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アジア投資 Research Memo(3):日本とアジアにまたがる独立系の総合投資会社(2)

2021/12/8 15:23 FISCO
*15:23JST アジア投資 Research Memo(3):日本とアジアにまたがる独立系の総合投資会社(2) ■会社概要 3. 企業特徴 (1) 収益モデル 日本アジア投資<8518>の収益構造は、「PE投資」と「プロジェクト投資」と2つの異なるタイプの投資によって構成されているところに大きな特徴がある。そのうち「PE投資」の収益源は、大きく「実現キャピタルゲイン」と「インカムゲイン」「ファンドの運営報酬」の3つに分類されるが、「実現キャピタルゲイン」による業績インパクトが一番大きい。なお、「実現キャピタルゲイン」については、投資額を上回る金額で回収(売却)することによって得られるため、キャピタルゲインの拡大のためには、成長性のある企業への投資や投資先に対する成長支援に加えて、スムーズな売却が不可欠となる。投資先は経営基盤の未熟なベンチャー企業であることから、経済情勢の影響を受けやすいうえに、スムーズな売却のためにはIPO環境を含めた株式市場の動向に大きく左右されるため、ハイリスク・ハイリターン型の収益と言える。一方、「インカムゲイン」については、投資先からの配当収入のほか、出資しているファンドの持分利益などによるものであり、ミドルリスク・ミドルリターン型の収益となっている。また、「ファンドの運営報酬」は、管理報酬と成功報酬によって構成されており、管理報酬はファンドの運用残高におおむね連動するが、成功報酬は運用成果(パフォーマンス)に応じて増減するものである。管理報酬が収益の下支えとなっていることから、こちらもミドルリスク・ミドルリターン型の収益と言える。「PE投資」の本来の目的は、「実現キャピタルゲイン」の獲得にあり、業績へのインパクトも一番大きいことから、「PE投資」全体で見れば、ハイリスク・ハイリターン型の投資事業とみなすことができる。 一方、ここ数年、注力している「プロジェクト投資」の収益源についても、「実現キャピタルゲイン」と「インカムゲイン」などに分類されるが、「プロジェクト投資」の本来の目的は、売電収益などプロジェクトからの安定的な「インカムゲイン」を積み上げていくところにある。もっとも、長期で保有するだけでなく、プロジェクトの一部を短・中期で途中売却することにより、利益と資金を確保しながら資産の拡大を図っていくことも重要な投資戦略となっているが、その場合の「実現キャピタルゲイン」については、将来にわたる「インカムゲイン」(含み益)の前倒し的な実現に近い。したがって、「プロジェクト投資」全体では、ミドルリスク・ミドルリターン型の投資事業とみなすことができる。 以上から、全体を俯瞰すれば、「インカムゲイン(配当収入や売電収益等)」や「ファンドの運営報酬」などの安定収益に加えて、「プロジェクト投資資産」の一部売却により基礎となる利益を確保しながら、「PE投資資産」の売却によりアップサイドの「実現キャピタルゲイン」を狙う複合的な収益構造と言える。 (執筆:フィスコ客員アナリスト 柴田郁夫) 《NB》
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独立系総合投資会社。プライベートエクイティ投資、再生可能エネルギー等のプロジェクト投資を手掛ける。豊富な投資経験などが強み。ジーエヌアイグループと業務提携。中計では27.3期営業利益12.5億円目標。 記:2024/10/07