域におけるSaaS型サービスの構築 データサイエンスサービスを通じて様々な業種の企業にコンサルティングを行うなかで、同社の既存ノウハウ・資産を活用できる有望な領域を探し出し、収益の新たな柱に育てていきたい考えだ。 不正検知サービス市場、EC市場、BNPL市場が拡大するなかで、新規顧客の開拓、新領域でのサービス構築、さらには海外市場の成長も取り込み成長を加速させていくことができれば、売上高100億円という野心的な目標も達成不可能ではないと弊社は考える。 (執筆:フィスコ客員アナリスト 清水陽一郎) 《SI》
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