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USENNEX Research Memo(8):顧客インフラ導入促進、IoT・DX商材拡販、高成長事業加速に注力

2020/12/16 15:48 FISCO
*15:48JST USENNEX Research Memo(8):顧客インフラ導入促進、IoT・DX商材拡販、高成長事業加速に注力 ■USEN-NEXT HOLDINGS<9418>の業績予想 1. 2021年8月期のグループ経営方針 2021年8月期は、2020年8月期にコロナ禍に見舞われたこと、中期経営計画の中間目標を2年前倒しで達成したことから、やや特殊な期であったと言える。これまでの「必要とされる次へ。」というスローガンに「今こそ、」を付けた。コロナ禍に対応しつつ成長を見失わないという気持ちを込めたものと見ている。新しいスローガンの下、同社は2021年8月期のグループ経営方針を、「新時代の組織形成」「IoT/DX商材の加速」「サステナブルな利益成長」とした。「新時代の組織形成」では、生産性の追求と評価、新しい働き方における新しい力の結集、スピード力の形成を行う。「IoT/DX商材の加速」では、顧客アカウントの増大、顧客インフラの導入促進、IoT/DX商材の拡販、新技術商材の開発を行う。「サステナブルな利益成長」では、高収益事業の回復と維持、原価構造の見直し、高成長事業の更なる加速を行う。3つの経営方針それぞれが、具体的な目標を持っている。同社はこのうち、顧客インフラの導入促進とIoT/DX商材の拡販、高成長事業の更なる加速にフォーカスする方針である。 (1) 顧客インフラの導入促進・IoT/DX商材の拡販 実は、前述した店舗サービス事業の新たなサービス「U AIR」「U MUSIC」「U EYES」が導入されたことで、店舗サービス事業のプラットフォームが「USEN IoT PLATFORM」として一定の完成形を見ることになった。プラットフォームの中心となるのが通信環境で、全体がリアル店舗のDXを推進するためのフォーメーションになっている。主軸となる通信環境の整備には、Wi-fiの普及はもちろんだが、MVNOサービスのSIMも店舗環境によっては強い武器になると考えられている。このため同社の業務店向け光回線サービスは、中期経営計画を1年前倒しで2021年8月期に単月黒字化が見込まれるまでになった。キャッシュレス対応などである意味フック商材でもあった「Uレジ」については、2020年8月期にコロナ禍の影響で横ばいとなったが、今後再び勢いが増してくると見込まれている。 医療機関・薬局向けにはIoT/DX商材を拡販する方針である。マイナンバーカードの保険証適用(オンライン資格確認)を促進するため、国庫補助金をテコに2021年3月から順次医療関連機関に、顔認証によるマイナンバーカードリーダーの設置が進められる予定になっている。総合病院は同社の高機能な「Sma-paシリーズ」で対応可能だが、小規模な医療関連機関向けに「Sma-paマイナタッチ」を同社は開発した。現在、厚労省に認定されているのは同社と富士通Japan(株)、パナソニックシステムソリューションズジャパン(株)の3社だけで、なかでも同社の「Sma-paマイナタッチ」は紙の各種証明書を読み取れる点で優位性がある。クリニックや歯科医院、薬局は全国に20万件以上あり、同社は新たな成長余地としてこの市場に特化したマーケティング会社(株)USEN Healthcareを設立、営業を強化する方針である。 (2) 高成長事業の更なる加速 高成長事業と見なしていたコンテンツ配信事業が、巣ごもり需要を機に飛躍を開始した。前述したように、コンテンツラインアップなど明確な差別化要因はあるが、一方でAmazonプライムビデオやNetflixが資金力という脅威を発揮し始めており、他社も必死に食い下がろうとしている。このため同社は、コンテンツ配信事業のポジショニングを再設定し、成長戦略を見直した。ポジショニングとしては、オリジナルコンテンツ制作による差別化でなくライブラリーとしての価値を追求する。最新作を含む多様なジャンルの作品を網羅的に取り揃え、レンタルショップの代替サービスとしてのポジションを狙う。成長戦略としては、売上げの安定的成長が見込まれるなか、新規ユーザー獲得のためプロモーションコスト投下は継続しつつ、既存ユーザーを維持するためのコンテンツ調達のコストを積極的に使うことで満足度を上げ、客数の拡大及び利益成長を目指す。コロナ禍の最中に行ったサザンオールスターズのような音楽ライブ配信も、音楽配信で培ったノウハウや業界とのリレーションを活用して本格的に取り組んでいく計画である。また、各ジャンルの強化も図る方針だ。これにより、コンテンツ配信事業の成長を加速する考えである。 (執筆:フィスコ客員アナリスト 宮田仁光) 《EY》
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