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すららネット Research Memo(1):2020年12月期はオンライン学習需要拡大の追い風もあり大幅増益

2021/3/18 15:11 FISCO
*15:11JST すららネット Research Memo(1):2020年12月期はオンライン学習需要拡大の追い風もあり大幅増益 ■要約 すららネット<3998>の主力事業は、主に小学生・中学生・高校生を対象としている学習塾や学校に対して、オンライン学習教材「すらら」サービスを提供することである。「すらら」を導入する顧客に対して、「すらら」を活用した教育カリキュラムの提案や独立開業の各種支援、経営支援サービス等も行っている。また、近年では独立行政法人国際協力機構(JICA)からの採択を契機にスリランカ、インドネシア等の海外でも事業展開を開始している。 契約する学習塾や学校から毎月サービス利用料を徴収すると同時に、同社のシステムを利用する生徒一人ひとりに対してIDを発行し、毎月その利用料を徴収するのが基本的なビジネスモデルとなる。したがって、導入校数と発行ID数が増加すれば収益が増加する。クラウドでサービスを提供していることから、損益分岐点を超えてからの限界利益率は非常に高い。 1. 2020年12月期業績の概要 2020年12月期の業績は、売上高1,649百万円(前期比44.5%増)、営業利益540百万円(同738.0%増)、経常利益548百万円(同734.6%増)、当期純利益379百万円(同764.2%増)となった。新型コロナウイルス感染症拡大(以下、コロナ禍)によりオンライン授業の関心・需要が高まったこともあり、重要指標である導入校数(2020年12月期末)は2,432(前期末比1,376増)、ID数(同)は373,783(同303,816増)と大幅に増加した。また、特に2020年12月期下期は、先端的教育用ソフトウェア導入実証事業補助金(以下、EdTech導入補助金)の影響もあり公立学校での需要が急拡大し大幅増収となった。一方で費用面では、前期に発生したTVCMの消失や、緊急事態宣言や外出自粛要請等を受けたことによる出張費用の減少等により、営業利益は前期比で大幅増となった。なお、同社自体へのコロナ禍の影響はほとんどなかった。 2. 2021年12月期業績見通し 2021年12月期の業績は、売上高1,920百万円(前期比16.4%増)、営業利益323百万円(同40.1%減)、経常利益360百万円(同34.3%減)、当期純利益239百万円(同36.8%減)と予想されている。売上高については、引き続きGIGAスクール構想※の進捗により教育現場でのICT化が進むと予想され、重要指標は増加が見込まれる。ただし、現時点では、EdTech導入補助金は2021年3月までで、2021年4月以降は見込まない、と厳しく予想している。一方で、コロナ禍の影響により2020年12月期に減少した出張費用やイベント関連費用が2019年12月期水準に回復する見込みであることに加え、今後の業容拡大に向けて積極的に人材採用を行うこと、競争力強化のためシステムやコンテンツへ積極的な開発投資を行う予定であることなどから、費用は大幅な増加を見込んでいる。この結果、営業利益は前期比で減益を予想している。しかしながら、売上高は控えめな予想である一方で費用は厳しく見込んでいることから、上方修正の可能性もあると思われる。 ※GIGA(Global and Innovation Gateway for All)スクール構想:義務教育を受ける児童生徒のために、1人1台の学習者用PCと高速ネットワーク環境などを整備する5年間の計画。校内LANの整備、学習者用のPCの導入、学習ツールと校務のクラウド化などが盛り込まれている。 3. 中長期の見通し 中長期の展望としては、国内市場でのシェアアップ(特に低学力生徒向けやローカル中堅大手の学習塾、学校等の大口顧客)により成長を図る計画だ。最近では顧客基盤が大手学習塾、大手の学校法人や公立学校、さらには社会問題の解決に寄与する教育機関以外の領域(放課後等デイサービス施設や寺院等)にも広がりつつある。また、現在はコロナ禍の影響で足踏みしている海外展開(発展途上国でのローカル顧客向け、現地日本人学校向け)も将来的には成長余地が大きい。現時点での定量的な目標として、2023年12月期に売上高3,100百万円、営業利益940百万円を掲げているが、前提条件を厳しく見ていることに加え、足元の業績が好調であることから、この目標が前倒しで達成される可能性は高いと弊社では見ている。 ■Key Points ・学校や学習塾等に対してのクラウドでの学習教材・サービスの提供が主力事業 ・2021年12月期は増収ながらも先行投資費用増加により減益予想も、上方修正の余地あり ・中長期では国内でのシェアアップと海外展開で成長を目指し、2023年12月期に営業利益940百万円を目標に掲げる (執筆:フィスコ客員アナリスト 寺島 昇) 《YM》
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時価総額 2,470百万円
学校向けICT教材「すらら」、公立小中学校向けサービス「すららドリル」の提供等を行う。海外向け算数・数学ICT教材等も手掛ける。ウィザスと業務提携。導入校数は2200校超。利用ID数は26万ID超。 記:2024/06/15