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ADワークスグループ Research Memo(5):SDGs経営の推進、複利の経営への転換等に取り組む中経を策定

2021/10/14 15:15 FISCO
*15:15JST ADワークスグループ Research Memo(5):SDGs経営の推進、複利の経営への転換等に取り組む中経を策定 ■中期経営計画 1. 中期経営計画の概要 ADワークスグループ<2982>は2021年5月に第1次中期経営計画(2021年12月期~2023年12月期)を発表した。テーマとして掲げた「Breakthrough 2023」は、「突破せねばならないいくつもの壁」を真正面から見据え、それを超えることで成長を遂げ、そして超過利潤を生みだし持続的に成長できる企業グループに革新したいという経営者の強い意志を込めたものとなっている。 目指す将来に向けてブレイクスルーするための重要な3ヶ年と位置付けており、1)SDGs経営の推進、2)「複利の経営」への転換、3)「プライム市場」への上場、4)「5年後3割」への通過点の4点に取り組んでいく。 1) SDGs経営の推進 主力の収益不動産販売事業は、「社会資本である不動産のポテンシャルを目利き力と商品企画力で最大化する」という社会的意義を有しており、不動産市場でのESG投資の広がりに寄与し、まずはそれを通じてSDGs経営を推進していく。 2) 「複利の経営」への転換 従来は、売上高や経常利益などの「額」を増やす経営、または経常利益率など「率」を高める経営を推進してきたが、今後は投下資本が生み出す利益を重要視する「利回りの経営」、さらに再投資のリターンを長期継続する「複利の経営」に転換していく。 3) 「プライム市場」への上場 2022年4月に予定されている東証の市場再編において、「プライム市場」への上場を選択する申請書を2021年9月1日付で提出したことを発表している。「プライム市場」に移行することが、同社の事業価値を向上させ、中長期的な企業価値向上の実現において必要と考えたためだ。なお、移行基準日(2021年6月30日)において、流通株式時価総額100億円の基準を満たしていなかったことから、上場維持基準の適合に向けた計画書を合わせて提出している。 「第1次中期経営計画」の業績目標を達成することで、2024年12月期までに流通株式時価総額100億円の達成を目指していく計画となっている。同社では2023年12月期に当期純利益13億円を達成できれば、不動産セクターや東証市場一部平均のPERやPBRの水準から見て、流通株式時価総額100億円の達成は十分可能と考えている。 4) 「5年後3割」への通過点 DXによる革新、CVCを通じた新たな価値創造、持株会社体制下でM&Aや資本提携、業務提携を加速させ、“脱”不動産事業収益の割合を2025年12月期に全体の3割にする目標を掲げ、その実現に向け今後3年間で積極的に事業機会を獲得していく。 2023年12月期に経常利益20億円、超過利潤(WACCを上回るROIC)の達成による企業価値向上を目指す 2. 基本方針と経営数値目標 中期経営計画における基本方針として、以下の3点に取り組んでいく。 (1) 超過利潤 現在、ROIC(投下資本利益率)がWACC(加重平均資本コスト)を下回る状況にあるが、2023年12月期にこれを逆転させて、超過利潤を生み持続的に向上させる経営を目指していく。具体的には、2021年12月期の計画でROIC2.2%に対してWACCが3.9%となり、超過利潤は-1.7ポイントとなる見込みだが、2023年12月期にはROICを4.1%に引き上げ、WACCは3.2%とし、超過利潤で+0.9ポイントを目指す(既存事業のみの計画で、ノンアセット事業等の拡充は超過利潤の増大余地と位置付けている)。 (2) 外部資源 DXなど高速展開する最新の知見を取り込むために、持株会社体制のもとCVCによって先鞭をつけ、M&A、資本提携、外部資源を積極活用していくことで、創造性と先進性に富んだ組織力を育んでいく。 (3) 顧客拡張 顧客層は個人富裕層を主軸としつつ、インターネットも活用して顧客の裾野を広げていくほか、事業法人や機関投資家へと対象顧客を拡張していく。 こうした取り組みを推進していくことで、2023年12月期に売上高306億円、EBITDA27億円、経常利益20億円、親会社株主に帰属する当期純利益13億円を目指す。2021年12月期の会社計画に対して売上高で1.3倍、EBITDAで2.5倍となる見込みだ。また、収益不動産残高は500億円と現状から約2倍の水準に積み上げていく。ROEについては、これまでエクイティ・ファイナンス等も活用し純資産を増強してきたことから低下傾向が続いていたが、今後は有利子負債やクラウドファンディングなど他人資本を積極活用することで資本効率を高めていく。具体的には、2021年6月末の有利子負債209億円に対して、2023年12月期には銀行借入で400億円、その他負債(クラウドファンディング、STO※、ハイイールドボンド等)で20億円を調達する計画となっている。株主資本は、利益の積み上げにより2021年6月末の143億円から2023年12月期に152億円を見込んでいる。この結果、ROEは2021年12月期見込みの2.9%から、2023年12月期は8.9%に上昇することになる。 ※STO(Security Token Offering)とは、ブロックチェーン技術を活用したデジタル証券による資金調達法。 (執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲) 《ST》
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収益不動産事業、不動産小口化商品事業等を手掛けるエー・ディー・ワークスを中核とする持株会社。プロパティ・マネジメント等のストック型フィービジネスも。不動産小口化商品「ARISTO」は販売総額が拡大。 記:2024/08/30