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MRO Research Memo(4):新型コロナウイルスの影響は、業績には追い風、物流・ITプロジェクトには遅延要因

2020/5/28 15:14 FISCO
*15:14JST MRO Research Memo(4):新型コロナウイルスの影響は、業績には追い風、物流・ITプロジェクトには遅延要因 ■トピックス 1. 新型コロナウイルスの影響(プラス面、マイナス面) 新型コロナウイルスの感染拡大はMonotaRO<3064>の事業に大きな影響を与えており、プラス面とマイナス面の両方が考えられる。現時点(2020年4月末時点)ではマイナス面は一過性と考えられるものが多く、中期的にネット通販の普及促進というプラス面が上回っていくことが想定される。 ネット通販事業(monotaro.com)では、現時点でプラス面が上回っている。新型コロナウイルス関連商品を求める個人顧客の登録が急増し、新規登録者は計画を上回って進捗。需要面では、新型コロナウイルス関連商品(マスク、消毒液などの衛生用品等)、在宅勤務等働き方の変化による関連商品(家具、消耗品等)の売上が好調に推移する傾向だ。マイナス面では、マスク、消毒液、防護服等一部の商品で供給が追い付かず、注文制限を設定していることや、個人顧客比率が増えたことなどにより、平均注文単価が7%低下した(4月)ことが挙げられる。業種別には、特に製造業からの受注が他の業種(建設工事業、自動車整備業ほか)に比べて伸びが弱い傾向である。製造業は主力業種であり、緊急事態宣言やサプライチェーンの混乱による一過性の落ち込みかどうか注視する必要がある。購買管理システム事業(大企業連携)に関しては、前期比で売上高が伸びてはいるが、4月は計画未達であり弱含みである。一過性の落ち込みかどうか注視する必要がある。この落ち込みを個人向けが好調のネット通販事業(monotaro.com)が補い成長を維持している構図となっている。大企業連携の売上構成比が想定よりも抑えられると、全社利益率は上がることが想定できる。海外事業(韓国、中国、インドネシア)に関しては、中国での受注停止(1月末〜3月初旬)のような一過性の売上減はあったものの、4月時点では落ち着きを取り戻した。むしろ新型コロナウイルスで外出が制限されるなか、ネット通販としての認知度向上、初回購入の増加が期待される。同社のオペレーション面では、4月5日に尼崎DCで感染者1名が発生し、直ちにDC内関連箇所の消毒、接触者29名の自宅待機が実施された(売上への影響はなし)。今後も、お客さま対応窓口や物流センター等はオペレーション現場での感染者発生のリスクはあるが、危機管理の体制は整備されており、影響は最小限となろう。小売り業界全体としては、消費者(法人、個人)が外出や対面販売を控える風潮のなかで、ネット通販業界の成長が加速しており、同社においても追い風と言えるだろう。 2. 新型コロナウイルスの物流・ITプロジェクトへの影響 新型コロナウイルスは、同社が進めている物流センター構築プロジェクトやサプライチェーン高度化のためのITシステム構築プロジェクトへも影響を及ぼしている。物流センターに関しては、笠間DCのバックヤード機能が主機能の茨城中央サテライトセンター(茨城中央SC)の建設工事が中断中だ。緊急事態宣言を受けて建設会社の新型コロナウイルス対策として中断しているものであり、順次再開の見込みだ。当初計画では2021年4月に稼働開始予定だったが遅れる可能性がある。関西での最新鋭DCとなる猪名川DCも同様に建設工事が中断中だ。当初計画では2022年4月に第1期稼働開始予定だったが遅れる可能性がある。 同社は、2019年初めから、サプライチェーン高度化のために商品情報管理及び受発注管理の新システムの導入プロジェクトを推進してきた。商品情報管理システムは、同社のような多くの商品(現状1,800万点超)を効率的に扱う場合には、不可欠になる。取扱商品増等の商品情報拡大対応へ向けマスターデータ基盤(商品、仕入先等)を構築・整理し商品情報の多様化・充実化を図り、将来的にサプライヤー向けポータルサイト開設やワークフロー整備を行う。当初計画では、初期版(Phase1)運用開始は2020年12月期第1四半期予定だったが、新型コロナウイルスなどの要因で若干遅れが生じ、第2四半期中ごろまで延期された。また、受発注管理システムは同社のような複数の在庫拠点から配送する事業モデルに不可欠である。多様なルールに基づく最適な配送方法の選定を可能にし、物流オペレーション平準化、荷別れ抑制、物流ネットワークの更なる最適化、配送・物流関連コスト抑制を図る。こちらも同様に当初計画では、初期版(Phase1)運用開始は2020年12月期第1四半期予定だったが、新型コロナウイルスほかの要因で若干遅れが生じ、第2四半期中ごろまで延期された。 (執筆:フィスコ客員アナリスト 角田秀夫) 《EY》
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時価総額 1,322,564百万円
工業用間接資材のネット通販最大手。工具、部品、消耗品、事務用品等を扱う。取扱商品は2200万点超。登録会員数は960万口座超。圧倒的な品揃えが強み。顧客は中小企業が中心。テレビCMなどで認知度向上図る。 記:2024/10/11