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アルプス技研 Research Memo(7):2021年12月期は大幅増収・営業増益。中期的な成長軌道へ回帰する見通し

2021/3/22 15:57 FISCO
*15:57JST アルプス技研 Research Memo(7):2021年12月期は大幅増収・営業増益。中期的な成長軌道へ回帰する見通し ■業績見通し 1. 2021年12月期の業績予想 2021年12月期の業績予想についてアルプス技研<4641>は、売上高を前期比11.9%増の40,000百万円、営業利益を同9.9%増の4,000百万円、経常利益を同4.3%減の4,400百万円、親会社株主に帰属する当期純利益を同0.1%増の3,060百万円と大幅な増収及び営業増益を見込んでおり、コロナ禍の影響を受けた2020年12月期からの回復により、中期的な成長軌道へ回帰させる方針である。 先端技術や次世代車等の堅調な顧客ニーズを背景として、売上高は大きく伸びる見通しである。特に2021年12月期上期はコロナ禍の影響をある程度見込むものの、下期から本格的な成長に向かう想定となっているようだ。同社単体については、引き続き技術社員数や稼働人数の拡大(稼働率の回復)、契約単価の向上が業績の伸びをけん引する見通しである(ただ景気減速懸念についても保守的に見積もり、稼働工数については抑制傾向を想定しているようだ)。なお、2021年4月入社の新卒採用は2020年を上回る人数を予定しており、キャリア採用は通年120名を計画している。また、グローバルエンジニアや就農人材など外国人材の採用も合計100名程度を予定しているようだ。また2020年12月期と同様にデジタル・スパイスの連結効果のほか、農業関連分野におけるアグリ&ケアの伸びも見込んでいる。 2. 活動計画 (1) 次世代を創る施策(個別) 引き続き、同社の成長を支える3本柱(採用・教育・営業)の好循環を実現する。特に、ニューノーマルに適用した採用や教育のほか、技術や産業の変化を先取りし、成長分野への対応などを図っていく方針である。 a) 採用 1)オンライン採用などの新たな採用チャネルの構築、2)社員紹介制度を強化し、即戦力の獲得、3)海外拠点での教育と採用候補地の開拓などに取り組む。2022年新卒採用については300名、2021年キャリア採用は120名を計画している。 b) 教育 ニューノーマルに適応した人材教育を目指し、1)オンライン講座の充実、2)先端技術・成長分野の高度人材育成、3)顧客ニーズに対応した技術研修などに取り組む。 c) 営業 1)成長企業・成長分野との取引拡大、2)技術者同士の連携を強化し、チーム採用の提案、3)提案からクロージングまでのスピードアップなどを目指していく。 (2) グループ施策 変化の先を予測し、スピード感のあるグループ連携を一層強化する。 a) 国内事業 アルプスビジネスサービスについては、人と会社を強くする取り組みにより業績・処遇向上に取り組んでいく。一方、パナR&Dについては、高度技術を生かしCASE※等の成長分野の受託・請負の拡大を目指していく。また、着実に立ち上がってきたアグリ&ケアについては、営業力の強化と外国人材へのフォロー及び育成によるサービスの質向上を図る。新たにグループ入りしたデジタル・スパイスは、自社ブランド製品の販売強化と宇宙事業の確実な取り組みを継続していく方針である。 ※Connected(コネクテッド)、Autonomous(自動運転)、Shared & Services(カーシェアリングとサービス)、Electric(電気自動車)の頭文字をとった造語。変革の時代を迎えている自動車産業の方向性を示すキーワードとして注目されている。高度な技術力や信頼が必要とされる純正カーナビを主力としてきたパナR&Dならではの実績やノウハウが生かせる分野と言える。 b) 海外事業 既存事業(日系企業等に対する生産設備等の据え付け、メンテナンス並びに人材サービス)をさらに拡大するとともに、実践的な教育による採用拡大に取り組む。また、日本国内のグローバル人材の受け入れについても、引き続き採用強化を図るとともに介護事業の基盤構築にも取り掛かる計画のようだ。 3. 弊社アナリストの見方 弊社では、コロナ禍の影響については依然不透明感が残るものの、1)同社が対象とするR&D投資の領域は、企業の将来的な競争力に直結する長期的な投資分野であり、今後も旺盛な需要が期待できること、2)コロナ禍においても、人材の採用及び教育など事業基盤の拡大を図ってきたこと、3)半導体や医療系、ソフト開発など好調分野を中心に稼働率も足元で回復傾向にあること、4)ニューノーマルを見据えた採用や教育体制への変革にも取り組んでいること、5)デジタル・スパイスの連結効果が見込めることなどから、同社の業績予想の前提には十分に合理性があると評価している。注目すべきは、順調に立ち上がってきた農業関連分野の進捗である。本格的な業績貢献にはまだ時間を要するものと見られるが、今後の事業拡大に向けて、現地での人材育成・採用の状況、並びに国内での派遣先開拓の両面からフォローする必要があるだろう。またデジタル・スパイスとの連携についても、どのようなシナジー(営業面の連携やものづくり領域の拡大等)を生み出していくのか注目していきたい。 (執筆:フィスコ客員アナリスト 柴田郁夫) 《EY》
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アウトソーシングサービス事業が主力。技術者派遣や技術プロジェクト受託、事務派遣、職業紹介等を行う。自動車関連、半導体関連の売上比率が高い。稼働率は高水準維持。中計では26.12期売上高555億円目指す。 記:2024/07/08