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セグエ Research Memo(6):ネットワークセキュリティの新たなリーディングカンパニーを目指す(1)

2021/1/6 15:06 FISCO
*15:06JST セグエ Research Memo(6):ネットワークセキュリティの新たなリーディングカンパニーを目指す(1) ■中長期の成長戦略 1. 市場環境と長期ビジョン・中期数値目標 セグエグループ<3968>が属するセキュリティ市場環境では、高度情報化社会の進展とともに、更なるセキュリティ需要の拡大が見込まれる。一例を挙げると、サイバー攻撃増加に対応するために企業や組織におけるセキュリティ対策の継続は重要度を増している。サイバー攻撃は、年々高度化・巧妙化が進むとともに新たなものも日々生み出されており、最近ではランサムウェアの急増やIoT※の進行に伴う攻撃対象の増加等が起きている。 ※Internet of Things:モノのインターネットのこと。従来は主にパソコンやサーバ、プリンタ等のIT関連機器が接続されていたインターネットに、それ以外の様々なモノを接続すること。 足元ではコロナ禍の影響を受け、デジタル化の進展は従来の想定以上に加速しているようだ。特に企業のテレワーク環境の整備は急速に進んでいることから、今後もテレワーク環境を持続させるためのITインフラ整備、そしてその環境に適した効率的な業務体制の構築等が進むと予想される。また、コロナ禍の影響を受けて急遽構築したテレワーク環境では、セキュリティ対策が後回しにされがちなため、これを狙ったサイバー攻撃が増加傾向であることから、マルウェア対策、不正アクセス対策、情報の暗号化などの早急な対策が必要である。 こうしたなか、政府によってサイバー被害の通知が義務化され、2020年6月には、一定の要件を満たす情報漏洩被害の個人への通知義務化を含む、改正個人情報保護法が公布され、同年7月に個人情報保護委員会は、サイバー攻撃による情報漏洩被害が発生した場合、被害者全員への通知を義務付けると発表した。2022年の施行までに、より一層のセキュリティ対策が求められている状況だ。 また、政府はコロナ禍の影響を受け、GIGAスクール構想実現のためのITインフラ整備を前倒しで実施する。2020年度に2,300億円を予算化することで、「1人1台端末」の実現や、家庭でもつながる通信環境の整備などを加速し、安心してICT(情報通信技術)を活用できるように「教育情報セキュリティポリシーに関するガイドライン」に準拠したセキュリティ対策を推進する計画である。このようなセキュリティ需要の拡大により、今後も同社にとっては有利な事業環境が続くと予想される。 セキュリティ需要の拡大に伴い、国内のセキュリティ(製品及びサービス)市場の年平均成長率は、従来の5.1%から今後は5.7%に上昇すると予想される。また、これまで国内セキュリティ市場の成長率は世界市場の成長率を下回っていたが、今後は国内でもセキュリティ対策が重要になることから、世界市場の成長率に近づくと見られる。こうした市場環境下、同社の売上高は、2012年12月期から2019年12月期まで年平均15%超で成長を続けているが、今後も自社製品の拡大、海外メーカーとの良好な関係による製品輸入の拡大、さらに足元におけるコロナ禍の影響等を背景に、市場成長率を上回る成長を続けると弊社では見ている。 こうした市場環境を踏まえて同社は、長期的な方向性としてネットワークセキュリティの新たなリーディングカンパニーを目指している。すなわち、AIやIoTなどの新しいテクノロジー、ユニークな発想のメンバーを結集したセキュリティソリューションプロバイダービジネスを展開することで、顧客、パートナーから信頼され、自らが誇れる業界TOP企業を目指す。また、経営戦略の基本方針として、企業価値向上を追求していく。具体的には、既存事業分野の持続的成長、新規プロダクト、サービス、自社製品、自社サービスへの集中投資と拡大に加え、M&A戦略及び新たなビジネスモデル創出による爆発的成長を目指す。ベースラインの持続的な成長に加えて、爆発的な成長を達成するために、M&A戦略や新規事業を積極化する方針である。 以上の市場環境認識や長期ビジョンに基づき同社では、2019年12月期決算発表時に、対外的には初めてとなる中期数値目標を発表した。具体的には、2019年12月期実績の売上高9,646百万円、営業利益548百万円、営業利益率5.7%から、2022年12月期には売上高150億円、営業利益10億円、営業利益率6.7%を目指す。今後3年間で売上高1.56倍、営業利益1.82倍、営業利益率1.0pt上昇を目指す意欲的な目標である。2020年12月期の業績は増収増益の予想ながらも、中長期の成長に向けた人財や社内環境・システム等への積極投資を行った結果、営業利益率は5.3%に低下する見通しである。ただ、主要な先行投資は2020年12月期で完了する予定であることや、新たな事業環境に対応した成長戦略によって市場の成長を上回るペースで業績拡大を続けることが見込まれることから、数値目標は達成可能な水準と弊社では考える。 2. 成長戦略 中期数値目標達成のために、成長のポイントとして「システムインテグレーション、SEサービスビジネスの強化」「VADビジネスの伸長」「自社開発製品の販売推進」の3つを掲げている。 第1の「システムインテグレーション、SEサービスビジネスの強化」では、営業・技術人員の早期増強、案件の大型化、西日本エリアの開拓、クラウドやAIなどの範囲拡大などに取り組む。2020年12月期には、ITインフラ大型システムプロジェクトが遅延する一方で、取り扱いWi-Fiプロダクトが採用され、GIGAスクール案件の獲得が進むなどの成果があった。 第2の「VADビジネスの伸長」は、代理店ビジネスを伸ばすことであり、そのために新規セキュリティ商材の継続的取り扱い、効率的な販売体制の強化、着実なサポートサービス(ストック収入)の積み上げなどに取り組む方針だ。2020年12月期は主要取り扱い製品の販売が堅調で、Juniper、Ruckusを中心に安定した収益を確保している。また、テレワーク関連セキュリティプロダクトの販売を推進し、安全なリモートアクセスを実現するPulseSecureが大幅に増加している。なお、2020年3月にはAIクラウド管理型Wi-Fiソリューション「Mist」 の取り扱いを開始した。 第3の「自社開発製品の販売推進」では、目標年率40%以上の成長、販売パートナーの拡充、次の需要を見据えた的確な開発などに取り組む。初年度の実績としては、2020年3月に、セキュアテレワークソリューション「RevoWorks Desktop」の販売を開始し、同年5月には日本電気にSCVXのOEM提供を開始した。さらに同年8月には、アライドテレシス(株)の「Net.CyberSecurityセキュアWebサービス」に採用され、同月にはブランドサイトを新たにオープンするなど、RevoWorksブランドとしてのマーケティングを強化している。 (執筆:フィスコ客員アナリスト 国重 希) 《YM》
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セキュリティ製品やITインフラ製品の販売等を行うソリューションプロダクト事業、ITシステムの設計・構築等を行うソリューションサービス事業を展開。海外ビジネスの確立などに注力。26.12期260億円目標。 記:2024/10/11