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タマホーム Research Memo(7):21年5月期は注文住宅の販売減と販売用不動産売却益のはく落で減収減益見通し

2020/8/25 15:17 FISCO
*15:17JST タマホーム Research Memo(7):21年5月期は注文住宅の販売減と販売用不動産売却益のはく落で減収減益見通し ■今後の見通し 1. 2021年5月期の業績見通し タマホーム<1419>の2021年5月期の連結業績は、売上高で前期比6.8%減の195,000百万円、営業利益で同24.0%減の7,500百万円、経常利益で同26.2%減の7,200百万円、親会社株主に帰属する当期純利益で同21.7%減の4,000百万円と減収減益を見込んでいる。国内住宅着工戸数は消費増税やコロナの影響による景気悪化を背景に、2019年秋以降減少傾向が続いており、先行きについてもコロナの動向が不透明なことから、感染拡大の第2波到来を前提とした保守的な業績見通しとなっている。なお、注文住宅及び戸建分譲住宅の受注棟数は前期比3.6%減の9,732棟、販売棟数は同5.4%減の9,000棟を見込んでいる。 (1) 住宅事業 住宅事業のうち、注文住宅事業については減収減益を見込んでいる。月次受注の状況を見ると、コロナの影響で同業他社が4月−6月も減少トレンドを続けるなか、同社は4月−5月が前年同期比20%弱の増加、6月も同3%増と堅調な推移となった。前年同期の水準が低かったこともあるが、同社は相対的にコロナの影響が小さかった地方エリアの構成比が高いこと、2020年1月より投入を開始した地域限定商品を発展させた新商品の引き合いが好調なことも、受注堅調の要因となっている。 同社は地域ごとのシェアNo.1戦略を推進するなかで、新たに仕入れコストの削減分を販売価格にスライドさせた低価格商品の提供や、販売価格を維持しながら住設機器(エアコン等)のオプション料金を無料にするなど、地域のニーズに合わせた様々な商品提案を行っており、こうした商品サービスが好評を得ている。2020年5月時点で全都道府県において新たな商品の販売を開始しており、2021年5月期についても業界シェアの上昇が見込まれる。このため、注文住宅の平均販売価格が第2四半期以降に低下する可能性があるが、1棟当たりの粗利益は維持する方針となっており、利益面でのマイナス影響はないものと考えられる。 営業戦略としては、従来、展示場でのイベント開催等による集客施策が中心であったが、コロナの影響で展示場への集客は現在、予約制を導入しているため、当面は集客数の減少傾向が続く見通しだ。対面型の営業機会減少をカバーするため、Webマーケティングの強化とWeb面談の充実に取り組んでいる。Webマーケティングではインターネット広告の出稿を増やしており、資料請求件数は前年比で大幅に増加している。ただ、インターネットを通じた見込み客は展示場への来場客と比較して受注成約率が低いため、Web面談を行うことでいかに受注成約率を高めていくかが今後、重要となってくる。Web面談のみで成約につながったケースが既に数件あり、こうした成功事例を社内で共有していくことで成約率を高めていく考えだ。 なお、コロナの影響で3月頃に一部、住設機器の中国からの調達がストップしていたが、4月半ばまでに問題は解消している。今後については、仕入資材における生産国情報を精査し、事前の発注先変更や発注量を調整するなどして、海外拠点におけるパンデミックが発生した場合のリスクを最小限に抑えられるよう対策に取り組んでいる状況にある。 リフォーム事業については、引き続き同社が販売した築10年目の住宅に対する保証延長工事の受注獲得に注力することで、増収増益が見込まれる。2021年5月期における築10年点検対象見込み棟数は約8,000棟あり、1件当たり平均売上高は180~200万円程度となるため、これらすべてを受注できれば年間売上高は150億円前後まで拡大することが可能となる。2020年5月期のリフォーム事業売上高は7,100百万円のため、成長余地は依然大きいと言える。同社では引き続き成功事例の社内共有や研修を実施することで、10年点検の保証延長工事に関する捕捉率を前期実績の約25%からさらに引き上げていく方針だ。 (2) 不動産事業 不動産事業のうち、戸建分譲事業は増収増益を見込んでいる。引き続き仕入体制を強化し、10区画以下で良質な宅地の確保と安定供給に取り組むとともに、高品質な分譲住宅を適正価格で販売することで、収益拡大を図っていく方針だ。販売単価は平均3,000万円前後で上限の目安はおおむね4,500万円までとなる。 マンション事業は増収増益となる見通し。2021年5月期においては、進行中のプロジェクトが4棟あり、うち1棟が期中に完売の予定。完売時の売上規模としては10~20億円程度となる見込みだ。 都心7区で展開しているサブリース事業の売上については保守的に、前期比横ばいで見込んでいる。管理物件は現在の16棟から1棟前後上積みできる可能性がある。一方、オフィス区分所有権販売事業については、前期末の在庫が減少していること、2021年5月期中に新規の仕入れがないことを前提に、前期比で減収を見込んでいる。 (3) その他の事業 金融事業は住宅販売棟数の減少と連動して減収減益を見込んでいる。また、エネルギー事業やその他事業についてはおおむね前期並みの水準で計画に織り込んでいるようだ。 (執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲) 《ST》
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注文住宅の建築請負が主力。木造ローコスト住宅に強み。リフォームや戸建分譲、マンション販売、オフィス区分所有権販売、エネルギー事業等も。注文住宅のシェア拡大が成長戦略の軸。既存営業エリアの深耕を図る。 記:2024/08/09