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今週のマーケット展望「日経平均予想は24500~27000円」~マネックス証券チーフ・ストラテジスト広木隆氏(山崎みほ)

2022/3/7 10:10 FISCO
*10:10JST 今週のマーケット展望「日経平均予想は24500~27000円」~マネックス証券チーフ・ストラテジスト広木隆氏(山崎みほ) 皆さま、こんにちは、フィスコマーケットレポーター山崎みほの「マネックス証券の気になるレポート」です。 すこしずつ春らしくなってきましたね!東京は週末、日中はコートが要らないぐらいぽかぽかでした。株式市場は波乱の中ですが、今週の相場を動かす背景をしっかりみていきましょう。 さて、マネックス証券の「メールマガジン新潮流」が、3月7日に配信されました。そのなかから今回は、同証券のチーフ・ストラテジスト、広木隆氏のレポート「今週のマーケット展望」の内容をご紹介いたします。 まず広木さんは、『ロシアがウクライナに侵攻して10日あまりになるが事態は膠着している』とした上で、『要因の分析は軍事問題の専門家に譲るが、ここまで時間がかかるのはロシアにとって想定外だったのではないか。ロシア自身も日に日に窮状が増している。ロシア・ウクライナ双方とも早期決着を望んでいるだろう。こうなると、ロシアによる一段の攻撃先鋭化もあれば、急転直下の停戦合意もある』と見解を述べています。 また、『イスラエルがロシアとウクライナの停戦交渉仲介を提案したという報道も伝わる』として、『戦況の過激化でいったん大きく下値を探ってからアク抜けするか、このまま急反発となるか、シナリオは数パターンあるが、いずれにせよ、ボラティリティが高まる局面だ。波乱相場に備える必要がある』と呼び掛けています。 さらに『ロシアによる一段の攻撃先鋭化があるとすれば核兵器の使用に突き進む恐れがある』と続け、『TBSの番組で防衛省防衛研究所の兵頭慎治政策研究部長は、「劣勢に立たされた場合に戦術核を先行使用して戦闘激化をしないようにするというエスカレーション抑止論は、かなり前からロシアにある」と述べている』と伝えています。 そして『比較的威力の低い核兵器を人口の希薄な地域に撃つことはあり得るだろう。そうなった場合、実際の被害はともかく、世界に与える衝撃は測り知れない。無論、市場にも激震が走るだろう』として、『考えたくないシナリオだが、備えは必要である』と警告しています。 ただし、『その場合は早期決着へと向かうはずだ』とも広木さんはいいます。 シナリオとしては『ウクライナが降伏してロシア側の要求を受け入れ停戦となるパターンもあれば、さすがに欧米も黙ってみているわけにはいかず派兵する可能性もある。米国ではウクライナに関与すべきではないという世論が大半を占めているが、核兵器の使用となれば話は別だろう。秋の中間選挙を前に、インフレ対策で苦心しているバイデン政権にとって、人気取りの意味でも参戦ポーズをとるかもしれない』とみているようです。 ただ、今はロシア・ウクライナ情勢に振り回される金融市場ですが、『実は投資環境は改善している』とも言及。 その理由は2つあり、1つは『まず経済が好調を維持していることだ。米国のISM製造業景況感指数は58.6と好不況の分かれ目である50を大幅に上回った』こと。 2つ目は『コロナも終息に向かっている』ことで、『ニューヨーク市は4日、新型コロナウイルスの感染者数の減少を受けて日常生活の規制をほぼ解除すると発表した。米疾病対策センター(CDC)は3日、国内の各地域で新型コロナウイルス感染状況が落ち着いてきたことで、屋内で一律にマスク着用を求める対象から人口の9割が外れたと発表した』とコロナの状況を伝えています。 こうしたことから『米国の労働市場の正常化がますます進むだろう』と広木さんはみており、『先週末発表された雇用統計は市場の予想を上回る強さだった。失業率は3.8%と、2020年2月以来の水準に改善した。非農業部門雇用者数(事業所調査、季節調整済み)は前月比67万8000人増となり昨年7月以来の大幅な伸びを記録した。これにより非農業部門雇用者の総数は1億5000万人の大台を回復した。非農業部門雇用者数の過去最高はコロナ前につけた1億5250万人。既にその99%の水準に戻っている。これが意味することは、つまり、人出不足はほぼ解消されているということである。だから、実際に賃金の伸びも鈍ってきた。時間当たり平均賃金は31.58ドルと前年同月比では5.1%の上昇だが、前月の前年同月比5.7%上昇から見れば伸びが鈍化している。前月比では横ばいだ。インフレが懸念されるなか、賃金インフレにピークアウトの兆しが見え始めたのは朗報だ』と解説しています。 そして、『その意味では今週の物価指標が改めて注目される』といい、『9日に中国で2月の生産者物価指数(PPI)とCPI、10日に米国の2月CPIの発表がある。米国のCPIはさらに伸びが加速する予想となっているが果たしてどうか。市場の反応が注目される』と投げかけています。 そんな状況での投資方針について、広木さんは『いまは有事でファンダメンタルズの改善という好材料が市場に無視されている』として、『無理もないのだが、それゆえ万が一、波乱となって下値をつけにいく場面では、その後の急反発を見込んだ押し目買いはトライする価値があると思う』と言及しています。 さらに『今週末、3月11日は東日本大震災から11年。3・11のメジャーSQは当時も含めて今回が3度目だ。なんの意味もないが「3度目の正直」で上放れることを祈る』とも。 最後に、『上述の通り、ボラタイルな相場を予想、レンジは広めにとらざるを得ない。日経平均の今週の予想レンジは2万4500円〜2万7000円とする』と予想しています。 参考にしてみてくださいね。 山崎みほの「気になるレポート」はマネックス証券の「メールマガジン新潮流」に掲載されたレポートを山崎みほの見解で注目し、コメントしています。レポート発行人との見解とは異なる場合があります。詳細は発行人のレポートをご確認くださいね。 フィスコマーケットレポーター 山崎みほ 《FA》