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Jトラスト Research Memo(6):2021年12月期第1四半期の営業利益は前年同期比大幅増益(4)

2021/6/9 15:16 FISCO
*15:16JST Jトラスト Research Memo(6):2021年12月期第1四半期の営業利益は前年同期比大幅増益(4) ■Jトラスト<8508>の業績動向 (4) 投資事業 投資事業では、シンガポールを拠点に、事業のシナジー性や商品力などを総合的に判断し、投資先を選定する。特に、金融事業や金融事業とシナジー効果が見込める事業に投資している。投資事業は、現在係争中のJトラストアジアが保有するGLに対する債権の全額について200億円超の貸倒引当金繰入額を計上したこと等により、2019年3月期には大幅な損失を計上した。 2021年12月期第1四半期の営業収益は188百万円(前年同期比33.2%減)となったものの、シンガポール控訴裁判所判決の一部履行としてGLなどより受領した3,700万米ドルの計上に伴い営業利益は3,038百万円(前年同期は473百万円の損失)となり、同社グループ全体の大幅増益に大きく貢献した。なお、GLより2021年4月7日に受領した1,700万米ドル及び4月29日に受領した720万米ドルは、第2四半期決算で計上する予定である。既に十分な貸倒引当金を引き当てたことで、将来の回収金は利益計上されることになるため、今後も回収に尽力することでグループ全体の業績回復に貢献する計画である。 3. 財政状況と経営指標 2021年12月期第1四半期末の資産合計は、前期末比44,063百万円増の574,526百万円となった。これは主に、JT貯蓄銀行の株式譲渡を中止したこと等により、売却目的で保有する資産が155,298百万円減少した一方で、銀行業における貸出金が149,021百万円、銀行業における有価証券が17,027百万円増加したほか、現金及び現金同等物が22,508百万円増加したこと等による。 一方、負債合計は、前期末比36,894百万円増の464,899百万円となった。これは主に、JT貯蓄銀行の株式譲渡を中止したこと等により、売却目的で保有する資産に直接関連する負債が141,109百万円減少した一方、銀行業における預金が174,547百万円増加したこと等による。また、資本合計については、同7,168百万円増の109,626百万円となった。これは主に、親会社の所有者に帰属する四半期利益を計上したことにより利益剰余金が2,830百万円、海外子会社等の換算差額の増加等によりその他の資本の構成要素が3,320百万円増加したこと等による。 以上の結果、2021年12月期第1四半期末の親会社所有者帰属持分比率は17.1%(前期末は17.3%)となった。同比率は2017年3月期末の24.2%から低下しているものの、東証1部銀行業平均の4.7%やその他金融業平均の5.8%を大きく上回る強固な財務基盤を維持している。今後は利益の積み上げに伴い、徐々に改善に向かうと予想される。 2021年12月期第1四半期のキャッシュ・フローの状況では、現金及び現金同等物の四半期末残高は前期末比22,508百万円増の83,102百万円となった。営業活動によるキャッシュ・フローの増加16,684百万円は、主に銀行業における貸出金の増加により資金が減少した一方で、税引前利益の計上及び銀行業における預金が増加したためである。投資活動によるキャッシュ・フローの減少4,711百万円は、銀行業における有価証券の取得による支出が銀行業における有価証券の売却による収入を上回ったことで、資金が減少したことによる。また、財務活動によるキャッシュ・フローの減少3,842百万円は、主に社債の償還に伴い資金が減少したことによる。 (執筆:フィスコ客員アナリスト 国重 希) 《YM》
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